日常を忘れて開放的な雰囲気に浸る山小屋みたいなカフェ
新宿御苑駅からすぐの『ARMWOOD COTTAGE』は、オフィスビルが並ぶ新宿通りにあり、木を基調にした山小屋風の建物。階段を昇り2階にある店の中に入ると、木の温かみを感じ、高い天井は開放感がある。さながら大人の秘密基地といったところだろうか。店長の中野進也さんに聞いた。
「新宿駅のにぎやかなところから離れていますが、逆にいうと大人の街なのでここまでわざわざ足を運んでくださる方もいます。店内にある、アンティークのイスやランプなどのインテリアやシチュエーションから非日常感を味わっていただけたらいいですね」。
店内にあるアンティークは、オーナーの趣味。ログハウスはどこか懐かしく、ヨーロッパの上品なテイストのインテリアがミックスされたシチュエーションは、まるで『トムソーヤの冒険』や『赤毛のアン』の世界を感じさせる。
近隣のベーカリーの食パンを使用した、カリッとじゅわ〜のフレンチトースト
オープンから16時までオーダーできるランチは、週替わりメニューもあり、がっつり肉料理からパスタ、数種類のタパスが乗ったサラダまで揃っているから、TPOに合わせてゆったり過ごせる。ディナーは、厳選したワインやウイスキーまで揃い、おいしい料理とともに楽しめる。
一方、オープンからクローズまで楽しめるカフェメニュー、自家製のケーキやデザートは、食後にも食べたくなる。なかでもオススメだというフレンチトーストをオーダーしてみた。
厚切りの食パンに牛乳、卵、バニラエッセンスとダークラムで香り付けしたものをたっぷり含ませ、外はカリッ、中はフワッと焼き上げている。ラムが鼻に抜けるちょっと大人のフレンチトーストだ。アツアツの上に乗ったバニラアイスと、甘さ控えめのメープルシロップが溶け合ってあまっ! ひやっ! うまっ! の三重奏を奏でる。完熟のバナナと一緒に食べるとトロピカ〜ンな風味になる。
このフレンチトーストは、2021年に中野さんが店長として着任したときに考案したそう。当時を振り返ってこう語る。
「僕自身もあまり来たことがない場所でしたし、近隣のお店とも何か繋がりたいと思って、この近辺をぶらりと散歩してたんです。その時に見つけたのが店からすぐ近くの『ラ・バケット』でした。ちょうど、フレンチトーストを新メニューとして出そうと思って、パンを探してたんですよ。“ミシェル”という食パンが、本当においしくてイメージしていたフレンチトーストにぴったりでした。それ以降、このパンでしかこのフレンチトーストは作れなくなりました(笑)」。
平日はランチや仕事終わりに。休日は新宿御苑のお散歩あとにワンちゃんとのんびり過ごせる
常連が多く、近隣のオフィスで働く人たちや頻繁に新宿御苑へ散歩をしにくる人たちにとっては“おなじみ”でも、新宿へぶらりと遊びにきた人がスッと入るにはチャレンジングかもしれない。
「そうですね、2階で店の様子も見えませんし、パッと見て“入ってみようかな”というのは、難しいかもしれないですね(笑)。実際に、わざわざ店を検索して来てくださる方がほとんどです。そういうこともあり、あえて隠れ家的な造りにしているので、新宿御苑近辺にお越しの際はこの店を見つけていただけたらうれしいですね(笑)」と、語る中野さん。
店のすぐ近くにある新宿御苑へワンちゃんと散歩に来る常連客も多く、実に来店する3割はワンちゃん同伴なのだとか。
「特に休日は散歩の後にいらっしゃるお客様は多いです。ドッグメニューはリーズナブルなので、ほとんどの方がご注文されますよ。味つけはせず、おいしい野菜やお肉を用意しています」。
落ち着いてのんびり過ごせるカフェ。店内にはフリーWi-Fiもあるので打ち合わせやリモートワークにもいい。冒険心をかきたてるシチュエーションだから、楽しげなアイデアが浮かんできそうだ。閉鎖的な日常にモヤモヤしているなら、こんなカフェでのんびりしてみるのもいいだろう。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢