川崎で家系ラーメンを食べるならここ。あの名店の姉妹店
JR川崎駅東口のロータリーを抜け、京急線沿いを八丁畷駅方面へ。市電通りとぶつかる場所に『横浜家系らーめん 雷家』がある。遠くからでも目立つ赤い看板には、“六角家姉妹店”の文字。店の前に積み上げられた酒井製麺の箱を見て、家系ラーメン王道の1軒のようだとニコリ。さっそく店へ入ってみる。
迎えてくれたのは店主の宮澤秀樹さん。「横浜の『六角家』とは姉妹店なんですよ。開店は2003年です」と教えてくれた。家系ラーメン店の店名は、“地名”に“家”の文字の組み合わせが多いと聞いていたが、なぜこの場所で“雷”? と宮澤さんに聞くと、「店の前の通りが“市電通り”なので、 “電家”としようかと思ったんですが、かっこよくないんで“電”の文字に似た雷にしたんです」と笑う。
筆者は、初めて入った家系ラーメン店では、味の濃さ、油の量、麺のかたさはすべて “普通”で注文する。お店のスタンダードを味わうと、その店の味を理解できると思っているからだ。
チャーシュー+味付玉子+のりの王道トッピング
チャーシューメン+味付玉子+のり1200円を注文。王道トッピング勢揃いの一杯だ。味、油、麺のかたさは “普通”。そして、ちょっと気になるサイドメニュー、キャベチャ150円も注文してみた。
テボザル(筒の形のザル)とは違って、たっぷりの湯の中で麺が泳ぎながら、全体が均一にゆであがる。これも平ザルで湯切りするメリットで、おいしいラーメンを提供するためのこだわりだ。
しばし待つと、お待ちかねの一杯が着丼。そそりたつのり、たっぷりのほうれん草、中央にはきざみネギ。麺が見えないほどのチャーシューと味付玉子。そしてスープの表面を覆い尽くすように浮かぶ鶏油。待ち焦がれていた、これぞ家系ラーメン。食べるのを忘れてしばし、見惚れる。
それでは、さっそく、スープを一口いただく。しっかりとした豚骨の旨味と甘みを感じ、動物系の味わいと醤油味をバランスよく楽しめる。鶏油がたっぷりと入っているが、意外と油感は少ない。塩味も控えめでマイルド。つるつるといただける。
酒井製麺の中太ストレート麺は適度なもちもち食感で、スープとの絡み具合も良く、まさに家系ラーメンとの相性は抜群だと再認識。
タレにしっかりと漬け込んだ自家製チャーシューはスープの旨味と鶏油が染み込んで、さらにおいしさが引き立てられている。しんなり食感のほうれん草も、スープの豚骨味が合わさっておいしさが増す。
あっという間に、スープまで完飲!ごちそうさまでした。
ちょっと気になるキャベチャはビールのお供にぴったり
券売機で気になり、つい注文したキャベチャ150円。その正体はチャーシューをのせたキャベツにラーメンスープが入った醤油タレをかけた一皿。キャベツにチャーシューでキャベチャ。家系ラーメン店では人気のメニューだそう。これ、きっとビールと相性抜群だ。
家系ラーメンでも、お店によってさまざまな個性がある。そんな中で、『雷家』は奇をてらわず、家系ラーメンの基本を忘れずにおいしいラーメンを提供し続けている。こってり系もおいしいが、『雷家』のラーメンは比較的マイルドな味わいで、何度でも食べたくなる。
次回はスープ濃いめに挑戦してみようか、麺はかためでもいいかな、と早くも再訪が楽しみだ。禁断症状が出る前にまた来よう。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎