神社で洞窟アドベンチャーができる!?【墨田区・両国駅】

入るのにはちょっとの勇気が必要。
入るのにはちょっとの勇気が必要。

相撲の街として知られる両国にあるのは「江島杉山神社」。境内には洞窟があります。

屈まないと入れない、暗い中を歩いて進む洞窟は、都会にいながらアドベンチャー感も味わえてワクワク!

しかしこちらは、現代のエンタメとして作られたものではなく、230年以上前に作られた信仰の場です。

洞窟の一番奥に祀られている宇賀神。
洞窟の一番奥に祀られている宇賀神。

奥に進むと、暗がりにとぐろを巻いた蛇の石像が……と、思いきや顔は人間(おじいさん)という像が待っていて、ギョッとするかもしれません。

これは「宇賀神」という日本特有の神様で、弁財天と同一とされます。

学問や芸能、商売繁盛や美と健康に御利益があると言われているので、洞窟探検してみるのも悪くないでしょう。

なぜ!? 真っ赤に塗られた猿の像【埼玉県鴻巣市・北鴻巣駅】

埼玉県の「三ツ木神社」に奉納されているのは大量の猿の像。

しかも、真っ赤に塗られた像もあり、異様な光景にも見えます。
うず高く積み上がるのは全て猿の像。
うず高く積み上がるのは全て猿の像。
こちらの御祭神は大山咋命(おおやまくいのみこと)という神様で、猿が使いなのです。
それにしても圧巻なのが、拝殿の横に作られた眷属殿(けんぞくでん)という建物。中には、あふれんばかりに大量の猿の像が奉納というか、積み上がっています。
その数はなんとおよそ6000体で、圧巻です!
合掌する猿の像に朱色の粉が塗られている。
合掌する猿の像に朱色の粉が塗られている。
大山咋命は名前からもわかる通り、山の神様で五穀豊穣の御利益があるとされてきました。
神社の方によると、江戸時代以降に婦人系の症状に効くと言われるようになり、生理痛に苦しむ方や安産祈願をする方が多いとのこと。
自分が治したい部分に、朱色の粉を塗ることで御利益が得られてると言われることから、真っ赤なお猿さんたちがたくさん並ぶようになりました。

卓球するならこの神社で!?【大田区・武蔵新田駅】

境内には巨大な破魔矢が。
境内には巨大な破魔矢が。

大田区の「新田神社」は、ちょっと変わった見所が満載の神社です。

お正月の縁起物として見かけることの多い「破魔矢」。読んで字のごとく、自宅に置いておくと、「魔を破る」ことで悪運が離れると考えられています。

そんな破魔矢発祥の地がこの新田神社なのです。

こんな卓球台見たことない!
こんな卓球台見たことない!

さらに、境内には「石でできた卓球台」があります。

2000年に近隣を走る多摩川線で「多摩川アートラインプロジェクト」という企画が立ち上がり、各駅にアート作品が置かれました。

そこに参加したアートディレクターの浅葉克己さんが神社を訪れ、その空間に惚れ「作品を置かせてください」と神社に依頼したそう。

ラケットなどの無料貸出もあるため気軽に遊ぶこともできます。

他にも「うなる狛犬」など、見どころの多い同社。縁結びの御利益で知られているため、カップルや夫婦で、卓球をしに神社に行ってみるのも面白いですね。

あのライオンがこんな場所に!?【墨田区・とうきょうスカイツリー駅】

日本に数えるほどしかない三本足の鳥居。
日本に数えるほどしかない三本足の鳥居。

鳥居といえば二本足であるのは誰もが思い浮かべるところです。

しかし「三囲神社」には、珍しい「三本足の鳥居」が!

京都府の「木嶋神社」が元になっていて、宇宙の中心という意味や、水が湧く聖地を囲う意味もあるとされています。

個人的には「3」という数字はがキリスト教の聖なる数なので、つながりを妄想するとゾクゾクします!

このライオン、何か見覚えがある……。
このライオン、何か見覚えがある……。

その他、境内には狛犬もいますが、なんと「ライオン」まで!

三囲神社は、三井財閥が守り神としていたため、このライオンは実際に三越池袋店にいたものなのです!

財閥の守り神であることから商売繁盛が中心。他に家内安全。災難除け、子孫繁栄など幅広い御利益があります。

稲荷神社なのに狐じゃない動物が!? その1【豊田区・秋葉原駅】

鳥居の横にいるのは狐ではない。
鳥居の横にいるのは狐ではない。

秋葉原駅の近くにある「柳森神社」は、京都の伏見稲荷から神様を迎えてできた稲荷神社です。

稲荷神社といえば狐ですが、ここにいるのは「たぬき」。

ここに「たぬき」がいる理由は、徳川綱吉の母だった桂昌院という女性を知ると見えてきます。

彼女は身分の低い家系に生まれながら、将軍の側室にまでなった人物です。つまり、「他を抜いて」出世をしたことから「たぬき」が祀られるようになったのです。

表情も愛らしいたぬき。
表情も愛らしいたぬき。

そのため、御利益は出世や昇進。また、たぬきのシンボルである大きなアレから、安産祈願や子宝成就を願う人もたくさん訪れます。

稲荷神社なのに狐じゃない動物が!? その2【港区・赤坂駅】

凛々しい姿の猫が前を見据える。
凛々しい姿の猫が前を見据える。

狐以外の動物がいる稲荷神社は他にも。赤坂にある「美喜井稲荷神社」にいるのはかわいらしい猫です。

昔、ある家で火災が発生。

それに気づかずに眠っている飼い主を起こして助けた「美喜井」という名前の猫がいました。飼い主は助かりましたが、美喜井はこの火事で死んでしまいます。

小さな神社でも猫の彫刻があちこちに。
小さな神社でも猫の彫刻があちこちに。

飼い主は自分を助けてくれた美喜井をしっかり弔いたいと考えていました。ある時、その話を聞いた偉いお坊さんが「美喜井は、猫に姿を変えてやってきた神様だ」と話し、それから神様として祀られるようになりました。

猫が祀られていますが、稲荷神社なので、御利益は五穀豊穣や商売繁盛です。

目の前には大きな「豊川稲荷東京別院」もありますが、小さなこちらの稲荷神社も参拝してみては?

芸術性高すぎな彫刻を見に行こう!【神奈川県横浜市・横浜駅】

横浜駅のすぐそばにある「大綱金比羅神社」。小さな神社ですが、拝殿の脇には大きな天狗のお面!

奥にある天狗の顔に目が向く。
奥にある天狗の顔に目が向く。

天狗の面はお寺や神社でよく見かけますが、この天狗が珍しいのは、天狗面を持ってきたのではなく、ここに立っている一本の木からそのまま「彫り出した」ものであること。

近づくとそのすごさが一層伝わってくる。
近づくとそのすごさが一層伝わってくる。

戦国時代に、全国に広がる戦いでたくさんの金比羅神社は荒廃してしまいました。

それを立て直した人物である厳魂彦命(いずたまひこのみこと)は、天狗になって山に消えたとされていて、天狗はまさに金刀比羅神社の守り神なのです!

そんな天狗の姿を、立ったままの木から彫り出すという「芸術」を、ぜひその目で確かめてみてください!

 

八百万(やおよろず)の神がいるとする神道。今回ご紹介したような、ちょっと変わった神社が生まれるのも、神道の懐の広さがなせる技ですね。

どの神社も気軽に出かけられる場所にあるので、お出かけの参考にしてみてください!

写真・文=Mr.tsubaking