ラーメン激戦区・池袋の街を代表する人気店
ラーメン激戦区としての顔を持つ池袋。これまでに多くのラーメン店が出店してきたが、人気店が多いこの街では残念ながら淘汰されることもしばしば。そんな池袋に長年店を構えているのが『無敵家』である。
池袋駅東口から駅を添うように徒歩5分ほどで到着。信号の角にある店舗なので初めて来るときでもわかりやすい。
「お店は2022年で28年目になりますね。当時の池袋は大勝軒を筆頭にラーメン店ばかりの激戦区だったのですが、僕らの味に自信があったのでここで出店しました」と、話してくれたのは店舗運営マネージャーを務める平川晃さん。人気店が軒を連ねていた池袋の街に敢えて挑むという姿勢が、味に対する絶対の自信を感じさせる。
もちろん、最初から現在の味わいのラーメンが食べられたわけではなく、年々改良を加えていくからこそ、現在の深みのある味わいを生み出した。そうしたたゆまぬ努力が、お客さんが絶えずにやってくる人気店へと成長させたのだろう。
三者三様の味わいが多くのファンをつかむ
『無敵家』と言えば、肉厚のチャーシューとトンコクスープがトレードマーク。迷わず無敵家らーめんニクタマ1250円をオーダーした。肉厚のチャーシュー3枚と味付け卵が2個乗っているボリューミーなメニューだ。
『無敵家』の代名詞とも言うべきスープのベースを担うのはトンコツ。平川さんによると「高品質のトンコツを使って作るんですが、とにかくアクを取ること、不純物を取ることを意識して2度漉します。1日14時間ほど煮詰めないとできないのでスタッフ総出でこのスープを仕上げていくようにしています」。
あの深いコクを持ちながらすっきりとした味わいはスタッフ総出の賜物と聞き感激していたが……さらにすごいのはそのスープと合わせる麺。北海道のブランド小麦「春よ恋」を使用したオリジナルでスープにとことん合う麺にこだわって作っている。
そしてうれしいのがチャーシュー。厚切りであぶりも入っているため分厚くても柔らかく、ラーメンとの相性も抜群。「お店の名物になればという思いもあったし、お客様からのリクエストに応えると、こうした形になっちゃいましたね(笑)」。
豚骨から丁寧に作られたコクのあるスープに相性のいい麵、そして味わい深いチャーシューと三位一体の味わいで気が付けば、するすると食べてしまうほど。これなら老若男女がこぞって食べに来るのも納得だ。
コロナ禍の苦境の中、一致団結
かつては外国人のお客さんも多く、行列がすごくて入れないというケースもあったという『無敵家』。しかし、コロナ禍で外国人のお客さんが減っていった。そんな中、行列がなくなったことで「以前から気になってて……」というお客さんも増えたという。まさに怪我の功名と言えそうだ。
「コロナウイルスの蔓延でお客さんが減ったのは痛手でしたが、同時に店のクオリティをもっとあげようと、スタッフ全員が一致団結するようになりました。コロナがあって悪いことばかりというわけでもないですね」。
「ラーメンの見た目がこってりしているので女性の方なんかは敬遠される方も多いかもしれないけれど、ウチのラーメンは見た目よりもあっさりしているので、ぜひ一度、池袋に食べに来てほしいです」と語る平川さん。その表情には自信が満ち溢れていた。
ラーメン激戦区で長年トップを張り続けた『無敵家』のラーメン、食べてみる価値は大だ。
構成=フリート 取材・文・撮影=福嶌弘