閑静な住宅地、黒ひげのゲームが出迎える『北柏デンキ』。「これ人気あるんです。当たる確率50%ですから(笑)。最初はお客様に遊んでもらおうと売り出しやイベントでUFOキャッチャーを置いたんです」。話を聞いたのは『北柏デンキ』を運営するKD企画の2代目・磯部好一さん。
創業は1979年。家電販売店でありながら住宅リフォームを皮切りに輸入住宅の新築、清掃、福祉介護用品、電気・土木工事に造園などに着手。うーん、アグレッシブ! 社名の“KD”は建築+電気の略なのだ。
受け継がれたチャレンジ精神で次々と
「リフォームは、会長(父)にもともと大工経験があったので始めたようです。街の電気屋って便利屋。それでいいんです。うちは水道工事もやりますから」。
チャレンジ精神は磯部さんにも受け継がれ、携帯ショップの開店に古物商許可の取得、太陽光発電の設置などとひらめいたら即行動してきた。販売商品も面白いと思えば家電以外の品も取り扱う。
ではなぜドローン事業や無人販売を?と聞けば、ドローンは屋根の点検調査や修理に活用し、お客さんに状況説明する上でも役立つから。その延長で自身の経験を教えられればと教室も開校した。
無人販売は偶然出合った飲食店店主と意気投合したのがきっかけで、設備はすべて自社でまかなえたという。でも、やりたいことはまだあると磯部さん。
「調理家電専門店にして実際に使ってもらいながら提案したいんです。本物の部屋のように家電を並べた打ち合わせ室も作りたくて。あっ、駐車場でキッチンカーも始めたい。揚げ物って面倒だから、食材を持って来てくれればここで揚げますっていう揚げ屋さん!」。街の電気屋の可能性は無限大!?
『北柏デンキ』店舗詳細
取材・文=下里康子 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2023年4月号より