万馬券の記憶を握りしめ、ホットな噂が盛りだくさんの大井競馬場へ!
10年ほど前、友人に誘われて府中の東京競馬場に赴いた。
人生初の競馬体験。素人ながら、パドックを回る馬たちを眺める。その中に灰がかった毛色の馬が2頭いた。その2頭の「馬連」で500円分の馬券を購入したところ——なんと万馬券に!
感動しつつも、その後、競馬にハマるということはなく。しかし、ここに来て大井競馬場に関する興味深いニュースが耳に入って来た。いわく、世界で唯一の「左右両回りコース」の導入、京急線立会川駅の副駅名称が「大井競馬場」になるなど。しかも、グルメ方面もかなり充実しているというじゃないか。
見学がてらまた馬券を買ってみようか。10年前の奇跡よ、もう一度……。
大井競馬場にやってきた!
まずは腹ごしらえ。
狙いは海外の有力馬の誘致
まずは、コース追加と副駅名称について担当者に話を聞いてみよう。応対してくれたのは、広報課の渡邊明雄さんと関口博美さん。
「左右両回りコース」の導入について関口さんは言う。
「大井競馬場は右回りのコースでしたが、ダート競馬の本場であるアメリカでは主要なG1レースがすべて左回り。つまりは、将来的に海外の有力馬が大井のレースに参戦してくれることを目指した試みです。現在は毎開催金曜の最終レースのみ、左回りで行っていますが、徐々にレース数を増やして行きたいと思っています」
一方で、副駅名称の導入について渡邉さんは、こう話す。
「アクセスについては東京モノレールの大井競馬場前駅が知られていますが、じつは京急線の立会川駅からも徒歩12分という近さなんです。立会川を競馬の街としてさらに盛り上げるために副駅名称広告を購入しました」
納得したところで競馬場内を歩いてみると、飲食店の充実度に驚かされた。イルミネーションショーも人気だし、馬券を買わずともアミューズメントパークとして楽しめる。
しかし、今日は馬券を買うのだ。狙うは5レース。パドックを回る馬たちを眺める。
パドックでチェックしよう
うーん、わからん。灰がかった毛色の馬もいない。よし、名前のかっこよさで決めよう。
初心者はこんなカードで運試しも!?
いざ、馬券購入!
購入したのは「シャドウワルツ」、「サイレンスディガ」の馬連、1000円。この2頭が1着と2着に入れば、夢よ再びの万馬券や!
スタンドで天に祈ろう
いよいよ出走だ!
結果は……
結果は……7着と13着(ビリ)。カスりもしなかった。競馬の神様はそれほど甘くないようだ。
TCK(東京シティ競馬)のホットなトピックス まとめ!
1. 世界で唯一の左右両回りコースが実現!!
2021年11月、左回りコースを導入し、世界で唯一の左右両回りコースが実現。「最後の直線を左から右へ」という光景が加わった。今後、新しいビッグレースが生まれる可能性にも大注目だ!
特別区競馬組合広報課 関口さん曰く
「過去には国内外で導入例がありましたが、今は大井競馬場だけです!」
2. 京急線立会川駅の副駅名称が…「大井競馬場」に。
大井競馬場から徒歩12分の京急線立会川駅。2009年から駅メロディに「草競馬」を採用。2022年4月には「大井競馬場」という副駅名称が導入された。競馬の街というイメージの定着を狙う。
3. グッズも進化中♡
グッズショップも大充実!今回は御朱印ならぬ騎手印330円と御朱印帳2200円を購入。
次回の注目レース!
6月29日▶帝王賞
7月13日▶ジャパンダートダービー
『大井競馬場 <東京シティ競馬>』詳細
取材・文=石原たきび 撮影=オカダタカオ 一部写真提供=特別区競馬組合
『散歩の達人』2022年7月号より