木と白を基調とした店内。テーブル席があるのもうれしい
暖簾をくぐり、店内に入ると券売機がある。いろいろと悩んだが、蛤と鰹 中華そば840円を購入。
店内は奥に長く、カウンター席のほか、2人掛けのテーブル席もある。店長の本間有さんに伺うと、「お客様は女性の一人客も比較的多いですし、年配のご夫妻も常連になってくれています。テーブル席もありますので、お子さんを連れた方もよくきてくれます」と話してくれた。
ハマグリの香りと味わいが特徴的。魚介系の旨みも広がる
ほどなくすると蛤と鰹 中華そばが登場。鼻をくすぐるようにほんのりとカツオの香りが漂ってくる。中央に盛られたチャーシューやホウレン草、赤玉ネギのみじん切り、白髪ネギなど、見た目も美しい。
スープをひと口飲むと、ハマグリの優しい風味が広がり、後を追うようにカツオと昆布の風味が広がる。本間さんは「スープには九十九里産と桑名産のハマグリを使用し、和食の技術で出汁を取った潮汁(うしおじる)が基本になります」と教えてくれた。
ハマグリの芳醇な味わいとコクもあり、味に深みがある。
北海道産の小麦粉「ゆめちから」を使用した中細ストレート麺も抜群。しっかりとした歯ごたえがあり、ツルッとしたのど越しもたまらない。
チャーシューは2種類。豚肩ロースを低温調理したチャーシューはしっとりとして旨みと甘みが感じられる。もう一方は、豚バラをじっくり煮込んでいて、提供前に炙っているため香ばしさが加わる。本間さんは「1種類より2種類チャーシューがあった方が、食べたとき楽しいでしょ」と笑って答えてくれた。
赤玉ネギと長ネギの食感や甘み、辛みなども相まって、どんどん箸が進んでいく。
卓上の調味料で味変を楽しもう
卓上には4種類の調味料が置かれている。
黒コショウのピリッとした辛みは、魚介の風味を引き立ててくれる。店イチオシの黒七味は、香りと辛みが見事に調和してこれもスープとよく合う。さらなる辛みの刺激が欲しいのならば柚子胡椒がいい。
個人的におすすめなのがこんぶ酢。酢の爽やかさとともに、スープの味を損なうことなく、昆布の旨みでさらなる奥行きを生み出している。ちょっとずつ試してみて、自分好みに仕上げてみるのも楽しい
ハマグリ出汁のみを使用した塩そばや季節限定ラーメンも食べたい
本間さんは「ハマグリ出汁のみを使った蛤塩そば980円や、ハマグリの身が入った具だくさんの炊き込みご飯100円、旬の素材を使った季節限定品などもおすすめです。本当は季節限定だったのですが、人気のため定番になったみそラーメン890円をぜひ食べて下さい」と話してくれた。
ハマグリの魅力を最大限に生かした中華そば。和食の職人が作り上げた自慢の味をぜひとも楽しんでもらいたい。
取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン