韓国の流行を取り入れたセルフ写真館とカフェが融合
韓国で大流行しているセルフ写真館。日本ではなかなかなじみがないが、それが都内屈指のコリアンタウン新大久保にある。
『Studio café MARU』は、セルフ写真館とカフェを融合した店として、2021年9月にオープンした。同じビルに『新大久保プデチゲ』『HELLO! DONUTS』も入る複合施設ソウルタウンの3階だ。ひとつのビルの中に、韓国のいいものを取り入れた店が集まっている。
『Studio café MARU』に一歩入ると、そこは韓国のインテリアが並ぶ開放的な空間。日本では珍しいスタジオカフェということで、まずはお店の人に話を聞いてみた。
「韓国はセルフ写真が当たり前で、それを日本でも取り入れられたらなと。ただ、日本ではセルフ写真館が一般的ではないので、カフェだったら気楽に来ていただけるかなと思ってスタジオとカフェを一緒にしたんです」と教えてくれたのは、バイトリーダーの松井麗さん。約4年間韓国に留学し、上京してこちらのグループ店で働くようになったそうで、韓国語のPOPもお手のものだ。
韓国最新! お弁当箱の中のケーキと雲が浮かぶスムージー
こだわりのカフェメニューは、入り口そばのショーケースに。ずらりと並ぶカラフルなケーキに目が釘付けに!
この小さなケースに入ったかわいいケーキは……?
「何だろう?ってなりますよね(笑)。韓国語でトシラクは、お弁当って意味なんです。小さいお弁当ボックスに入っていて気軽に持ち歩けるケーキ、それがトシラクケーキです」と松井さん。
食べるのがもったいないくらいかわいいケーキは持ち歩きに便利だけど、おしゃれな店内で食べればさらに気分が上がること間違いなし。外はクリーム、中はスポンジの間にジャムがサンドされ、そのジャムも5種類のカラーごとに違う味が挟まっている。1人でも完食できるサイズ感がいい。カフェで食べたいけど、全部食べられそうにない……。という場合は、カットケーキも用意されている。
そしてもう1つ、トシラクケーキと合わせたいのが、クルムスムージー。“クルム”とは、韓国語で“雲”という意味。「韓国では雲が流行っているんです。店内の装飾に雲が使われていたり、デザートプレートにクリームで雲の絵を描いてくれたり」と、松井さんが雲のトシラクケーキの横に同様のデザインのクルムスムージーを添えてくれた。
スカイブルーのスムージーはヨーグルトベースのさっぱりした味わいで、甘めのケーキにぴったり。「どれもかわいいだけじゃなく、とってもおいしいんです! 食材選びから店長のこだわりが詰まってるんですよ」と松井さん。
季節ごとの限定メニューも豊富だ。夏季限定の桃のスイーツ、グリークももは、毎年たくさんの人が楽しみにしている人気の一品。ギリシャを意味するグリークの名の通り、丸ごとの桃の中にはギリシャヨーグルトがたっぷり! 桃の下にはオートミールやドライフルーツ、オーガニックグラノーラなどヘルシーな食材が敷き詰められている。
「健康志向の高い韓国で人気のスイーツなんです。スイーツとしてだけでなく、朝食や昼食にとっていただいてもいいですね」。
七五三や誕生祝い。誰でも使えるセルフスタジオ
カフェに来てからセルフスタジオの存在に気づく人もいるだろう。「撮影グッズが取り揃えてあるので、撮影ルームが空いていれば手ぶらでいつでもセルフ写真が楽しめます」。ピンクのカウンター席の後ろをよく見ると、撮影グッズがこんなに!
撮影ルームは、A・Bルームがモノクロ(白黒)、Cルームがカラー。どんな風に撮影するの? という方のために、松井さんが見本を見せてくれた。
「セルフなので時間の指定だけさせていただき、ご自由に撮っていただけます。データも店のスタッフが見ることなく、そのまま全データのお渡しになります」。料金は15分1500円、学生証提示で1000円と、これで撮影した全データがもらえるだなんてとってもリーズナブル。制服など衣装の貸し出しもあるので、着替えてから撮影したり、特別なメイクをしてみたりと、自分の好きなように楽しめる。
壁やロッカー、チェアなどピンクで揃えたお部屋は、Dルーム。「もともとイベントでコラボカフェをした時に設置されたロッカーなんですよ。この店のコンセプトにすごく合っているので、そのまま使わせていただいてます」と松井さん。K-POPアイドルのセンイル(誕生日)には、ファンが集まって飾りつけをするのだそう。
新大久保という土地柄、訪れる人は韓国ファンが多いが、家族で訪れて七五三やアニバーサリーの家族写真を撮るという人も増えてきた。「プロポーズの記念にカップルで来て撮影したり、デートで来て撮っていかれる方もいます。本当にいろんな方がいらっしゃって、いろんな撮り方ができます」。
カフェもセルフ写真も、韓国のいいものをたくさんお届けしたいという思いが詰まった『Studio café MARU』。使い方は自由自在。ぜひ、自分の思いのまま、気軽に楽しんでみて!
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=大熊美智代