ランチメニューは週替わりで3種類
ランチは3種類のメニューから選べる、ボロネーゼなど飽きがこないものを中心に週替わりで変更となる。
「週に何回も来てくださる方に飽きが来ないようにしたい、お昼時なので早く料理を提供したいといった理由でランチのメニューは3種類にしています」とのこと。
たしかに大きな会社の入っている商業ビルが多い大森では、近くのサラリーマンやOLの利用も多いことは想像できる。短時間で料理が提供され、おいしいパスタがいただけるお店は貴重だ。
今回は、鶏ひき肉となすのトマトソース1300円をいただいた。ランチには、サラダとパン、コーヒーがつく。料理が運ばれた時はまず「おっ!ボリュームがある!」。鳥島さんが言うには、パスタは細めで100g。大盛+200円になると140〜150gになるそう。
じっくり煮込まれたトマトソースは、鮮やかな赤色で濃厚な印象を持ったが、大変あっさりとして食べやすい。
余計な材料をいれずにじっくり煮込み、素材が持っている旨味を引き出すこと、優しくシンプルな味付けを心掛けているそうだ。
健康志向の若い女性や、ボリュームのある食事を楽しみたい男性にも人気がある。
トマトソースや鶏ひき肉などの量も多いので、残ったソースをパンにつけて食べるのもおいしい。
なお、忙しいお昼時ならコーヒーなしのメニューもあり、100円ほど安くなる。ゆっくりする時間がなければ、コーヒーなしでもいいだろう。忙しいビジネスマンにとってはありがたい配慮だ。
なお、先にも書いた通り週によってメニューは変更となるので注意しておこう。
フロアによって楽しみ方がかわる店内!
1Fはテーブル席とカウンター、中2Fと2Fはテーブル席となっている。ランチではどこに座っても違いはないが、夜は1人でゆっくり食事を楽しみたい人や店主の鳥島さんと会話を楽しみたい人はカウンター、2Fはグループで利用される方が多いとか。1人でも2人でもグループでも楽しめるお店の作りとなっているのが特徴だ。
お店の外観からだと2Fがあることに気がつかず、満席と思って帰ってしまう人もいるらしい。またお店の入り口は、地上から少し階段を降りる作りとなっているのと、パッと見がバーのように感じてしまうため、店内に入るのにためらってしまう人もいるのだろうとのこと。
しかし一歩踏み込めば、鳥島夫妻は気さくでお話好き。店内は、明るい雰囲気が漂っている。
駅から少し離れていることと、階段を少しだけ降りて店内入るという特徴は、隠れ家的な要素と店内のアンティーク感も相まって女性同士や、恋人同士に評判が高い。
ランチだけではなく、メニュー豊富となる夜もぜひ訪れてみてほしい。
和気あいあいで、楽しいお店にしていきたいという思い
鳥島さんのお母様は、同じ場所で「錦」という喫茶店をやっていたという。
「それで僕も『錦』という名前はつけたいと考え『ニシキダイニング』という名前にしました。『ニシキダイニング』になって2024年で20年を迎えられるのは、本当にうれしいし何よりもここまで支えてくださった皆に感謝しています」
特にコロナ禍の時は本当に大変で、テイクアウトだけで営業するなど苦労があったそう。
「周りの方にとても助けられました。コロナ禍を乗り切れたのは、本当にお客様や従業員の方々のお陰です」と鳥島さんは、うれしそうに話してくれた。
取材の中で鳥島さんが度々口にされていたのが「気軽にお店に来ていただきたいんです。イタリアンと言うと、静かに食事をするというイメージを持つ方も多いと思いますが、この店はみんなでおしゃべりしながら食事を楽しめる、にぎやかな雰囲気を心掛けています。だから、肩肘張らずにふらっと立ち寄ってほしい」。
ランチタイムはお客さんが多く、鳥島さん自身も会話に入れないことが多いが、「ディナーの時間には会話に入ることがあるんですよ」と鳥島さんは微笑む。アットホームなお店なので、来店したお客さんが楽しくお腹いっぱいになってくれたらうれしいのだ。
取材中も予約の電話が鳴りやまない。この日は残念ながら夜は満席だそう。さすがは人気店だ。
/定休日:日(ランチ:月・祝日)/アクセス:JR京浜東北線大森駅から徒歩8分
取材・文・撮影=アサノカツヒト