住所:東京都江戸川区東葛西六丁目3番1号東京メトロ東西線葛西駅高架下/営業時間:10:00~17:00(最終入館16:30)/定休日:月(月が祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄東西線葛西駅から徒歩すぐ

地下鉄東西線葛西駅から徒歩すぐ!

東京メトロ東西線の高架下にある『地下鉄博物館』
東京メトロ東西線の高架下にある『地下鉄博物館』

『地下鉄博物館』へは東京メトロ東西線で!葛西駅から徒歩すぐです。この区間の東西線は地下鉄路線ではありつつも、地上の高架上を走る「明かり」区間。その高架下のスペースに『地下鉄博物館』はあります。東西線は快速列車もありますが、葛西駅は通過してしまうので各駅停車を利用しましょう!歩道橋を経由すれば駅からほぼ傘を差すことなく館内に行けますし、各展示施設は全て屋内なので雨でも安心です!

館内には小さな子ども連れで行っても安心な施設が揃っています。館内はベビーカーでまわることもできるほか、ベビーカー置き場やレンタルベビーカーも完備!(レンタルは先着順)多目的トイレのほか、男性トイレにもベビーベッドや子ども用トイレがあり、おむつを捨てられるゴミ箱までありますよ!

男女トイレともにベビーベッドと子ども向けのトイレ完備でおむつ向けゴミ箱もある。
男女トイレともにベビーベッドと子ども向けのトイレ完備でおむつ向けゴミ箱もある。
授乳室と多目的トイレも清潔で広々。
授乳室と多目的トイレも清潔で広々。

今回、館内をご案内してくださったのは公益財団法人メトロ文化財団の玉川信子さん。館内はもちろん、地下鉄の歴史やそれぞれの時代背景など、さまざまな知識をお持ちの地下鉄博物館のエキスパートです!そんな玉川さんと早速館内へ!

館内に設置されたQRコードを読み込むと各施設の案内を読むことができる。
館内に設置されたQRコードを読み込むと各施設の案内を読むことができる。

新旧改札を通って館内へ

鉄道系ミュージアムといえば、やっぱりこの「入り口」ですよね!こちらの自動改札機は実際の駅で使用されていた「GX7」という実機。こちらに紙の入場券を通して館内に入場します。最近ではICカードの普及で紙のきっぷを「自動改札機に投入する」する行為そのものも珍しく、この時点で既に「ワクワクされているお子さまもいらっしゃいます」と玉川さん。なるほど……時代は変わりますね!

『地下鉄博物館』のエントランス。館内コインロッカーもある。
『地下鉄博物館』のエントランス。館内コインロッカーもある。

自動改札機を抜けるといきなりもうひとつ改札が!

こちらは「集改札ボックス」と呼ばれるもので、自動改札機が設置される前に駅にあった有人タイプの改札。35歳のムラカミはギリギリ有人改札の頃の光景を覚えている世代なのですが、あのリズミカルに鋏を「カチカチ」と鳴らしながらスピーディーにきっぷをさばいていく姿は、おさなゴコロにも感動していたのをよく覚えています。

集改札ボックス。
集改札ボックス。

日本の地下鉄史に輝く名車とご対面

日本の地下鉄史を物語る「丸ノ内線301号車」(左)と重文指定の「地下鉄車両1001号車」(右)。
日本の地下鉄史を物語る「丸ノ内線301号車」(左)と重文指定の「地下鉄車両1001号車」(右)。

ふたつの改札を抜けると早速2両の保存車両が登場!かつて丸ノ内線を走っていた、「丸ノ内線301号車」と銀座線を走っていた「地下鉄車両1001号車」です!丸ノ内線301号車の車内は開放されており、自由に見学することができます。

丸ノ内線車両の伝統とも言える美しき「サインカーブ」。
丸ノ内線車両の伝統とも言える美しき「サインカーブ」。

丸ノ内線301号車は丸ノ内線開業の1954年に登場した車両で、路面電車のように1両の両端に運転室があるのが特徴。また、現在の丸ノ内線同様にラインカラーである赤を基調としているほか、車体に「サインカーブ」と呼ばれる、連続したカーブが描かれています。このカーブは現在丸ノ内線で活躍中の2000系にも採用されていますが、この車両がズバリ元祖!

銀座線と丸ノ内線特有の装備である、台車に取り付けられた集電機器も間近で観察できる!
銀座線と丸ノ内線特有の装備である、台車に取り付けられた集電機器も間近で観察できる!
「丸ノ内線301号車」は車内の見学も常時OK!
「丸ノ内線301号車」は車内の見学も常時OK!

「丸ノ内線301号車」と並んで展示されている「地下鉄車両1001号車」は、東京メトロの前身とも言える東京地下鉄道が1927年、東洋初の地下鉄として営業を開始した上野〜浅草間の2.2kmを走行した大変貴重な車両。その歴史的背景から2017年には鉄道用電気車両として初めて国の重要文化財指定を受けました。

電車初の重文指定を受けた「地下鉄車両1001号車」。車両も貴重だが、日本初のATS(自動列車停止装置)である「打子式ATS」もあわせて展示されている。
電車初の重文指定を受けた「地下鉄車両1001号車」。車両も貴重だが、日本初のATS(自動列車停止装置)である「打子式ATS」もあわせて展示されている。

現在車内に入ることはできませんが、窓からその車内を覗き込むと、なんともオシャレ!当時としては珍しかった間接照明を採用し、とてもモダンな印象です。銀座線と丸ノ内線は屋根上に取り付けられたパンタグラフから電気を取り入れるのではなく、レールの横に設置された3本目のレールから電気を取り入れる第三軌条方式を採用していますが、この方式の場合、かつてはポイントを通過する際に、一瞬離線するため、車内の照明が暗くなるといった特徴がありました。そのため、車内には真っ暗になるのを防ぐために予備灯が取り付けられているのですが、この予備灯のデザインもモダンなんですよ!当時の人たちにとって「地下鉄」がどんな存在だったのか、この車両からもしっかりと感じることができます。

「地下鉄車両1001号車」の車内を外から。モダンなデザインの予備灯につり革が不必要に揺れないように配慮した「リコ式吊手」、間接照明などが観察できる。
「地下鉄車両1001号車」の車内を外から。モダンなデザインの予備灯につり革が不必要に揺れないように配慮した「リコ式吊手」、間接照明などが観察できる。
2両の横には「地下鉄の父」早川徳次像。
2両の横には「地下鉄の父」早川徳次像。

そんな「地下鉄車両1001号車」、1968年の営団(帝都高速度交通営団)地下鉄で営業列車からの引退後、展示のために神田にあった交通博物館に寄贈された経緯があります。1986年の『地下鉄博物館』での展示がスタートして以降も2016年にメトロ文化財団へ無償譲渡されるまで、実は東日本旅客鉄道(JR東日本)から長期貸与というかたちが取られていました。ちょっと意外なエピソードです!

地下鉄開業時の雰囲気を感じる展示の数々

そんな「地下鉄車両1001号車」が展示されている周囲には当時地下鉄が世の中にとってどんな存在だったのかを知ることができる展示がされています。例えば……。

こちらが「ターンスタイル式改札」。実際にお金を入れると通過することができる!
こちらが「ターンスタイル式改札」。実際にお金を入れると通過することができる!

当時の最新技術、「ターンスタイル式改札」です! 地下鉄といえばやはり「モダン」な乗り物。随所に最新技術が投入され、この改札機もそのひとつ。10銭均一運賃だったので、地下鉄の利用客は改札横の機械に硬貨を投入し、回転腕木を押して入場していました。展示されているのはレプリカですが、実際に硬貨を投入して体験することができます。(もちろん硬貨は戻ってくるのでご安心を!)

ほかにも「スクラッチタイル」が美しい1961年当時の上野駅を再現したホームや……。

マンホールなども展示。鉄道以外の背景も知ることができます。

「地下鉄をつくる」・「地下鉄をまもる」

東京の地下を覗き見できる「地下鉄をつくる」コーナー。
東京の地下を覗き見できる「地下鉄をつくる」コーナー。

奥に進むと今度は「地下鉄をつくる」・「地下鉄をまもる」のコーナーです。「実はここに館内でもちょっと変わった展示物があるんですよ!」と玉川さん。まさに「地下鉄をつくる」ときに発掘された、ナウマン象の骨が展示されているんです!! ちなみに発掘されたのは日比谷線の三ノ輪駅付近。僕の住んでいる近所ということで2度びっくり!

鉄道系ミュージアムになんと骨が!?地下鉄ならではのエピソード?
鉄道系ミュージアムになんと骨が!?地下鉄ならではのエピソード?
副都心線トンネル掘削に使用されたシールドマシンのカッターディスク。本物だ!!
副都心線トンネル掘削に使用されたシールドマシンのカッターディスク。本物だ!!

「地下鉄をまもる」コーナーでは実物大の単線シールドトンネルが設置されています。トンネル内に取り付けられた各設備はもちろん、なによりレール面に立って体感するトンネルの大きさは圧巻です!

最近ではATC化が進み、見られなくなっちゃいましたが細長い特徴的な信号機、好きでした!
最近ではATC化が進み、見られなくなっちゃいましたが細長い特徴的な信号機、好きでした!
単線でもこんな大きさ!
単線でもこんな大きさ!

地下鉄の仕組みや旅客サービスも学べる!

続いては「旅客サービス」、「地下鉄車両のしくみ」、「日本と世界の地下鉄」コーナーです。

「東京高速鉄道129号車」ではドア開閉体験が可能!
「東京高速鉄道129号車」ではドア開閉体験が可能!
踏み台もあるのでちびっこでも大丈夫です!
踏み台もあるのでちびっこでも大丈夫です!

「地下鉄車両のしくみ」に展示されている、「東京高速鉄道129号車」では実際にドアスイッチを操作して開閉させることができます。このドアを動かしている機構もばっちり学べますよ!

本物の01系運転台に入れるカットモデル。
本物の01系運転台に入れるカットモデル。
記念撮影コーナーとしても人気。
記念撮影コーナーとしても人気。

もうひとつ注目したいのが、銀座線01系車両のカットモデル。本物の車両、本物の運転台がそのまま展示されており、もちろん運転席に入ることもできます!

実際に上下させることができるパンタグラフ。子どもたちに大人気で、「おそらく、日本でもトップクラスの上下回数を誇るパンタグラフかも……」と玉川さん談。
実際に上下させることができるパンタグラフ。子どもたちに大人気で、「おそらく、日本でもトップクラスの上下回数を誇るパンタグラフかも……」と玉川さん談。

運転シミュレーターやジオラマもあるぞ!

『地下鉄博物館』の一番奥は「地下鉄プレイランド」! こちらには4台の「電車運転シミュレーター」に鉄道模型ジオラマの「メトロパノラマ」、クイズコーナー「地下鉄Q &A」があります。注目したいのはやはり「電車運転シミュレーター」! 6000系千代田線のシミュレーターは本物と同じ電車のカットモデル&運転台で運転体験ができます。しかも! このシミュレーター、なんと動きます……。

最強にリアル体験ができる6000系千代田線シミュレーター。
最強にリアル体験ができる6000系千代田線シミュレーター。
6000系って客室から運転台が見られない車両だったので、運転台を観察できるだけでも胸が熱くなるんですよね……。
6000系って客室から運転台が見られない車両だったので、運転台を観察できるだけでも胸が熱くなるんですよね……。

映像に合わせて実際に列車の揺れまで再現したシミュレーターで、その挙動はめっちゃリアル!

千代田線には明かり区間も存在。おお、懐かしきJR203系の姿!
千代田線には明かり区間も存在。おお、懐かしきJR203系の姿!

6000系のシミュレーターは小学生以上からですが、この6000系のほか、運転台のみ再現されている01系銀座線、7000系有楽町線(週替わりで半蔵門線)、5000系東西線(週替わりで日比谷線)がラインナップされており、こちらは誰でも体験OK!

3種類のシミュレーター。6000系を含め、待っている人がいなければそのまま連続運転可能!
3種類のシミュレーター。6000系を含め、待っている人がいなければそのまま連続運転可能!

でもそもそも、「ずっとトンネルの地下鉄シミュレーターってどうなの?」と思ったそこのあなた! 普段なかなか見られないトンネルの中をじっくりと観察できるのも楽しいですが、なにより、地上を走る鉄道より圧倒的に速度調整がむずかしいんですよ、地下鉄って!

これは今回、改めて感じました。

地下鉄はとにかく勾配がキツい!!
地下鉄はとにかく勾配がキツい!!
上り坂ではみるみる速度が落ち、下り坂ではどんどん加速しちゃう。
上り坂ではみるみる速度が落ち、下り坂ではどんどん加速しちゃう。

東京の地下には、いろいろな構造物やライフラインが通っているため、地下鉄のトンネルはそれらをかわしながら建設されています。そのため、急カーブと急勾配がとても多く、勾配に関していえば、35‰(パーミル)で上った後にすぐに35‰で下る、しかもそれが連続するなんてシチュエーションも至る所に!

そして、制限速度の異なる急カーブがその間に迫ってくるわけですよ。その都度、加減速するのも手ですが、そうすると今度は電気をたくさん使っちゃって鉄道の利点である経済的な運転ではなくなってしまいます。先を予測して勾配をうまく使いこなすのが地下鉄のドライビングテクニックだということを教えていただきました!

地下鉄ならではの運転テクをたくさん教えてくれた岡さんと小野さん。おふたりとも主に東西線の運転を担当されていました。「駅間が短いのも特徴なので、駅停車時のブレーキにもコツがあります」
地下鉄ならではの運転テクをたくさん教えてくれた岡さんと小野さん。おふたりとも主に東西線の運転を担当されていました。「駅間が短いのも特徴なので、駅停車時のブレーキにもコツがあります」

シミュレーター横のメトロパノラマでは、東京の地下を再現したちょっとユニークなスタイル。現在では平日のみ自動運転で1日4回運行されています。

地下鉄なので地下を魅せる、特殊なジオラマ!
地下鉄なので地下を魅せる、特殊なジオラマ!
鉄道より上に東京の街が作りこまれている。
鉄道より上に東京の街が作りこまれている。

『地下鉄博物館』を楽しむポイントは

案内してくださったメトロ文化財団の玉川信子さん。貴重なお話をたくさん教えていただきました!
案内してくださったメトロ文化財団の玉川信子さん。貴重なお話をたくさん教えていただきました!

最後にご案内いただいた玉川さんに『地下鉄博物館』の特徴を改めて伺ってみました。

「貴重な保存車両もありますが、それと当時に地下鉄の歴史や時代背景、構造、建設や保守、運転から世界の地下鉄までコンパクトにまとまっており、地下鉄をさまざまな角度からご覧いただけるのが特徴です。当館のシミュレーターは4種類全てが無料です。好きなだけ、地下鉄を運転していただけます!」

ミュージアムショップ。
ミュージアムショップ。
オリジナルグッズが揃う。
オリジナルグッズが揃う。

国内で唯一の地下鉄に特化した『地下鉄博物館』。訪れればきっとまだあなたが知らない地下鉄の魅力にきっと気づきますよー!!

館内を学びながらめぐることができるスタンプラリーも実施中!スタンプ帳はミュージアムショップで購入できる。
館内を学びながらめぐることができるスタンプラリーも実施中!スタンプ帳はミュージアムショップで購入できる。

取材・撮影・文=村上悠太(ユータアニキ)

JR、新幹線、私鉄に、「大宮総合車両センター」まである、まさに「鉄道のまち」の大宮。2022年は新橋~横浜間に日本初の鉄道が開通して150周年!ということで、今回の「ユータアニキの鉄道散歩」はさいたま市大宮にある国内最大級の鉄道ミュージアム、『てっぱく』こと『鉄道博物館』にお邪魔してきました!
日本最大級の鉄道系ミュージアムの『鉄道博物館(通称:てっぱく)』。博物館というと、どちらかと言えば「見て学ぶ」系が多いイメージがありますが、『てっぱく』はそんなことありません。超充実の「体験プログラム」を徹底的に、マニアックに体験してきました!
今回からシリーズでお届けします、【ユータアニキの鉄道散歩】! 関東近郊の鉄道系ミュージアムなどの鉄道スポットを周って、その魅力と楽しみ方を鉄道愛全開で濃~くお伝えしていきたいと思います!シリーズ化前の小田急電鉄『ロマンスカーミュージアム』に続きまして、記念すべき第1回にお邪魔したのは京王電鉄の『京王れーるランド』! じつはかねてから行きたいと思いつつ、「ちびっこ向けコンテンツも多そうだし、息子が生まれたら一緒に行きたいから、とっておくか……」と、まだ行ったことがなかった場所でした。が、息子と行く前に結局、父1人で行ってしまう結果に。でも、ほら、下見ということで(笑) 許せ!息子よ!!
みなさん、こんにちは。鉄道写真家の村上悠太です! いよいよ2021年4月19日にグランドオープンを迎える『ロマンスカーミュージアム』。小田急電鉄の「顔」である特急ロマンスカー。その歴代の名車たちに出会えるということで、開館前から話題になっているこちらの施設に一足早く行ってきました。はっきりいってこのミュージアム、スゴイです……。