有機野菜をつかったこだわりランチでからだに気を配る

筆者にとって、おいしいランチをいただくことは充実した日々を過ごすためにとても重要だ。おいしいランチはこころを豊かにしてくれるが、さらに健康にもいいランチはないものかと都合のいいことを考えていたら、こころとからだの両方にいい自然野菜をいただけるお店が恵比寿にあると聞いて、本日のランチに決定。早速、恵比寿へ向かう。

こだわりの野菜をふんだんに使ったランチをいただける『CHIBIKURO-SAMBO』はJR恵比寿駅西口から恵比寿銀座商店街を5分ほど歩いた、駅前の喧騒から少し離れた落ち着いた町並みの中にある。

恵比寿駅から一本道なので迷うことはない。ウッディな山小屋を思わせる外観だ。
恵比寿駅から一本道なので迷うことはない。ウッディな山小屋を思わせる外観だ。
ランチタイムは11:30から16:00。ちょっと遅めのランチでも大丈夫。
ランチタイムは11:30から16:00。ちょっと遅めのランチでも大丈夫。

店頭の看板でランチメニューをチェックしてお店に入ると、店内の左側にはキッチンとカウンター席、右側にはテーブル席が並ぶ。ほどよい広さの店内は木材を使った落ち着いた空間だ。スタッフの対応も丁寧で、ゆっくりと食事を楽しめそうだ。

大きなガラスから光が差し込むので店内は明るい。座席数は18席。
大きなガラスから光が差し込むので店内は明るい。座席数は18席。

「開店は1980年です」と教えてくれたのはオーナーの吉田さん。「料理を作ったり、食べてもらって、おいしいと言ってもらえたりすることがうれしくてお店を始めたんです。開店当時はお店の周りは何もなく、静かな町だったんですよ」。

右がオーナーの吉田さん。左はスタッフの藤原さん。お2人がやさしい笑顔で迎えてくれる。
右がオーナーの吉田さん。左はスタッフの藤原さん。お2人がやさしい笑顔で迎えてくれる。

『CHIBIKURO-SAMBO』では、「からだにやさしい」食事のための野菜を、吉田さんが信頼している農家さんや業者さんに届けてもらっている。

吉田さんに野菜にこだわるようになった経緯をきくと、「開店当初はお客さまがおいしいと言ってくれる料理を出すことが一番だと思っていたんですが、体調を崩して入院したときに、病院食が健康に気を使ったメニューなのにおいしかったんです。それで、おいしいだけではなく、からだにやさしい食事を出すお店にしたいと考えたんです」とのこと。おいしくて、からだにやさしい野菜を使った料理をいただくと、こころも穏やかに暮らせそう。

せいろ蒸しランチで食材のもつ本当のおいしさに感動!

吉田さんのおすすめメニューは、有機野菜と塩豚のせいろ蒸しランチ1100円。吉田さんが厳選した野菜そのもののおいしさを味わえるので、リピーターも多いそう。

せいろ蒸しランチ1100円。最低でも7種類の季節の野菜が味わえる。
せいろ蒸しランチ1100円。最低でも7種類の季節の野菜が味わえる。

まもなく、注文したせいろ蒸しランチが出される。テーブルの真ん中にせいろが置かれ、ご飯は胚芽米、ミニサラダと煮物の小鉢に味噌汁。ミニデザートとドリンクも付く。

早速、せいろを開けると、ぱっと立ち昇る湯気と香り、そして野菜の鮮やかな色が目に飛び込んでくる。食べる前に、この野菜は絶対においしい、と確信してしまう。

野菜のあざやかな色は、まさに自然そのままの彩りだ。
野菜のあざやかな色は、まさに自然そのままの彩りだ。

せいろで蒸した有機野菜は、野菜そのもののおいしさを味わうために岩塩、合わせ味噌、ナンプラーでいただく。素材の味がしっかりとあるので、あれこれと味つけする必要はないのだ。

岩塩、合わせ味噌、ナンプラーでいただく。シンプルに野菜のおいしさが味わえる。
岩塩、合わせ味噌、ナンプラーでいただく。シンプルに野菜のおいしさが味わえる。

まずはブロッコリー。岩塩でシンプルにいただくことにする。口に入れた瞬間、ブロッコリーの香りと、いままでに味わったことがない深みのある甘みが口の中に広がる。蒸しているので、より野菜の本来の味が際立っている。続けてかぼちゃもいただく。

見た目の鮮やかさだけではなく、野菜そのものが持つおいしさを味わえる。
見た目の鮮やかさだけではなく、野菜そのものが持つおいしさを味わえる。
ほどよい蒸し具合でほくほく食感のかぼちゃ。濃厚な甘みを堪能できる。
ほどよい蒸し具合でほくほく食感のかぼちゃ。濃厚な甘みを堪能できる。

かぶやさつまいも、にんじんなど、すべての野菜がやさしい味わいで、幸せな気分につつまれる。やはり自然の味にまさるものはない。

野菜中心のせいろの中でも、しっかりと存在感のある塩豚。ほどよく脂も落ちて食べやすい。
野菜中心のせいろの中でも、しっかりと存在感のある塩豚。ほどよく脂も落ちて食べやすい。

塩豚も豚肉の旨味と甘みがバランスよく口の中で広がる。おいしい野菜とおいしい豚肉。なんとも贅沢なランチだ。

ご飯はからだにいい胚芽米。みそ汁の具は豆腐とかぶの葉。有機栽培で大切に育てられた野菜は、葉もおいしくいただける。

ご飯は胚芽米。おかわり自由だけど健康のために食べ過ぎ注意!
ご飯は胚芽米。おかわり自由だけど健康のために食べ過ぎ注意!

煮物の味付けは控えめで、その分、野菜の味を楽しめる。食材を活かした自然な味付けになるようにしているそう。出される料理すべてに吉田さんのこだわりがあふれている。

控えめで自然な味付けの煮物。季節によって食材は変わるそう。
控えめで自然な味付けの煮物。季節によって食材は変わるそう。
水菜のミニサラダ。やわらかな酸味のあるドレッシングはランチメニューのアクセントになる。
水菜のミニサラダ。やわらかな酸味のあるドレッシングはランチメニューのアクセントになる。

自然の味をゆったりと楽しみながら、健康にも気を使うことができるやさしいメニュー。忙しい日々に、自分のからだとこころを見直すことができ、いい時間を過ごすことができた。

“からだにやさしい”“おいしい”気配りにあふれたキッチンで癒やされる

『CHIBIKURO-SAMBO』のランチでは、平飼の卵を使ったオムライス1100円も人気。せいろ蒸しの野菜を味わったあとでは、卵がもつ食材そのものの味にも興味津々だ。

プレートランチは週替りでメニューが変わる。メニューはInstagramで情報発信しているので気になる人はチェックしよう。
プレートランチは週替りでメニューが変わる。メニューはInstagramで情報発信しているので気になる人はチェックしよう。
有機野菜たっぷりの本日のカレーも人気メニュー。寒い時期はあったかスープランチもおすすめ。
有機野菜たっぷりの本日のカレーも人気メニュー。寒い時期はあったかスープランチもおすすめ。

「家ではぜんぜん野菜を食べないという常連のお客さんのお子さんが、うちに来たときは野菜を平気でぱくぱく食べてくれるんですよ」と笑顔で話す吉田さん。子供にも本当の野菜のおいしさがわかるのだろう。笑顔の中には吉田さんのやさしい人柄が見える。

ふと壁の黒板を見ると「今日もおいしいやさしいキッチン」の文字。『CHIBIKURO-SAMBO』をひと言で表しているなぁ。吉田さんのからだにいい料理へのこだわりとお客さんへの気配りこそが、40年以上もの長い間、お客さんから支持されている理由なんだと納得。

今日もおいしいやさしいキッチン。ランチだけではなく、夜のメニューも魅力いっぱいだ。
今日もおいしいやさしいキッチン。ランチだけではなく、夜のメニューも魅力いっぱいだ。

平飼卵のオムライスも気になるし、また吉田さんの笑顔も見たい。そしてこころとからだの健康のために、近いうちにまた来ようと誓ってお店を後にした。

住所:東京都渋谷区恵比寿南2-3-10 相馬ビル1F/営業時間:11:30~15:30LO・18:00~21:30LO/定休日:土・日・祝/アクセス:JR・地下鉄恵比寿駅から徒歩5分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎