自分好みの味を見つけて。いろんなソースで楽しむ生春巻き

壁に飾られたアートや、ソファに並ぶカラフルなクッションもかわいらしい。
壁に飾られたアートや、ソファに並ぶカラフルなクッションもかわいらしい。

店内は、異国情緒とかわいらしさが溢れるおしゃれな空間。どこか落ち着いたムードもあり、居心地が良さそうだ。

柔らかな笑顔で出迎えてくれたのは、シェフでオーナーの大橋孝章さんと、ホールを担当する妻の紗瑛子さん。この二人に、お店の雰囲気はぴったりな気がする。

この日は孝章さんおすすめの2品をランチに頂いた。

全てのメニューでパクチー抜きが可能。苦手な人はお願いしてみよう。
全てのメニューでパクチー抜きが可能。苦手な人はお願いしてみよう。

まずテーブルにやってきたのは、海老の生春巻き528円。ぷりぷりの小海老とビーフン、シャキシャキの野菜がぎっしりと詰まっている。口の中で混ざり合うさまざまな食感が心地よくて、何個でも食べられそうだ。

テーブルにある調味料の、ニンニク入りチリソースをかけてみた。
テーブルにある調味料の、ニンニク入りチリソースをかけてみた。

もともと添えてあるオレンジチリソースも生春巻きによく合うが、テーブルにある調味料をお好みで添えてみるのもおすすめ。

テーブルの調味料は、ほどよい辛さをプラスできるニンニク入りチリソース、さっぱりとした味わいになるタイビネガー、塩味とうま味が増すナンプラーなどがある。これらの調味料とそれぞれの料理を組み合わせて、自分好みの味を探してみよう。もっとも、『Enak Enak』オリジナルの味も最高だけれども……!

口いっぱいに香りが広がる、幸せグリーンカレー!

続いてはお待ちかねのメイン料理、大海老のグリーンカレー1397円が登場。

大きな白い皿が、一気に色とりどりに。
大きな白い皿が、一気に色とりどりに。

まず、とにかく海老が大きい。箸を持つ手が、少しばかり震える。それくらい大きな海老が3尾も入っているのだ。肉厚で歯応えも良く、噛むのが楽しい。

次に、カレーに彩りを添えている野菜たちにも注目。季節の旬を取り入れながら、グリーンカレーのおいしさを存分に活かす食材をチョイスしている。

大ぶりの海老が3尾も……。
大ぶりの海老が3尾も……。

そしてもちろん、主役のグリーンカレーも存分に味わってほしい。

このカレー、実にスパイシー。“スパイシー”といっても辛さは控えめ。辛さではなく“香り”が深いのだ。20種類以上使われた香辛料の豊かな風味が、舌に広がり、鼻を抜ける。その香りとクリーミーな味わいに、思わず喉元は名残惜しそうに体内へ送る。お皿が真っ白になるまで、スプーンでかき集めてしまった。

このグリーンカレーの秘密は、また後ほど……。

マレーシアの風と日本人のDNAで、エスニックを魅せる

孝章さんは30年以上の料理人人生の中で、中華やエスニックなどを経験。その中のエスニック料理店で、運命の出会いを果たす。一緒に働いていたマレーシア出身シェフ・リンさんの料理の腕に、孝章さんは一目惚れしたのだという。

二人は意気投合し、「もっと日本人の舌に合ったエスニック料理を食べてもらおう!」と、『アジアンキッチン Enak Enak』をオープン。二人は、「日本人には“辛さ”よりも“風味”を大切にする文化がある」と考えオリジナルのエスニック料理を追求した。

その結果、常連の中には、かつて仕事でタイに赴任していたというシニア世代のお客さんも。「エスニック料理の本場より食べやすい」と、市川市外からわざわざ通ってきてくれるのだとか。

実は紗瑛子さん(左)とも、リンさんがいたエスニック料理店で出会ったという孝章さん(右)。
実は紗瑛子さん(左)とも、リンさんがいたエスニック料理店で出会ったという孝章さん(右)。

そして数あるメニューの中でも、先ほどの大海老のグリーンカレーは、リンさんが昔から大切にしてきたオリジナルレシピ!

「世の中にグリーンカレーのレシピはたくさん広まっていますが、この味はなかなか出せないと思いますよ」と胸を張る孝章さん。

現在、リンさんは帰郷中。孝章さん一人がシェフとして、2015年のオープン当時からの味を守っている。

「いつかまた、彼と一緒にお店をやりたいですね」。孝章さんと紗瑛子さん、そしてリンさんの夢は、まだまだ終わらない。

パープルのロゴが印象的な看板が目印。
パープルのロゴが印象的な看板が目印。

マレーシアの風と日本のDNAが優しく混ざり合った『アジアンキッチン Enak Enak』。ここへ来れば、エスニック料理はもっと身近な存在になるかもしれない。

住所:千葉県市川市市川南1-10-1 ザタワーズウエスト1F/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~21:00LO(土は11:30~15:00LO・17:00~21:00LO・日・祝は11:30~15:00LO・17:00~20:00LO)/定休日:月/アクセス:JR総武線市川駅より徒歩1分

取材・文・撮影=aki