王様のブランチにも出演! 多数のメディアから注目を集める町中華
現在2店舗を展開(大森・田町)する『中国家庭料理 大連』は、お客さんの要望に合わせたメニュー展開を行っており、その数はなんと約60。その上、低価格で本場の中華料理が味わえることから、TBS『王様のブランチ』やテレ東京『出没!アド街ック天国』からの取材依頼を受けるほどの評判ぶり。そんな人気店でも、まるで実家に帰ったかのような居心地の良さと、そこで味わう本格中華料理は、地元民だけでなく全国にファンを作る要因だろう。
メニューの豊富さは『大連』の魅力的な要素だが、最大の魅力は町中華ならではの圧倒的なコスパ。昔ながらの味わいが楽しめるしょう油ラーメンは490円、人気No.1の羽根つき焼き餃子は7個も入って380円とコスパ最強である。材料費の高騰に伴い、多少の値上げは行ったそうだが、何十年もの付き合いがある仕入先の協力や、龍夫さんの“お客様ファースト”の精神から低価格で高品質な中華料理が味わえる。
今回は圧倒的な人気を誇る羽根つき焼き餃子、豚肉蒸し餃子、しょう油ラーメンとぷりぷり食感が楽しめる具材を贅沢に使用したチャーハンをいただくことにした。
本場・中国の料理人が腕を振るう飽きのこない料理の数々
まずは焼き餃子からいただく。パリッとした皮からあふれ出る肉汁は美しく、食欲をかき立てる。ニンニクや生姜のきいたシャキシャキ食感の具とカリカリの表面の相性はやみつき間違いなし。是非、仕事終わりの一杯を大連で過ごしてみていただきたい、ビールと羽根つき焼き餃子のコンボは何にも代えがたいものであろう。
『大連』の羽根つき焼き餃子の“羽根”には味がしみ込んでおり、昔食べたことのある駄菓子(薄いせんべい)を彷彿させるような、ほんのり塩味がきいている。小麦・油などの香ばしい風味とカリッと食感が癖になる大連の羽根つき焼き餃子、まさに絶品だ。
次にご紹介するのが、羽根つき焼き餃子と同等の人気を誇る豚肉蒸し餃子10個入だ。モチモチ食感とジューシーな具材が特徴の蒸し餃子は、しょう油などの調味料をつけずに食べるのがおススメ。しょう油などに付けていただくのが一般的だが、大連の蒸し餃子は中の具の味がしっかりとしており、そのままで充分においしい。口の中で溶けていると錯覚するほど、ぺろりと何個でもいけてしまい、10個でもあっという間になくなってしまった。
しょう油ラーメン490円は、あっさりとしたスープにモチっとした中太麺がよく絡み、次から次へと箸が止まらない。特に甘口で炒めたメンマと脂たっぷりのチャーシューは定番のおいしさ。下町中華ならではのシンプルな味。流行りのこってり系ラーメンも良いが、このシンプルさが飽きがこなくていい。
最後は、海の幸を贅沢に使用したエビ、イカ、ホタテ入りチャーハン910円。プリプリのエビ、イカ、ホタテの存在感を引き立てる、しっとりさとパラパラ感を融合したチャーハン。この一品でお腹が充分に満たせるほど、ボリューミーなため満足感も高い。ゴロっと入っている海鮮が、とてもいいアクセントになっている。
お客さんのサードプレイスを作る龍夫さんの想い
龍夫さんの父が創業してから8年後、地域の方々への恩返しがしたいという想いをきっかけに料理人の道へ進んだ龍夫さん。
「味も重要だが、大事なのはお客さんが食べたいものを出す。」この考えを元に、中華とは全く関係のないイタリアンや洋食も出していた時期もあるという。
龍夫さんが店を引き継いでからの道のりは、決して安泰なものではなかった。特に新型コロナの影響は大きく、収入は以前の1/3になってしまった。加え、原材料の価格高騰にも頭を悩ませた。
しかし、どんな状況下においても家族で支え合い、“お客様ファースト”の精神を掲げ、日々お客さんとの出会いを大切にしているそうだ。
また、食材の仕入れ先も何十年と長年の付き合いだからこそ、低価格かつ高品質な仕入れが可能なんだとか。
そんな人情あふれる下町中華『大連』は、これからもサードプレイスとしてお客さんを出迎えるのだろう。
/定休日:火/アクセス:JR京浜東北線大森駅から徒歩10分
取材・文・撮影=押田