新食感!そばのようで中華風!?
テーブルに運ばれた丼を見たときは、これはそば?と思ったが、一口食べてみればラーメンのような、そばのような、不思議な味わいだ。この店の一押しメニューの肉盛りつけ蕎麦は、今までに食べたことのない新機軸のつけ麺といえる。
特注の麺は中華麺にそば粉を練り込んだもので、色は黒っぽく、見た目は完全なるそば。鶏と豚骨をベースにしたスープは、そばつゆやラー油などを合わせ、和風の味わいながらも、ピリッと刺激も感じる中華風な味でもある。
まずは何も入れずに味わってみる。麺はそばのようにつるつると喉ごしもあり、歯ごたえもあって、濃いめのスープとの絡み具合もいい。
スープに半熟玉子を入れると、濃厚なスープはまろやかさを増し、甘辛い肉も絡めるて食べると、汁を含んだ肉は旨さが倍増する。これは真っ白なご飯に合わせて食べたくなる!揚げ玉や紅ショウガで好みの味へ調整できるので、最後まで異なる味を楽しめる。
実はこのメニュー、その昔、期間限定のカップ麺も発売された。メーカーも注目の斬新なメニューなのだ。
モッチリ極太麺を楽しむつけ麺
もう一つの看板メニュー・濃厚魚介つけ麺は、かなり太めのストレート麺を使用している。茹で時間も約10分かかるというほどの極太だ。北海道産小麦の全粒粉を入れた歯ごたえのある麺でモチモチ。小麦の風味も強く、麺本来のおいしさを堪能できる1杯となっている。
トッピングには2種類のチャーシュー、ナルト、メンマ、海苔とシンプル。チャーシューは鶏胸肉とローストポークの2種類で、しっかりと歯ごたえのある肉質と、しっとり柔らかな食感の違いを味わえる。
極太麺はスープの旨みを絡めとり、鰹節のインパクトを感じるまろみのある味わいだ。最後に卓上に置いてあるポットの割りスープを加えると、フワッと爽やかな柚子が香る。カツオや煮干しでダシをとった和風スープなので、後味もさっぱりと最後の1滴まで飲み干せる。
肉盛りつけ蕎麦も濃厚魚介つけ麺、まったく異なる料理だがどちらも人気メニューというから、これは二度三度と足を運んで試してみるしかない。
新店のオープンにも期待がかかる
中村潤二店長は、「店名を付けるとき、インパクトが残って、あまりない店名にしたいと思い考えている中で、六本木にある坂からヒントを得てつけました」と話す。最初、なんて読むのかな?と思いつつ、狸の穴の文字だけがとても印象に残ったので、中村さんの戦略は成功したといえるだろう。
年内には、鶏白湯系の新店もオープン予定ということで、蕎麦と中華麺を合わせた刺激的なメニューのようにどんな新しい味が生まれるのか今からワクワクだ。
取材・文・撮影=千葉香苗、構成=アド・グリーン