駅から徒歩1分。ミカン下北の2階に誕生

西麻布でわずか4席の小さな店からスタートし、現在では関東を中心に、海外にも複数の店舗を展開する人気のラーメン店『楽観』。2022年に、下北沢駅すぐの複合施設“ミカン下北”の2階にオープンした。多種多様な飲食店が立ち並ぶミカン下北で、唯一の(2023年7月現在)ラーメン専門店だ。

店内はモダンで落ち着いた雰囲気。カウンター席が充実しているため一人でも利用しやすい。
店内はモダンで落ち着いた雰囲気。カウンター席が充実しているため一人でも利用しやすい。

『楽観』の歴史は、現在アメリカに在住するオーナーが海外進出を見据えてオープンしたことから始まった。オープン当初は右も左もわからず、納得するラーメンの味が出せない、お客さんが思うように来ないと試行錯誤の連続だった。それから少しずつラーメン好きの間でクチコミが広がり、メディアに注目されたことを機に行列ができる人気店となった。

店の規模を拡大するためオーナーの出身地である立川に本店を移転し、その後も都内近郊への店舗展開、念願の海外進出も果たし着々と成長。そして近年進化を遂げる街、下北沢に上陸したのだ。

入り口すぐの壁にはネオンが輝く。
入り口すぐの壁にはネオンが輝く。

下北沢店は、和モダンをテーマにしたスタイリッシュな空間となっている。初めて来店するときはおしゃれな店構えにちょっぴり緊張してしまうかもしれないが、スタッフが明るく出迎えてくれるのですぐに居心地が良くなるだろう。

これまでの店舗と同様の定番メニューに加え、ヴィーガンラーメンやカレーラーメンなど店舗限定メニューの提供や、飲み放題や食べ放題プランなど新しい取り組みも次々におこなっている。

マネージャーを務めながら店にも立つ矢田部直美さん。はつらつとした笑顔で出迎えてくれる。
マネージャーを務めながら店にも立つ矢田部直美さん。はつらつとした笑顔で出迎えてくれる。

八王子ラーメンに影響を受けた琥珀色スープの醤油ラーメン

醤油ラーメンの琥珀は1000円。トッピングを追加せずとも味玉付きなのがうれしい。
醤油ラーメンの琥珀は1000円。トッピングを追加せずとも味玉付きなのがうれしい。

『楽観』の代表メニューである醤油ラーメンは、東京の多摩エリアで育ったオーナーが昔から親しんできた“八王子ラーメン”に影響を受けている。琥珀色のスープとストレートな細麺、刻み玉ねぎのトッピングが印象的な一杯だ。

醤油ラーメンの「琥珀」という名前は、ラーメンが完成した際に琥珀色のスープが美しかったことから命名された。その後もすべてのラーメンに宝石の名前がつけられている。

スープはスッキリとこってりの真ん中。見た目以上にパンチがある。
スープはスッキリとこってりの真ん中。見た目以上にパンチがある。

琥珀色のスープは、魚介や野菜など国産の厳選素材を使った出汁と、元禄元年創業の柴沼醤油醸造による最高傑作、木桶で仕込まれた一等醤油をベースに生み出されている。見た目通りのスッキリとした口当たりだが、味わうほどに出汁と醤油が織りなす旨味とコクが感じられ満足感を与えてくれる。

通常のレンゲよりもスープを少量ずつ味わえるオリジナルのレンゲが、スープの旨味をさらに引き出す縁の下の力持ちだ。

ストレートの低加水麺は、出汁とスープに合うよう考えて調合されたオリジナル麺。するすると食べやすいが、お腹にしっかりとたまる。そしてラーメンの重要なアクセントになっている存在が、八王子ラーメンを思わせるトッピングの刻み玉ねぎだ。辛みがなくシャキシャキとした食感がクセになり、さりげないが存在感はバッチリだ。玉ねぎをたっぷり味わいたいときには120円で追加もできる。

塩ラーメンの真珠は、琥珀と同じ1000円。こちらも澄み切ったスープが特徴。
塩ラーメンの真珠は、琥珀と同じ1000円。こちらも澄み切ったスープが特徴。

醤油ラーメンと並ぶ店の代表メニューであり、女性からの支持率ナンバーワンのメニューが塩ラーメンの真珠。厳選素材から生み出される黄金出汁と、数種類の塩をブレンドし深みのあるスープに仕上がっている。

魚介の旨味が詰まった出汁のなかに塩のまろやかさが顔を出すスープは、あっさり好きの心をつかむ味わいだ。身体に優しい植物性の油を使用しているのでヘルシー志向の人にも好まれている。琥珀と真珠、それぞれ個性があるためその日の気分にフィットする方を選んでみてほしい。

リピートしたくなる魅力的な取り組みも

立川店から受け継いでいる魅力的なサービスがスタンプカードだ。スタンプ数に応じて餃子6個無料、ラーメン一杯無料など良心的なサービスが盛りだくさん。そのほかにも、レジ横にお菓子が置かれていたり、おしぼりにイラストが描かれていたりと、お客を思った遊び心やサービス精神が店内にさりげなく散りばめられている。

『楽観』のラーメンが自宅でも食べたくなったときには、近日登場予定のギフトラーメンをオンラインショップで購入もできる。スタイリッシュなパッケージは、自分用にはもちろん贈り物にぴったりだ。

店でラーメンを味わって気に入ったときには、ぜひ大切な人にもおいしさをシェアしてみよう。

住所:東京都世田谷区北沢2-10-20 ミカン下北 D202/営業時間:11:00~22:30LO/定休日:無/アクセス:小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線下北沢駅から徒歩1分

取材・文・撮影=稲垣恵美