選べる出汁は定番から変わり種まで全5種類

整然とした店内。
整然とした店内。

細い階段を下りて地下の扉を開けると、整然として清潔感のある簡素な空間が広がる。テーブルも鉄板も手入れが行き届いていて、味にも期待が高まる。

メニューはもんじゃとお好み焼き、鉄板料理がメイン。もんじゃ焼きは海鮮や明太子もちチーズなどの定番具材から、イタリアンや3種のチーズといった変わり種もある。もちろん自分で具材を選んでオリジナルもんじゃを作ることも可能。

そして『もんじゃ焼き和』ではさらに出汁の味が選べる仕様になっている。定番のソース出汁に加えて、塩出汁、すき焼き出汁、さらにはホワイトソース出汁と和風カレー出汁の合計5種類。

今回注文したのは定番のソース出汁。具材は和スペシャルもんじゃ1800円をチョイスした。飲み物は下町らしくラムネに。

大迫力の和スペシャルもんじゃ1800円。
大迫力の和スペシャルもんじゃ1800円。

和スペシャルもんじゃ1800円が到着する。大ぶりのエビにタコ、ホタテなどの海鮮たちがあふれんばかりにそびえている。

自分で焼くこともできるが、頼めば気軽に焼いてもらえるので自信がなくても大丈夫。

私はもんじゃ作りに慣れてないのでお願いすると、原さんが手際よく熟練した手つきで焼いてくれた。ソース出汁と海鮮の香ばしいかおりが重なり合い、待ちきれない。

手際よく焼いてもらえる。
手際よく焼いてもらえる。

鉄板いっぱいに広がってトロトロに焼きあがったもんじゃに青のりを振りかけていざ実食。

ソース出汁が絡まるぷりぷりのエビ、イカ、タコ、ホタテがたまらない。焼き立ての海鮮の強い風味をソース出汁が支えて、爆発させるかの如く旨味が口に広がる。ザク切りされたキャベツの食感も甘みと食感もいいアクセントだ。随所で感じる明太子のプチプチがさらに食欲をかきたてる。

焼き上がり。
焼き上がり。

お好み焼きはふわりと空気を入れるために千切りにしますが、あえてもんじゃでは食感や甘みを与えるためにザク切りにしています。ザク切りは手作業なのに対し、スライサーでできる千切りの方が楽なんですけどね」と原さんは言う。

手間をかけてでも食感にもこだわることでこの独特の食べ心地が味わえるのだ。

柔らかいところは優しく、焼けてカリカリになったところは香ばしく、食感の変化を楽しみながら鉄板いっぱいに広がったもんじゃ焼きはいつの間にか消え去ってしまった。

もんじゃによく合うラムネ。
もんじゃによく合うラムネ。

合間に口にするラムネのシュワっとしたさわやかな甘さももんじゃ焼きにはぴったりだ。

自らが経験した「飽き」の問題を解決するための選べる出汁

「自分の店を持つにあたって、月島でもんじゃの食べ歩きをしていたんです。それこそ一日に3、4軒回ることもありました。そうするとやはり飽きてしまうんですよね」と原さん。

店ごとに味の違いがあっても、ソース出汁に具材という基本の形はどこも変わらない。

「一説では人がもんじゃ焼きを店で食べるペースはせいぜい半年に一回だそうなんです。それを年に3,4回に増やせたらなと思いまして。どうしたら飽きず来てもらえるのかなと考えた結果ベースの出汁の味を変えられたらいいんじゃないかと。同じ明太子もちでもベースの味を変えられるのなら試したくなるんじゃないかと思って」

確かに同じ具材でも和風カレー出汁ならどんな味になるんだろう、イタリアン(トマト、モッツアレラチーズ、バジル)にホワイトソースを合わせたらいいんじゃないか、すき焼き出汁に合う具材を自分で考えてみよう、と様々な可能性を試したくなる。

きりっと整然とした佇まいのしつらえ。
きりっと整然とした佇まいのしつらえ。

「鉄板を活かしてリブステーキ3980円などもやっていますし、焼きそばなども楽しめます。ペペロンチーノ風焼きそばというものもあります。お酒メインでも楽しめるようにカクテルなど、お酒の種類も多くして力を入れています。あとは卵を多めにしたお好み焼き生地であんこやチョコ、イチゴなんかを巻いたデザート巻きなんかもやっています」

『もんじゃ焼き和』の地上入り口。
『もんじゃ焼き和』の地上入り口。

選択肢を多くして、ランチに、ディナーに、お酒にと、様々な楽しみ方ができるのがこの店の魅力。門前仲町駅からほど近い『もんじゃ焼き和』は立地の良さからも気軽に立ち寄れる。門前仲町で食事に迷ったら『もんじゃ焼き和』に決まりだ。

住所:東京都江東区門前仲町2-3-8/営業時間:11:00~14:30LO、17:00~22:30LO/定休日:火/アクセス:地下鉄大江戸線・東西線門前仲町駅から徒歩3分

取材・文・撮影=かつの こゆき