ラーメン激戦区北千住で地元民に愛され続けるつけ麺の名店
北千住駅の西口から徒歩5分。本日の目的のお店はきたろーど1010沿いにある『宗庵北千住店』。北千住がラーメン激戦区と呼ばれる前から営業を続ける、長年地元民に愛され続けているラーメン店だ。
店内に入るとスタッフが明るい声で迎えてくれる。筆者の経験によるとスタッフさんが元気で明るいラーメン店にハズレはない。期待が高まる。入り口の右側に食券機、正面にカウンター席がならび、左側にテーブル席が4つある。
「創業は2005年です。もともとは千葉を中心としたチェーン店だったんですが、東京進出1号店として北千住に開業したんです。その後にチェーンから独立して現在に至ります」と教えてくれたのは、オープン当初からこの店に関わっているという店舗運営責任者の吉川勝人さん。
開店して以来、ずっとつけ麺の味は変えていない。「地元の皆さんに喜んでいただけるように、おいしい料理をお出しすることを一番に考えています。学生の時に通ってくれていた常連さんが就職して地方勤務になり、北千住に帰ってきた時には必ず、地元の味だと言ってうちのつけ麺を食べに来てくれるんです」と吉川さん。まさに北千住の味の一つとなっているようだ。
つけ麺の大盛(1.5倍)・倍盛(2倍)無料も開店当初からずっと続けている。「学生さんを中心に大人気です。おいしいつけ麺をお腹いっぱい食べてほしいということで無料にしています」と吉川さん。ボリューム満点で大満足。これも『宗庵』が地元民から支持される理由の一つだろう。
毎日食べても飽きない! あっさり系つけ麺を“全部のせ”でいただく
早速、吉川さんおすすめの宗庵つけ麺850円とトッピング全部のせ350円を注文。 “全部のせ”というロマンを感じる名前にワクワクしながら出来上がりを待つ。
全部のせ宗庵つけ麺一式がテーブルに届いたので、早速いただきます。
おっ、意外とあっさり目だ。あっさりしているが、しっかりと鶏ガラの味わいがあり、醤油の味はとがってなく、まろやかだ。「毎日食べても飽きないおいしさなんです」という吉川さんのお話のとおり、これなら毎日でも食べられる。
あっさり系なのに味に深みがある。ネギのシャキシャキ感やもやし、メンマなどのバリエーションに富んだ食感も楽しみながら、あっという間に完食。大盛を食べ切れるかな、と少々心配していたが、全く問題なし。一気に食べてしまったので、魚粉で味変するのを忘れてしまうほど。毎日食べても飽きない、というのも納得だ。
もう一つの絶品メニューは味も映えも両立! 食べ方も楽しいカルボナーラ風つけ麺
ほかのおすすめメニューを吉川さんに伺うと、「豚チーズつけ麺ですね。SNS映えもするようで若い人を中心に大人気なんです」。豚骨味のスープにチーズを入れていただくという。話を聞いただけで、こってり味わいの超絶おいしさが確定! つい追加注文してしまった。
うわーっ、これは魅力的! 麺の上にのったたまごの黄身と麺をまぜ、チーズをいれたスープでいただくカルボナーラ風のつけ麺だ。
「チーズを自分で削ってかけるのってちょっとワクワクしますよね。こんなところでもお客さんに楽しんでもらえればと思っています」と吉川さん。なるほど、くるくるとハンドルを回してチーズを削るのは楽しい作業だ。
豚骨スープにチーズを入れると、味が濃くなってしまうのではと少々心配していたが、まったく問題なし。一口いただくと、たまごの黄身とチーズのまろやかさが口の中に広がり、さらに豚骨の味が広がり、それぞれの味が絶妙のバランスで混ざり合う。豚骨味とチーズの相性の良さは想定外だ。
さらにお腹に余裕があればライス150円を追加注文して、しっかりとチーズと混ざったスープに入れて食べるという魅惑の超絶濃厚オプションもあるが、今回は見送って次回の楽しみにとっておくことに。
あっさり味の宗庵つけ麺とこってり濃厚味の豚チーズつけ麺。どちらにするか、まさに贅沢な悩みだが、あれこれ考える必要はない。どっちを選んでも失敗はないし、次に来るときの楽しみが増えたと思えばいいのだ。
さて、次に来たときはどれを注文しようかな、と早くも次回の訪問を考えながら、お店を後にした。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎