見た目も味も量も満点のボリューム
『旨辛ラーメン表裏』のラーメンといえば、たびたびテレビ番組でも取り上げられる看板メニューのあんかけ拉麺DX(デラックス)1300円。
しかし、この店にきたならば、ぜひとも食したいのは旨辛味噌ラーメンDXなのだ。
「わっ、すごい!」
提供されてそのボリュームに思わず声が出た。モリモリに盛られた具材は、ラーメン丼と同じぐらいの高さがある。大人の手のひらサイズはありそうな鶏もも1枚を使ったどデカい唐揚げの存在感がすごい。
『表裏』の代名詞ともいえるこの唐揚げ。叩いて柔らかくした鶏もも肉を特製ダレに一晩漬け込み、低温で一度じっくりと揚げる。これを注文が入ってからもう一度高温でカラッと揚げることで、最高にサクサクの食感になるのだ。
早速、熱々の唐揚げを口に運ぶ。サクサクカリッとした食感を楽しんだ後から、味がしみこんだジューシーな肉のおいしさが追いかけてくる。このまま食べてもいいし、スープに漬けて食べるとこれまたうまい!
唐揚げの隣には、たっぷりの特製肉味噌がのっている。ゴロゴロとした食感の鶏のミンチは、味噌スープに合うよう特製の辛味をつけて炒めている。麺と絡めてもよし、スープと一緒に口に運ぶのもよし、味がしっかりついているのでこのままいくらでも食べられそうだ。
ベースのスープは大量の豚骨と鶏、香味野菜をふんだんに使ってじっくり15時間かけてつくられた濃厚スープ。見た目はラー油の色も鮮やかで脂もキツめに見えるが、飲んでみると脂っこさはなく、辛さも控えめに感じる。4種類の味噌をブレンドした特製のかえしと、スッキリとしていてそれでいて深みがある濃厚なスープとの相性が最高だ。
野菜はシャキシャキのもやしとキャベツ、香り高いニラがこれまた山盛りになっていて、なかなか麺にたどり着かないほどだ。そしてなんといっても、たっぷりのニンニクがいい仕事をしている。野菜と肉を頬張って、ようやく麺が登場だ。
麺は中太めのストレート。モチモチの食感がたまらない。このモチモチ麺の秘密は、なんとタピオカ粉だという。
「国産の小麦粉にタピオカ粉をちょっと練り込むことで、麺が伸びにくくなってモチモチの食感が続くんですよ」と店長の松下裕太(まつしたゆうた)さん。
「麺もスープも、唐揚げも肉味噌も、すべてこだわってます」
納得の一杯、味もボリュームも大満足だ。最初は辛さ控えめだと感じたが、食べ終わる頃には額に汗がにじんでいた。まさに旨さと辛さの“表裏一体”であった。
時代と土地に合わせて変化しつづける
「実は、スープは材料の配合を少しずつ変えているんです。毎日通い詰めているお客さんでも気づかない変化かもしれませんが、時代に合わせてよりおいしく食べていただけるようにと思って」
お客さんの笑顔を見るためなら、松下さんは変化を恐れない。
「高田馬場の街で営業できているのも地域のみなさんに支えていただいてるおかげです。だからこそ、地域のみなさんに喜んでいただけるようにと感謝の気持ちをこめてメニューも工夫して増やしています。例えば、辛いものが苦手な方でも食べられるあっさり系の中華そばや、夏季限定の冷やしメニューなどもあります。小さいサイズのメニューや、女性の方も気軽に召し上がっていただけるようにウーロン茶つきのレディースラーメンセットも用意しています」
子供におなかいっぱい食べてほしい
平日15〜18時は、味玉・唐揚げ・ねぎ・にんにくのどれかひとつを無料でつけられる。なんとも贅沢なタイムサービスだ。ふと見ると、食券販売機の上に子どもラーメンチケットがあった。なんと小学6年生まで子どもラーメンが無料だという。
「日本って、おなかいっぱい食べられる子ばかりではないんです。子どもラーメンは、当店の営業時間内であれば1日何度でも何杯でも無料になるシステムです。ご家族で来てくれる方や、子供だけで来てくれる子もいます。おいしいラーメンを用意しているので、ぜひ食べに来てください」
迫力のボリュームとこだわりぬいた味、お客さんの声を聞いて変化し増え続けるメニュー、地元で愛されつづける理由がここにある。『旨辛ラーメン表裏 高田馬場店』は、何度でも通いたくなる店である。
/営業時間:11:00~24:00LO(土・日は~22:30LO)※スープ、材料が無くなり次第終了。※祝は曜日により深夜まで営業の場合あり。/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線高田馬場駅から徒歩1分、JR山手線・西武新宿線高田馬場駅から徒歩5分
取材・文・撮影=村田幸音