店名通りの武骨な外観

お昼時を中心に行列を作ることが多いという。
お昼時を中心に行列を作ることが多いという。

真っ黒な外壁に、白地に黒文字の『麺屋武蔵 武骨』の看板、宮本武蔵のイラストなど、店名どおりまさに「武骨」。店内はL字型のカウンター席になっているが、途中に柱があって行き来ができない。タッチパネル式の券売機は向かって右側の入り口にあるので注意を。

キッチンがカウンター席より低くなっているので、ライブ感覚でできている様子が見られる。
キッチンがカウンター席より低くなっているので、ライブ感覚でできている様子が見られる。

この店の最大の特徴といえるのが「白」「黒」「赤」の3色のラーメン。白はベーシックな豚骨、黒はイカスミ、赤は特製辛醤と、どれも個性的なスープだ。今回はこの店の代名詞ともいえる黒武骨ら~麺1250円の食券を購入。

イカスミとマー油入りの豚骨スープ。トロトロの角煮も秀逸

白の丼に黒いスープが映える黒武骨ら~麺。
白の丼に黒いスープが映える黒武骨ら~麺。

しばらくすると、黒武骨ら~麺が着丼。真っ黒なスープに目がいくが、それ以上に驚かされるのが約5cmの分厚い角煮。

思わずチャーシューにかぶりつきたくなったが、まずはスープから。真っ黒な香油ダレは、イカスミとマー油(焦がしニンニク油)をブレンドしたもの。イカスミで魚介の風味がプラスされ、ニンニクの風味もしっかりと感じられて、香ばしさやコク深さがある。

店長の遠藤有起さんは「スープはじっくりと時間をかけて作っています。焦げないように何度もかき混ぜて、旨みを凝縮しています」と話してくれた。

中太麺は、しっかりとした歯ごたえで、モチモチ感もある。小麦の甘さと風味も感じられる。

そしてお待ちかねの角煮。箸でもっただけでその柔らかさがわかり、ひと口食べればトロトロとしていて、甘辛い味わいも印象的。豚バラ肉を長時間蒸してから、醤油ベースの特製ダレに漬け込んで、冷蔵庫で1日寝かしているという。こうすることで味が全体にいきわたるのだそう。

ほかにも、トロリと黄身があふれ出す味玉や、ほどよい甘辛さでコリコリとしたメンマ、食感と風味がいい刻みネギなど、どれもら~麺がよりおいしくなるトッピングばかり。

副店長の福原良さん。
副店長の福原良さん。

つけ麺をはじめ、期間限定メニューも人気

濃厚武骨つけ麺。つけ汁はら~麺と同じように「白」「黒」「赤」を選ぶこともできる。
濃厚武骨つけ麺。つけ汁はら~麺と同じように「白」「黒」「赤」を選ぶこともできる。

つけ麺も隠れた人気メニュー。濃厚武骨つけ麺1300円は、豚骨と魚介系をあわせた濃厚なつけ汁がガッシリとした麺とよく合う。麺の量は並の3倍まで同一料金で食べられるので、お腹いっぱい食べたいときにはおすすめだ。

味噌武骨ら~麺1280円。ピリッと刺激的な辛味噌もある。
味噌武骨ら~麺1280円。ピリッと刺激的な辛味噌もある。

期間限定メニューも好評で、秋から冬にかけては味噌ら~麺。豚骨100%のスープに味噌のコクがしっかりとあり、やや辛みが加わっている。肉味噌でより深みのある味わいになっている。

2023年12月には20周年を記念したら~麺が登場予定。今までにない豪華な食材を使ったスペシャルら~麺になるという。こちらも是非とも食べてみたいところだ。

必ず好みに合うら~麺が見つかるはず

店長の遠藤有起さん(中央)をはじめ、明るいスタッフがそろう。
店長の遠藤有起さん(中央)をはじめ、明るいスタッフがそろう。

遠藤さんは「個性的な3色のら~麺のほか、期間限定メニューもあるので、何度通っても新しいら~麺に出会えると思います。お客様がおいしく食べられるようにフレンドリーな接客を心掛けていますので、ら~麺の味とともにこの空間を楽しんでいただきたいと思います」と話してくれた。

自慢の角煮が1本丸々(約400g)のった一本チャーシュー麺2200円もあるという。肉好きには見逃せないメニューだ。ただでさえ、メニューが豊富なのにさらに迷う要素が増えてしまった。今度いくときは入店の前にじっくりとメニュー選びをしておかなければ……。

住所:東京都台東区上野6-7-3 幸正ビル1F/営業時間:11:00~22:15 /定休日:無/アクセス:JR山手線御徒町駅から徒歩3分

取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン