都ホテルのカジュアルな都市型ブランド『都シティ』の第1 号ホテル
恥ずかしながら、このたび初めて下車した高輪ゲートウェイ。無人キオスクに驚きつつ改札を出た。まだ高輪方面にしか改札口がないせいか、思ったよりも人はまばらで、周囲はバリケードと重機ばかり。電車の走行音に紛れてギッタン、バッタンと働く車が汗している。高輪口からエスカレーターで下の道路に降り、道なりに第一京浜の方向に進んでいくと『都シティ 東京高輪』が見える。
まだ新しい匂いのするエントランスに入ると、『都シティ 東京高輪』の課長・和田潤二さんが迎えてくださった。
都ホテルといえば、『シェラトン都ホテル東京』をはじめ、国内外に25施設を展開する大手ホテルチェーンだ。
「このホテルは、都ホテルの新ブランド『都シティ』の第1号として開業しました。ここから徒歩15分ほどの白金台にある『シェラトン都ホテル東京』よりもカジュアルに使っていただける都市型のホテルなんです。1階にあるレストランではおいしい朝食やランチをご用意していますので、ビジネスや観光などにはぴったりです」と和田さん。
館内にあるレストラン『and which?』は、宿泊客だけでなく一般客も朝食とランチを楽しむことができる。ホテルメイドの優雅な食事なんて贅沢な気分だ。
東京近郊に住む人にとって、遠くまで旅行に行けなくても、今まで知らなかった東京を探検するだけでも充分楽しめる。自宅からリュックひとつで来られる『都シティ 東京高輪』もぜひ旅先のリストに入れたいものだ。
エッグベネディクト風サンド、早く食べたいから恥をしのんで公式の食べ方を聞いてみた!
『and which?』は、レストランの入口でメニューを選んで先に会計を済ます方式。メインは、こだわりパンを使いオーダーを受けてから作るできたてサンドウィッチなのだが、パスタやがっつり食べられるご飯メニューもあって迷う。ランチメニューはすべて1100円でサラダ、スープ、ドリンクバーがつく。
「サンドウィッチは新鮮な野菜をたっぷり使っていてヘルシーです。表面をカリッと中はふんわりしたパニーニや、エッグベネディクトやサーモンムニエルなど、フランス料理からヒントを得たサンドウィッチもあります。サンドウィッチは毎日3種、そのほか定番人気のカレーやハンバーグ、パスタといったワンプレートメニューも日替わりでご用意しています」と和田さん。
どれも色鮮やかで食欲がそそられるものばかり! だけど、店名にちなんでここはサンドウィッチでしょう。迷ったすえにエッグベネディクト風サンドを選んだ。できあがる間、ドリンクバーをチェックしてみた。何があるのかな〜? ワクワクが止まらないよ。
ドリンクバーにワクワクしながら、ワタクシのエッグベネディクトはどうなってるかな〜?
さっそく食べようと思ったが、はて、そういえばどうやって食べるのが正しいのか。サンドウィッチだからやっぱり手で食べる? いや、ここはホテルだし。ナイフとフォークを使って、一口大に切って食べるのが正しい? 脳内で緊急会議が繰り広げられたが答えは出ず。恥をしのんで和田さんに聞いてみた。
「そうですね。お好きな方法でいいのですが、一般的な食べ方といたしましては、まずポーチドエッグにナイフを入れます。すると、半熟の黄身が出てくるのでオランデーズソースとよく混ぜます。そしてひと口大に切ったサンドウィッチをソースに絡めて召し上がってください」。なるほど、これなら手を汚さずエレガントに食べられるし、ソースも堪能できる。
こんがり香ばしい胚芽パンに旨味ぎっしりの厚切りベーコンとバターと、卵黄で濃厚に仕上げられたソースをたっぷり。シャキシャキのレタスや、格子型にカットされたポテトは外がサックサク、中はほっくり〜。おしゃれな見た目だが、なかなかボリュームがある。ああ、満腹だ。
日々奮闘する若きシェフたちが作る、こだわりの朝食とサンドウィッチ
おしゃれで、野菜がたっぷりでボリュームがあるランチ。カジュアルだけどバリューもある、さすがホテルメイドだなあと感心しながら食後のコーヒーを満喫していた。ところがどうやら朝食もおいしいらしい。
和田さんがパンフレットを見せながら解説してくれた。「ハイ、『and which?』は朝食も自慢なんです。宿泊客だけでなく一般の方もご利用が可能です。日替わりのサンドウィッチやパニーニ、卵料理、スープを用意しています。新鮮なサラダには野菜の旨味たっぷりのサラダドレッシング、フレッシュなフルーツ&野菜を使ったオリジナルスムージーで、エネルギーをチャージできますよ」。
「また、京の米老舗『八代目儀兵衛』のお米マイスターが厳選した炊きたて銀シャリの和定食はご飯党の方に好評です。ちなみにこのお米はランチにも使用しています」。
さらに和田さんが続ける。「朝食やランチタイムは、たくさんのオーダーを若手シェフたちが息のあったコンビネーションで作ってくれています」。
将来はシェラトン都ホテルの大きな厨房で、多くの人の舌を感動させるのだろう。いつかまた、お2人の料理を食べてみたい。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢