A5ランクの黒毛和牛の雌牛に特化。肉のうまさには絶対の自信あり!
高層ビルが立ち並ぶビジネス街というイメージが強い西新宿は、昼はランチ難民が続出するが、青梅街道から一歩入れば住宅やマンションが並んでいる。
そんな住宅地にある『黒毛和牛焼肉 白か黒』は、『焼肉ジャンボ白金』や『表参道焼肉KINTAN』、『肉の田じま』などで修行してきた社長の兒玉宇則さんが、2017年に修行先で出会った塩加井穣さんと「おいしい焼肉は人を幸せにする」のコンセプトのもと立ち上げた焼肉店。
最高品質の証・A5ランクの黒毛和牛にこだわり、雌牛を中心に取り揃えているがあえて銘柄は限定せず、信頼できる肉問屋からそのときいいものを仕入れている。
もちろん、肉の品質には自信がある。焼肉店だけでなく、精肉店での勤務経験もある料理長の塩加井さんは、肉の目利きだからだ。彼が納得いかないものは容赦なく返品してしまうという。
キレイにサシが入った霜降り肉は、ひとくち食べれば目を見開くほどのおいしさがあり、それに目にも美しい。まさにご馳走である。
焼肉を心から愛している兒玉社長はこう語る。「霜降り肉は脂がしつこいという人もいますが、私はこれこそ極上だと思っています。タレも唯一無二、コクと甘味の強い奄美大島産の黒糖が特徴で、パンチのある霜降り肉にはこれが最高の相性なんです。また、雌牛にこだわっているのは、脂の融点が低く不飽和脂肪酸が多く含まれているためです。だから身体にいいんですよ」。
口の中で肉の繊維がほどける! コムタンスープをベースにした欧風の特製牛タンカレーライス
ランチでは、ピリ辛牛タン煮込み丼や牛すじ煮込み丼、ごま坦々冷麺などが1000円前後~と、コスパ抜群のメニューが日替わりで用意されている。もちろん、店自慢の黒毛和牛の焼肉ランチも人気だ。
さて、今日は何にしようか。ずらりと並ぶランチメニューの中で、ひときわ筆者の目を惹きつけたのは特製牛タンカレーライス1000円。
りんご、ハチミツ、タマネギがたっぷり入っているので甘みがあり、そんななかにしっかりスパイスを感じさせる欧風カレーだ。牛タンは驚くほど柔らかく、スプーンで簡単に切れる。口の中に入れると肉の繊維がほどけて、後味は実にミルキー。決して牛乳は入っていないのに、だ。
「カレーのベースには毎日継ぎ足して炊く濃厚なコムタンスープ(牛骨スープ)を使用していますので、かなり牛の旨味が濃縮されていると思います。ゴロンと入っている牛タンも本来は捨ててしまう固い部分なんですが、一度湯通して臭みを取り、コトコト煮込んで柔らかく仕上げています」と料理長の塩加井さん。
実は、おかずに付いている牛そぼろも牛タンを使用している。兒玉社長は、「おかずは日替わりなのでいつも牛そぼろではないのですが、とても人気です。これも牛タンを丁寧に下処理して作っています。もやしのナムルやスープ、サラダのドレッシングまで自家製なのも自慢です」と語る。
目の前でファイヤー! とろけるうまさのサーロインをほおばる極上の幸せ
『白か黒』の名物・幸せのサーロインは、ランチ時もオーダーが可能。極薄のサーロインをタレに何度もつけながらさっと炙る。ブランド卵“マキシマムこいたまご”の濃厚な卵黄とともに食べる極上の焼肉だ。この日は鹿児島の薩摩牛を使用。自分で焼くほかの焼肉メニューとは違ってスタッフにより調理され、目の前で燃え盛るライブ感も見もの!
口のなかいっぱいに牛の旨味と脂が広がって、そのおいしさは天にも昇る気分にさせてくれる。ヘルシー志向もあり、最近では赤身肉の支持者も増えたように思うが、やっぱりお祝い事や景気をつけたいときにはガツンとサシが入った霜降り肉を食べるべきだ。
家族や友人、同僚などグループで、プライベート感を楽しめる個室も完備
西新宿といえば都内屈指のビジネス街だが、1本路地に入ればどこの街にでもあるような住宅が並んでいる。ゆえに意外とファミリーやお年寄りも多く、この店にも近所に住む常連がいっぱいだ。
「近所に住むおばあちゃまが、うちのミスジが大好きなんですよ。それが1人で3~4人前召し上がるんです。だからすごく元気なんですよね。やっぱりおいしいお肉は元気が出るって証拠です!」と、兒玉社長がうれしそうに話す。
どうにもテンションが上がらない日が続いたら、最高品質の黒毛和牛でガツンと気合いを入れてみるのもいいかもしれない。ここ最近、ため息ばかりついているなと感じたら、今日のランチは『黒毛和牛焼肉 白か黒』でおいしいお肉、いっとく?
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢