タイのおいしさと微笑みを大切にする店のお値打ちランチ
ときどき、スパイスやハーブの効いたアジア・エスニック料理が食べたくなる。理由はないが、体がほどよい刺激を求めているのかもしれない。どこかよいお店はないかと探していたら、新大久保駅近くにタイ国商務省認定レストランがあると聞いて、新大久保へ向かった。
新大久保駅から徒歩1分の駅近に今回の目的のお店『タイ&ベトナム レストラン ソムオー 新大久保店』はある。店に入るとスタッフが笑顔で迎えてくれる。
「店のオープンは2003年8月です」と教えてくれたのは店長の平山良明さん。開店からずっと店の運営に関わっているベテラン店長だ。店名の“ソムオー”とはタイ語で“ざぼん”のこと。知り合いの僧侶に縁起のいい店名をつけてもらったんだそう。タイのフルーツといえばマンゴーやドリアンが有名だが、ソムオーもタイを代表するフルーツの1つだそう。
『ソムオー』はタイ国政府認定のタイ・セレクトの店だ。一番大切にしているのは、本場と同じ味の料理をお客さまに食べていただき、現地と同じ雰囲気を楽しんでいただくことだという。
「旅行でタイに行ったとき、料理のおいしさだけではなく、タイの人たちの微笑みとやさしさに感動しました。それ以来、タイに興味を持つようになったんです。あたたかい笑顔が最高なんですよ。」と平山さん。お話を聞いていると、平山さんのタイへの熱い思いが伝わってくる。
本場と同じ味を味わえるエスニックランチは18種類
ランチを注文しようとメニューを眺めると、あまりの種類の多さにびっくり。どれにしようか悩んでいると、平山さんが、タイ風鶏肉のバジル炒めセット979円をすすめてくれたので、即決定。タイ料理らしいスパイスやハーブを使った人気料理で、日本人の口にも合うそう。
ほどなく、テーブルに注文した料理が届く。一口いただくと、辛さは控えめだが、スパイスとハーブの香りが口の中に広がる。バジルの香り、ナンプラーの風味とオイスターソースの旨味が混ざりあって、深みのある味わいが楽しめる。これがタイ国政府認定の実力なのかと感心。
スパイスの刺激と玉ねぎ、ピーマンの食感を楽しみながら、コンソメスープとサラダをいただいて一休みし、また食べ進める。途中から半熟目玉焼きとからめていただくと味がまろやかになり、おいしさアップ。あっというまに完食。
デザートのココナッツミルクとタピオカは、しっかり味の鶏肉とバジル炒めの口直しにぴったりで後味も言うことなし。
ボリューム満点で、本場の味を堪能できて、スープ、サラダ、デザートがつき、さらにドリンクはおかわり自由という大サービスのランチセットに大満足。ごちそうさまでした。
おいしい料理とあたたかい笑顔でゆったりと過ごせる
食事のあと、ゆっくりとドリンクをいただいているときに、客で日本人は私だけだと気づいた。平山さんに聞いてみると、時間帯によるが、日本人よりタイやベトナム、韓国などアジアの人や、欧米人などが多いそう。いろんな国の人が、気軽に本場のタイの味と雰囲気を楽しんでいるようだ。
もっと『ソムオー』のタイ料理のおいしさ知りたいと思い、平山さんにおすすめメニューを聞くと、パパイヤの和え物とのご返事。筆者はまだ食べたことはないが、タイの料理で使うパパイヤは果物として売っている黄色いものではなく、熟す前の甘みの少ない青パパイヤを使うそう。唐辛子も入れると聞くので、唐辛子の辛味とナンプラーの風味、そして青パパイヤの組み合わせに興味津々だ。次回、夜メニューの時間帯に来た時は必ず注文しよう。
料理はもちろん大満足。そしてもう1つ気に入ったのが、居心地のよさだ。平山さんをはじめ、スタッフの皆さんの笑顔がうれしい。食事中もやさしい笑顔で声をかけてくれ、目が合うとニコリ。心癒やされ、ほっとする。やはりタイは微笑みの国なんだと再確認したランチタイムだった。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎