落ち着いた雰囲気の店内で創作アボカド料理を楽しめるダイニングバー
アボカド。世の女性から圧倒的な支持を得ている魅惑のフルーツだが、おじさん世代の筆者も、実はアボカドが大好物。あのとろける食感に魅了されているアボカドフリークの1人だ。
渋谷にアボカドを使った絶品ランチをいただけるお店があると聞いて早速、渋谷へ向かう。渋谷駅を出て、のんびりと宮益坂を上がると、青山通りを跨ぐ歩道橋の横に“アボカド・チーズ 時々、イギリス”の看板を発見しニコリ。目的のお店『渋谷ウサギ』に到着だ。
ホテル サクラフルール青山の1Fにお店はある。『渋谷ウサギ』はSNS界隈では白いオムライスで有名だ。アボカドとおなじくらい白オムライスが気になるが、今回は迷わずアボカド料理をいただく決心をして店に入る。
『ウサギ』という店名から、おじさんが1人で入るにはちょっと躊躇するようなメルヘンチックなお店を勝手にイメージしていたが、店内に入るとアンティーク調の落ち着いた雰囲気で、居心地の良さそうな空間が広がる。これならおじさん1人でも大丈夫そうだ。
「開店は1999年です。当初は、今の店より表参道駅寄りの場所で営業していたんですが、入居していた建物の改築に合わせて2021年にここに移転してきました」とお話ししてくれたのは店長の藤田利也さん。
「店名のウサギは、多くのお客さまからかわいがっていただける、愛されるということで、スタッフのみんなと考えてつけたんです。アボカドを使った料理も、女性のお客さまによろこんでいただける食材ということで選びました。お店のメニューはスタッフみんなで相談して考えているんです」。
ソースも絶品! アボカド、ネギトロ、サーモンをタルタル仕立てでいただくランチに大満足!
それでは期待のアボカドランチをいただくことにする。ランチメニューは日替わりだ。店頭のボードかテーブルの上にあるQRコードからメニューを確認できる。今回は店長おすすめのアボカドネギトロサーモンごはん~タルタル仕立て~990円(平日料金)を迷わず注文。メニューの名前を見ただけで、そのおいしさは確定したも同然だ。
しばらく待つと、注文したアボカドネギトロサーモンごはんがテーブルに届く。ごはんの上にアボカドとネギトロのタルタル。さらにその上にサーモン、そしてエビがのっている。イメージの上をいくビジュアルに期待が高まる。
さらっとしたソースをからめてタルタルとごはんをひと口いただくと、期待どおりのアボカドの食感とネギトロの味わいが口の中に広がる。そしてサーモンの旨味もしっかり。それでいてそれぞれが主張しすぎず、バランスよく深みのある味わいになっている。
ソフトな口当たりの中にほのかな甘みを感じるソースに秘密がありそうなので、藤田さんに聞いてみると、生クリームに卵黄、そしてめんつゆを加えることで、個性の強いとろーり食材との味のバランスをとっているそう。確かにご飯ものなのでめんつゆとの相性がいいのは納得だ。
さらにタルタルの食感をより楽しめるようにきゅうりを加えている。きゅうりが入ることでアボカドとネギトロのとろーり食感がより引き立っている。アボカドマイスターの藤田さんによる、とろーりメニューを楽しむためのこだわりが満載の一品だ。
アボカドとネギトロの食感を最大限に味わうことができた一品だった。それだけではなく、サーモンやエビなどそれぞれの食材の味と食感を損なうことなくソースで融合し、まとめあげたセンスには脱帽。自信を持っておすすめと言える。
ランチだけではもったいない! カフェタイムのおすすめはチーズケーキ
ランチ以外のおすすめを藤田さんに聞くと「カフェタイムでおすすめなのが自家製チーズケーキです。6種類のチーズケーキがそろっています」。営業時間内ならいつでもカフェとして利用できるそう。お気に入りのケーキとコーヒーを注文して午後のひと時を過ごすという利用方法もよさそうだ。
ディナータイムでは「厳選した牛ほほ肉をとろとろになるまで煮込んだ牛ほほ肉の赤ワインデミグラスソース煮込み1500円がおすすめです。濃厚で旨味が凝縮したデミグラスソースもぜひとも味わっていただきたいです」。
休日やランチタイムは学生や女性客で満席になることも多いそう。今回はアボカド料理目的だったが、次回はそんな混雑する時間をちょっと外してカフェタイムやディナータイムにゆっくりとケーキや料理長おすすめのメニューをいただくことにしようと決めてお店を後にした。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎