岸和田散歩のお目当ては
岸和田といえば、300年以上続く”だんじり祭”で有名なエリア。毎年9月になると、はっぴ姿の若者と観客の熱気に溢れ、夜もにぎわう街。それ以外の時期には住宅街ということもあり、ゆっくりとした時間が流れている。
阪和線東岸和田駅からバスで10分ほどの場所にある『散歩日和』。天気の良い日は東岸和田駅から20分ほど歩いてお散歩して行くのもいい。黄と紺のパッと目を引く外観が印象的だ。
2019年4月にオープンした『散歩日和』の店内には、アンティークの壁掛け時計や家具がディスプレイされている。
「この柱時計は私物で持っていたもので今でもちゃんと動く手巻き式のものなんです。元々古いものが好きで、昭和レトロな感じがとても気に入っています。」
お客様と家族、どちらにも「安心」を届けたい
店主の藤森さんがこだわるのは、大人も子供も安心して食べられるパンを作ること。
「ショートニングやマーガリン、添加物はできる限り使わずにパンを作っています。小麦粉も、自分がいいなと思って選んだ国産小麦と微量のイーストを使って18時間ぐらい冷蔵発酵しています。扱いは大変ですが、噛むほどに甘みの出る、日本人好みのもちっとした食感のパンになるんです。」
パン作りに想いをこめるように、家族への思いやりも忘れたくないと語ります。
「低温長時間発酵のおいしさやパンを通して伝えたいこともたくさんあるのですが、家族のことも考えたかったので、土日は営業していません。朝から晩まで会えないとか寂しい思いをさせたくなくて。」
ライフスタイルに合わせて徐々にオープン時間を増やしており、いつかは土日も営業することが目標だそうです。
一押しはキタノカオリの食パンと、食べる手がとまらないフーガス
藤森さんはパン好きが高じて、パン作りに興味を持ち、7年ほど大手〜個人店まで様々なお店で修業を重ね、自分好みのパンの製法を極めていきました。
おすすめのパンを聞いてみると「ハード系で使われることの多い小麦<キタノカオリ>を使った食パンですね。生地にはバターミルクパウダーとバターを配合しているので、軽くトーストしてバターを塗って香りを楽しんでほしいです。あと意外と知られていないフーガスもおいしさを知ってほしいなと作り続けています。お酒のあてみたいな感じなので、アゴが疲れるんですけど、ずっと食べ進めてもらったらいいなと思います。」
「大切な時間に大量生産されたパンよりちょっと美味しいパンを食べて、次の行動の糧になってもらいたい」と語る藤森さん。
店頭にはめんたいフランスやベーグル、珍しい真っ黒なメロンパンなど、家族で楽しめるラインナップが揃っています。
みなさんもふらっとお散歩ついでに、『散歩日和』に足を運んでみてはいかがでしょうか?
取材・文・撮影=パンスク編集部