濃厚なトマトクリームソースのスパゲッティで大満足のランチ
今回いただくのは、ランチメニューの中でも人気だというトマトクリームを使ったスパゲッティ。ベーコンとじゃがいものトマトクリームスパゲッティのランチセット1200円だ。
一口入れると、口の中はトマトの香りに包まれる。芳醇なクリームソースにパスタが絡み、食感も楽しい。ソースは濃厚でしっかりとお腹にたまる。でも、決してくどい味ではなく、気付いたら食べ終わってしまっていた。
ランチには、スパゲッティにサラダとパン、ドリンクが付いてくる。うれしいセットだ。
「常連さんの中には、スパゲッティの具材をカスタマイズして頼む人もいますね。特にタラコは人気で、いつもキッチンに常備しています」
そう語るのはこの店の店長、川上桂司さん。ソースと自分の好きな具材を組み合わせて楽しむ人が多いという。メニューに書かれていないこだわりの組み合わせが、それぞれのお客さんごとにあるのだ。
ランチメニューはいろいろな種類があり、幅広い年齢層の多くの方に喜んでもらえる。
「特に女性のお客さんを中心に、クリーム系は人気ですね。今回お出ししたベーコンとじゃがいものトマトクリームスパゲッティも人気ですよ」
素早さとおいしさを両立させる
川上さんが意識しているのは、素早く、おいしい料理を提供すること。
「常連さんは、近くの会社のサラリーマンやOLさんが多い。ですから、みなさん急いでいるんです。昼時は28席ある店内がいっぱいになるのですが、その料理は全部ひとりで作らないといけないので、素早さはとても意識していますね」
早さとおいしさのバランス。確かに、私が料理を注文したときも、とても早く料理が出てきたが、それは決して早さだけを意識して作った味ではなかった。そのバランスが、重要なのだ。
すべての料理をひとりで作るための工夫はあるのだろうか。
「工夫という工夫はないですね。この店をずっとやってきて、培ってきたノウハウで切り盛りしています」
目の前にいるお客さんをどのように満足させるか。その試行錯誤の連続が、そのノウハウを生み出した。
「大盛りは無料でやっているんです。中盛り、特盛りもありますが、すべて無料です。たくさん食べたい人も多いので。お腹いっぱいになるまで食べてほしいと思っていますね」
どんな人にも、心ゆくまでランチを楽しんでほしい。川上さんのそんな思いが読み取れる。お客さんに満足してもらうことを常に考えているのが『ラ ルピカイア』なのだ。
気取らない空間を作っていきたい
川上さんは、2009年に亀戸で『神の熟成肉と50種類のワイン ラ ルピカイア 亀戸』を開業した。それ以前には六本木や銀座、門前仲町などでイタリアンとフレンチのレストランに勤務していた。かつて勤務していたレストランの一つが亀戸にあり慣れていたこと、なおかつたまたま良い物件もあったことから、この地に店を構えることとなった。
ディナーでのお店の自慢は、熟成肉。熟成肉は、契約した畜産業者から仕入れ、良い状態の肉を提供している。また、50種類以上にもおよぶワインもイチオシだ。
「ランチでも、土曜日だとワインなどを飲む人がいますね。メニューに書いてある以外のワインもあります」
ランチ以外でも、会社帰りの人や、近隣の人が夜のバルを利用しにくるという。川上さんは、このお店をどのような空間にしたいと考えているのか。
「気取りすぎず、気楽な気持ちで利用できるお店にしたいですね。そのためにランチの大盛りサービスもやっていますし、スピーディーに提供することも心がけています」
気取らず、満足いくまでイタリアンを食べる。そんな心がけが、この空間を心地よいものにしている。
/定休日:月/アクセス:JR総武線亀戸駅から徒歩2分
取材・文・撮影=谷頭和希