たっぷりが贅沢！小江戸川越の地下1200mから湧き出す天然温泉をかけ流し
川越駅からバスなら10分、徒歩なら約20分。空が大きく開け、広々とのんびりしたロケーションだ。地下1200mから湧き出すナトリウム-塩化物質泉を使った天然温泉施設で、塩分が含まれたお湯はなめると少ししょっぱく、色は少し黄色みがある。塩分が汗の蒸発を抑え、肌をしっとり保つ保湿効果があり、時間が経ってもぽかぽかとあたたかい。冷え性にも効果アリだ。
石と木、2つの浴室に合計9種の浴槽
浴室は石造りの浴槽の石の湯と木をイメージした木の湯の2つで男女日替わり。石と木で異なる風合いと感触を楽しめるので、ぜひ2つの浴室を体験してみよう。それぞれの浴室に七福神の名前がついた7つの浴槽と水風呂の合計8つの浴槽があり、内1つずつの浴槽に変化があるので合計9種の浴槽が楽しめる。ほぼすべての浴槽が源泉を使用しているのがうれしいポイントだ。
そのままの源泉を楽しむなら生源泉掛け流しの湯へ。加水せず、常に新鮮なお湯がたっぷりかけ流しにされている。冬以外は加温もしないためぬる湯となるが、サウナ後の水風呂は冷たすぎるという方に最適だ。お湯はとてもなめらかで、ぬるめなのに少しの入浴でも体がぽかぽかとあたたかくなる。お湯に含まれる塩分により、湯上がり後の肌はとてもしっとり。源泉名にある「美肌の湯」を実感する。こんな湯に毎日入れば美肌になれるような気が……。
もうちょっと温かいお湯を、ということであれば、源泉 ぬる湯へ。広々として開放感があり、湯気が風に揺らぐのを見ていると気分もゆったり。さらに熱いのが源泉 高見の湯。たしかに少し熱めだが、露天風呂なので風を感じながら入ると丁度よく感じた。
源泉 壺湯は石の湯のみの浴槽。信楽焼の壺で、浸かるとお湯が盛大に溢れるのが贅沢で気持ちいい。壺によりかかり、空を見上げると全身から力が抜けていく。思わずふうっとため息を一つ。夜は星がきれいに見えるとのことだ。
木の湯には壺湯の代わりにあつ湯が用意されている。源泉ではないが、43℃とかなり熱めですっきり爽快な気分が味わえる。
高濃度炭酸泉も源泉使用！広々でゆったり快適
多くの施設の炭酸泉は真水だが、この施設の高濃度炭酸泉は天然温泉を使用している。入浴するとすぐ、肌に細かい泡が付きはじめた。シュワシュワとした泡に、軽くマッサージをされているような感触で気持ちいい。ドイツでは古くから「心臓の湯」として知られ、心臓病や高血圧などさまざまな治療に使われており、疲労回復や冷え性の改善も期待できる。最初はぬるめと感じたお湯だが、入っているうちに体の中からぽかぽかとしてくる。広めの浴槽なので、気兼ねせずゆっくりと足を伸ばして浸かれるのもうれしい。
ロウリュのできるサウナと深めの水風呂で心地よくととのう
石の湯、木の湯両方にあるのが高温サウナ。30分ごとにオートロウリュサービスがある。ロウリュが始まると水蒸気が一気に立ち上り、室内は熱気でいっぱいに。あっという間に汗が流れ落ちる。短時間でも大量に発汗できるので、サウナーには大人気だ。
たっぷり汗をかいたら水風呂へ。高温サウナから直行できる場所にあり、「サウナーを唸らせる完璧な導線」と好評だ。水深110cmと深めなので全身がすっぽり冷水に包まれる。その上、水温約16℃で水流も強くかなり冷たい。このまま屋外のととのい椅子に向かうのもよし、もう一度サウナに戻るのもいい。サウナと水風呂のセットを2回から3回ほど繰り返すと発汗量も上がり、体の芯まで全身がリフレッシュできる。途中、しっかり水分を取り、外気浴でゆっくり休憩することも忘れずに。
高温サウナのほかに、石の湯にはハーブの蒸気で蒸されるハーブサウナ、木の湯には塩をすり込んで入る塩サウナがあり、その日の気分に合わせて楽しめる。
風呂上がりの栄養補給は武蔵野うどんで
湯上がりは1000冊の漫画が無料で読めるお休み処で入浴とサウナで疲れた体をゆっくりと休めよう。ごろごろとのんびりくつろいで、そのままちょっとひと眠り……。お腹が空いたらメニュー豊富なお食事処『小江戸屋』へ行ってみよう。
川越名物の太麺焼きそばも魅力的だが、この辺りの名物である武蔵野うどんもおすすめだ。冷たく締めたコシのある太麺のうどんを豚肉とネギのたっぷり入った温かいつゆでいただく。ググッと強い弾力の麺に、出汁のきいた汁がピッタリだ。噛むごとに小麦の香りを感じ、ボリュームたっぷりでお腹いっぱい。シメまで楽しめる温泉施設だ。
取材・⽂＝ミヤウチマサコ 画像提供＝小さな旅 川越温泉
