緑の多い店内はロフトもあって解放感抜群!
もともとはビンテージ家具のショールームだった場所をカフェにしたとのことで、店内は思っていた以上に天井が高く、奥行きもあり驚く。
オーナーの谷脇周平(たにわきしゅうへい)さんは、『SORAYA』の他にも建物の内装やデザイン・設計の仕事をしていることもあり、店内のデザインはすべて谷脇さんが手掛けている。「イスの色はあえて揃えずに違うものにしたり、植物をたくさん置くことでリラックスできるようにしたり、お客さんが目で楽しめる、ゆったりできる空間を心掛けています」と谷脇さん。
ロフトもあるので、グループで利用したい人は、自分たちだけの空間で居心地よく過ごすこともできる。
アールグレイのミルクレープをいただく優雅な時間
店内に入ってすぐのショーケースにたくさんの種類のケーキがに並べられていて、どれもおいしそうだ。スタッフの方がすすめてくれた、シェフ一押しのアールグレイのミルクレープ850円とともに、アイスコーヒー450円を注文することにした。
一番上には焼きリンゴ。お皿の盛りつけもしゃれていて食べるのがもったいないくらいだ。アールグレイのミルクレープは甘さを抑え、しっとりとしていておいしい。
当初はもっと小さなショーケースにケーキを並べていたが、たくさんケーキが売れていたこともあって、シェフの強い要望で大きなショーケースに買いかえたのだそう。それでも毎日ケーキがなくなってしまうほど多くの客がこのお店のケーキの虜(とりこ)になっているのだ。
ケーキは季節のフルーツが中心のメニューのため、変化に富んでいる。なくなり次第終了になるので来店したら早めに注文したい。
居心地の良い空間を提供したい!
「設計事務所で働いているときは、“社員食堂のようなカフェスペースが職場にあったらいいな”といつも思っていました。職業柄、どうしても不規則な生活となってしまうのに、設計事務所の近くにはコンビニしかなくて。社員食堂が欲しい! それならいっそ自分で社員食堂をコンセプトにしたお店を作っちゃおう!と。社員食堂というコンセプトも面白そうだし、ありそうでないお店になるんじゃないかと考えました」と谷脇さん。
しかし、似たコンセプトのレストランの存在を知り、それならば居心地の良い広い空間を利用したカフェを作ろうとコンセプトを変更したそうだ。店内は広い空間を生かし、テーブル間のスペースもゆったりしている。
「近くの会社員の方もいらっしゃいますが、平日の日中などは町内会の流れでご高齢の方も多く見えるんですよ。そうした方にとってこのお店はおしゃれすぎる印象だったようで、はじめは入店をためらっていたそうなのですが、最近では気軽にご利用いただくようになりました。少しずつこの街に根付いているのを感じています」と、谷脇さんはうれしそうに話してくれた。
“お客様ファースト”を大切にしている谷脇さんだが、話を聞くとお店で働くスタッフへの気遣いも忘れていない。
「スタッフの雰囲気ってお客さんにも伝わるので、スタッフがこのお店で働く満足度も上げたいと思っています」と谷脇さん。例えばお店を休みにして皆で遊びに行ったり、夕方でお店を閉めてしまうことでスタッフの時間を大切にしたりと働きやすさも考えているのだそうだ。
「この場所この街でながくやっていきたいという気持ちが強いんですよね。だからこそお客さんにもスタッフにも愛されることを大切にしています」というのが谷脇さんの思い。
夕方近い店内では、本を読んだりパソコンで仕事をしたり、友達や恋人同士でおしゃべりを楽しんだりとそれぞれの時間を満喫している人が多くいた。また週末になると地方からもお客さんがみえるのだとか。
今回初めて訪れた『SORAYA』は、ゆったりまったりできるし、デザートもおいしいしリピート確定!のカフェだった。何よりも谷脇さんの周りの人に対しての優しさが心地よい。
ちなみに、外のテーブル席と店内入ってすぐのテーブル席限定で、ペット同伴の入店も可能だ。愛犬の散歩の途中にもぜひ立ち寄ってみたい。
/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線・大江戸線門前仲町駅から徒歩5分
取材・文・撮影=アサノ カツヒト