60年以上続く常連から愛されている老舗の名店
『大衆酒場 一平』は、仲通り商店街の細い通り沿いにある。大きな赤ちょうちんが風に揺れ、昭和の懐かしさがある入口だ。
暖簾をくぐり中に入ると、コの字型カウンターに30席ほど。立ち飲みではないので、落ち着いて酒と食事を楽しめる。お客さんの多くは、1人飲みか2人組。年配の男性客だけでなく、若い世代や女性客も来店していた。平日の午後4時には席の8割は埋まり、土曜日は開店前から人が並ぶ人気店だ。
安くて美味しい!メニューが豊富!
メニューは、壁に貼られている短冊を確認して注文する。
煮込み、刺身、串焼き、揚げ物などバラエティー豊かなメニューの数々。
ポテトサラダ250円、あじフライ300円と安い。
価格帯は250円~高くても500円以下。低予算でお腹いっぱいだ!
酎ハイは210円~、生ビール(中)300円、ホッピー380円とお酒もリーズナブルで楽しめる。
1000円あれば仕事帰りにサクッと一杯楽しめる価格設定が嬉しい。
うなるほどの美味しさ!「牛煮込み」
カウンターの奥では、牛煮込みの大鍋から湯気が出ている。
近くに座る常連さんに「おすすめは?」と聞けば、誰もが「牛煮込み」と答えるほどの名物。
牛煮込み300円、豆腐が入るとプラス150円。豆腐入りがおすすめ!
煮込みも豆腐も、味がよく染みている。
牛の腸や牛肺(フワ)などいろいろな部位が入っていて食感も楽しめる。
長年継ぎ足し続けている煮汁は濃厚で、酒が進む一品だ。
魚の希少部位もお手頃な価格で食べてほしい!
「市場との長年の付き合いから、魚の希少な部位も手に入りやすい」と店主の秋山猛さんは話す。安くても新鮮で美味しい魚が並ぶ。
赤身のような見た目のまぐろののうてん刺し500円。
まぐろ1匹から2本しか取れないという希少なまぐろののうてんをワンコインで提供!太っ腹だ。
柔らかい切り身を口に入れると濃厚な甘みが広がる。脂がのっているが、さっぱりとした後味だった。
焼き魚のおすすめは、香ばしく焼いたまぐろあご塩焼き450円。
肉厚で弾力があり、骨の裏側まで身がつまっていた。
噛むごとにまぐろの旨味が口の中に広がり、日本酒がよく合う。
美味しく気軽に飲んでほしい
新鮮・安い・うまいと三拍子が揃った老舗の酒場には、地元だけではなく週末には遠方からもお客さんが足を運ぶ。常連さんも一見さんも分け隔てなく接してくれるので、居心地が良い。
仕事帰りにサクッと、休日にのんびり、ふらっと立ち寄り一杯飲める大衆酒場だ。
取材・文・撮影=ハマエミ