野菜たっぷりの創作料理を提供する虎ノ門のワーカーズスタンド
地下鉄虎ノ門ヒルズ駅から直結している『OVAL CAFE』。改札口から建物内を通り、地上に出ると360度高層ビルに囲まれていて思わず周囲を見回してしまった。ビルとビルの間を歩いているときは建物が高層かどうかは気にも留めないのだが、『OVAL CAFE』の前方は広場になっているから少し先にある建物の大きさがよくわかる。ああ、ここはビルの谷間なのだ。
外観はマットな黒でシックな雰囲気だが、店内に入ると木を基調にしたモダンクラシックな空間が広がっている。窓ガラスの向こうには目の前にオーバル広場、奥には高層ビルが見え最高のロケーションだ。店長の林雄輔さんが話を聞かせてくれた。
「もとは虎ノ門ヒルズとともにオープンした『虎ノ門ヒルズカフェ』として営業していましたが、2023年7月にオーバル広場の誕生とともに『OVAL CAFE』となりました。中華のエッセンスを加えたアジアンテイストの創作料理をデリスタイルで提供しています」
上階にはさまざまなオフィスがひしめき、いわばこのカフェは虎ノ門ヒルズで働く人たちのワーカーズスタンド。もちろん近隣の住人やインバウンドを含む観光客の利用率も高い。お客さんは世界各国からやってくるので、どんな人にも楽しんでもらえるようなテイストのメニューを用意しているのだとか。
「定番のメニューに当店ならではのエッセンスを加えた創作料理で、野菜をたっぷり摂っていただけるようにとヘルシーさも重視しています」と林さん。お、林さんが持っているのはモーニングですね。それを見たら途端におなかがへってきました。
ミニスープがうれしい! オープンサンドのモーニング
さて、カウンターに掲げてあるモーニングのメニューをチェック。1番人気のオープンサンド、2番人気のベジタブルオープンサンドに加え、ライスボウル、スープ、スコーン、グラノーラがある。
「メニューは週替わりなので、いつ来ても新鮮な気分で召し上がっていただけると思います。1番人気のオープンサンドイッチは、小さいサイズのスープが付いてくるのでお得ですよ」という林さんのアドバイスに素直に従った。ちなみにこの日はスモークサーモンのオープンサンドとフムスのオープンサンド700円。100円プラスしてホットコーヒーもつけた。
オープンキッチンの中で作っている様子を覗かせてもらおう。
あ、そうそう。食事の前は手を拭かないとね。フリースペースに置いてあったウエットティッシュまでおしゃれじゃないの!
オープンサンドにナイフを入れた瞬間、まるでスポットライトのようにオープンサンドのお皿に朝日が差し込んできた。あたたかい日差しを浴びると、なんだか体にエネルギーが満ちてくる感じがする。
オープンサンドをひと口大に切って食べてみた。パンの外側はカリッと香ばしく、中はしっとりとして甘みがある。塩気のあるスモークサーモンと香菜、甘酸っぱいソースがいい感じ。一方のフムスは主体となっているひよこ豆の甘みやねっとりした食感があり、甘酸っぱいプチトマトが加わることでいいバランスに。ぱっと見、甘そうに見えたけど決してイチゴ味ではない。鮮やかなピンク色なのはビーツの色素のせいだ。
ミニスープはクリーミーなビシソワーズで、トリュフオイルで風味づけされている。ホクッとした枝豆がゴロゴロ入っていてミニサイズでも満足感がある。最初はライトに見えたオープンサンドだが、完食するとおなかいっぱい! ごちそうさまでした。
時間帯で使い方いろいろ! ランチ&ディナーも充実
食事が終わった頃、厨房ではランチの準備をする音がしはじめた。モーニングがおいしかったから、ランチやディナーではどんなものが食べられるか気になる。
「好きなデリが選べるワンプレートランチを提供しています。プラス100円でドリンクが付けられ15時30分までおかわり自由です」と林さん。それなら食事が終わってからカフェに留まって仕事をするのもいいかもしれない。目の前にあるデリを選んで盛り付けてもらうスタイルなので、好みの組み合わせを何通りも楽しめるのがいい。
「同じ値段でテイクアウトもできます。天気がいい日は、オーバル広場でシートを広げて食べている人もいます。シートは無料で貸し出しているのでお気軽にお声かけください」。へぇ〜、毎日がピクニックみたいで楽しそうだなぁ。
昼間は自然光がたっぷり入って開放的な店内だが、ディナータイムになると窓の外から高層ビルの明かりが見えてムーディな雰囲気になる。
「4月から10月までは外のテラスにバーベキューグリルを出し、好きな具材をめいめい焼いて楽しめるんですよ。手ぶらでバーベキューができるので、仕事終わりに利用されている人も多いです」
それすごくいいじゃないですか! バーベキューは準備と片付けがとにかく面倒。好きなものを飲んで食べて、そのまま帰れるなんて最高だ。ビル内のいろんな会社が利用するなら、自然と異業種交流の場になっていそう。筆者も新しい出会いを求めてここでお肉を焼いちゃおうかな!
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢