明治時代の面影が今も遺るレトロな港町

『OMO5小樽』から徒歩圏内にある旧手宮線跡。
『OMO5小樽』から徒歩圏内にある旧手宮線跡。

港町、小樽に2022年1月にオープンした『OMO5小樽』は、小樽市指定歴史的建造物の「旧小樽商工会議所」をリノベーションしたレトロな南館と、機能性とデザインを追求した北館の2館からなる。歴史的建造物が多く並ぶ「北のウォール街」と呼ばれるエリアに溶け込む美しいホテルだ。

『OMO5小樽』。小樽市指定歴史的建造物をリノベーションした南館(左)と機能性とデザインを追求した北館(右)からなる。
『OMO5小樽』。小樽市指定歴史的建造物をリノベーションした南館(左)と機能性とデザインを追求した北館(右)からなる。
天井が高く広々。南館の2部屋限定のデラックスルーム。
天井が高く広々。南館の2部屋限定のデラックスルーム。

「ソーラン」のかけ声が聞こえてくるニシン漁の盛んな港町で、OMOが掲げるコンセプトは「ソーラン、目覚めの港町」。「ソーラン」の力強さと共に、明治時代の面影が残る小樽の歴史や文化、食の魅力を再発見できるようにという意味が込められている。

朝が楽しい小樽を散策!宿泊者限定、シメパフェならぬ朝パフェも

札幌から日帰りで訪れる人が多い小樽だが、実は「ソーラン」のかけ声からはじまる朝こそ活気に満ちている。『OMO5小樽』に泊まるなら、すがすがしい朝の街歩きツアーに参加したい。

「朝の境町通りさんぽツアー」では、境町通りの歴史に触れながら、ガラス工房や小樽オルゴール堂、レトロな生活雑貨が並ぶ『奥野商店』など、OMOレンジャーおすすめの店舗を紹介してくれる。

「朝の境町通りさんぽツアー」でお土産さがし。
「朝の境町通りさんぽツアー」でお土産さがし。

ホテルスタッフのおすすめ情報が詰まったご近所マップに特別大きく載せているほどの人気洋菓子店『LeTAO(ルタオ)』。ここでは、シメパフェならぬ朝パフェ「目覚めのフロマージュパルフェ」が楽しめる。

OMOの宿泊者限定のコラボレーションスイーツで、見た目の美しさに悶絶するが、中身もすごい。北海道産の果物、アロニアとハスカップのソルベにソース、オールブラン、マスカルポーネのブリュレ、レアチーズを思わせるヨーグルトシャンティ、さらに色鮮やかなベリーや果物を重ねるというゴージャスさ。スーパーフルーツや発酵食品をふんだんに取り入れた朝にうれしいパフェだ。

人気洋菓子店『LeTAO』とのコラボレーション朝パフェ。宿泊者限定&1日40食限定!
人気洋菓子店『LeTAO』とのコラボレーション朝パフェ。宿泊者限定&1日40食限定!

小樽の市場で、海鮮丼を作っちゃおう!

港町に泊まるからには新鮮な海鮮朝食を食べて帰りたい。市場での朝食は初心者にはハードルが高いが、OMOレンジャーが案内する「朝市で勝手にお節介丼ツアー」であれば気楽に参加できる。

ホテルから徒歩圏内にある三角市場で、市場の人が「今日はこれがおいしいよ!」とお節介を焼いてネタを選んでくれる。そのネタを使ってオリジナルの海鮮丼を作るというなんとも贅沢な朝食ツアー。生のニシンやホッケ、希少価値の高い八角や柳の舞などの魚が食べられるのは小樽の朝市ならではだ。

「朝市で勝手にお節介丼ツアー」でオリジナル丼を堪能!
「朝市で勝手にお節介丼ツアー」でオリジナル丼を堪能!

非日常なグルメをホテルで堪能

パブリックスペースOMOベースにあるご近所マップもテンション上がるデザイン。
パブリックスペースOMOベースにあるご近所マップもテンション上がるデザイン。

旧小樽商工会議所の大会議室を改装した南館3階の美しい空間、「OMOカフェ&ダイニング」で食べられるのはスペイン料理のアレンジメニュー。なんでもスペインでは歴史的建造物に宿泊する旅行文化があるそうで、そこから着想を得たのだとか。共に海の幸を楽しむスペインと小樽の食は親和性も高い。

旧小樽商工会議所の大会議室を改装した「OMOカフェ&ダイニング」。
旧小樽商工会議所の大会議室を改装した「OMOカフェ&ダイニング」。

ディナーのイチオシは魚介の旨味たっぷりなニシンのミックスパエリア。骨が多いニシンだが、柔らかく調理されているので骨までまるごと食べられる。パエリアとニシンが合うとは新発見!地元の水産会社と協同してニシンの魅力と文化を伝えたいと開発した、小樽の歴史も未来も詰まったひと品だ。

骨まで食べられるニシンのミックスパエリア。
骨まで食べられるニシンのミックスパエリア。

おなかいっぱい食べた翌朝もスペイン料理の朝食が待っている。目の前で仕上げてくれる具沢山のスペイン風オムレツ、トルティージャをほおばり、本場と同じように渦巻き状に揚げられたチュロスをホットチョコレートに浸しながらパクリ。朝からおいしいものを食べられるという最高の時間を過ごそう。

ホットチョコレートに浸しながら食べるチュロス。甘さが絶妙で朝から元気が出る。
ホットチョコレートに浸しながら食べるチュロス。甘さが絶妙で朝から元気が出る。

ワイン片手に小樽運河をクルージング!

朝から散歩を満喫した足は夕方にはパンパンだが、小樽運河のクルージングならまだまだ小樽を楽しめる。秋限定の「小樽運河ワインクルージング」では、1973年造船の歴史ある船を貸し切り、ワインで知られる小樽周辺の赤ワインと白ワインを1種類ずつ味わいながらプライベートクルージングを満喫できる。

「小樽運河ワインクルージング」で実りの秋を満喫!
「小樽運河ワインクルージング」で実りの秋を満喫!

白ワインは小樽発祥のブドウ「旅路」から造られた小樽の『オサワイナリー』のtabi2021。赤ワインは余市町の『HIRAKAWA WINERY』の後味がビターなL’ESPRIT Terre de Yoichi(レスプリ テール ド ヨイチ) 2020。OMOのご近所にあるカフェバー『石と鉄 STONE and IRON』がワインに合わせて用意してくれるおつまみがこれまた贅沢。赤ワインの甘いスパイスのような風味はローストビーフやゴルゴンゾーラに、白ワインの生姜のような香りはホタテのバターソテーと楽しむのがおすすめだとか。おいしいワインとおつまみと共に小樽運河の景色を堪能する時間はまさに至福だ。

夏はビール、冬はこたつでニシンのブイヤベース、春はアフタヌーンティーセットを楽しむクルージングが開催されるので、季節ごとに訪れる贅沢をしてみてもいいだろう。

取材・文=原亜樹子 写真提供=星野リゾート 協力=OMO5小樽 by 星野リゾート