再開発が進む秋葉原駅~御徒町駅高架下のおしゃれカフェ
秋葉原駅~御徒町駅の高架下には、秋葉原駅に近いほうから、2013年に開業した“日本の食”がテーマの「CHABARA AKI-OKA MARCHE」、2019年に開業したこだわりの専門ショップが集まりホテルも併設する「SEEKBASE」、2010年に開業した“ものづくり”がテーマの「2k540 AKI-OKA ARTISAN」と、近年の再開発で誕生した商業施設が並ぶ。
一方で、御徒町駅からすぐのエリアはまだ古くからの商店が並んでおり、昔ながらの風景が見られる。御徒町駅南口を出て、山手線と京浜東北線が走る線路沿いを秋葉原駅方面へ歩いてみる。
御徒町駅からほんの1分ほど進むと、まるでニューヨークの街角に来たかのようなカフェが現れる。2018年のクリスマスにオープンした卵料理専門店『egg baby café』だ。隣は系列店のお肉料理屋さん『TOKYO BUTCHERS with OKACHI Beer Lab』で、統一感のあるおしゃれな2店舗が並ぶ。
洗練された外観ながら、クラシカルな木製の窓枠や扉の造りが、手前に並ぶ古くからのお店ともいい塩梅になじんでいて、この先の再開発エリアとの橋渡しになっているように感じる。そういったことも計算されてデザインされているのだろう。
大きなガラス扉から店内に入る。まずカウンターで注文をして支払いを済ませる前会計方式。カウンターの中は広いオープンキッチンになっており、手際よく調理するスタッフの姿が見られる。
ボリューミーなサンドイッチにはたっぷり4個分の卵
『egg baby café』のランチは、サンドイッチ(エッグベイビーサンド with フレンチフライ990円)、エッグトースト(エッグトースト with フレンチフライ880円)、カルボナーラ(エッグベイビーカルボナーラ with 自家製パン1100円)、サラダ(たまごとファーマー野菜のパワーサラダ with 自家製パン1100円)の4種類。
今日は一番人気メニューのエッグベイビーサンド with フレンチフライをいただくことにしよう。
半熟卵2個にたっぷりのタルタルが入ったボリューム満点のサンドイッチ。『egg baby café』のメニューはすべてが手づくりで、サンドイッチのパンも自家製だ。表面が軽くトーストされていて香ばしく、パン自体に甘みがあって、耳までおいしい。
卵は半熟具合が絶妙で、流れ出ない程度にトロットロ。さらに、ゆで卵2個をざっくり刻み、炒めたベーコンとピクルスを混ぜたタルタルがサンドされている。ということは、一人前でなんと卵4個が使われていることに!
これに山盛りのフレンチフライが付いているのだから、これはお腹がいっぱいになるはず。男性でも大満足のボリュームだ。
付け合わせのグリーンサラダは、サニーレタス、グリーンカール、ニンジン、レーズンに自家製の玉ネギフレンチドレッシンング。タマゴサンドのボリュームに圧倒される中で、箸休めにちょうどいい。こういうのホント大事。
『egg baby café』はデザートも評判が高い。SNSで話題沸騰のプリンをはじめ、フレンチトースト、ティラミス、パイ。そして2021年にこのラインナップに加わったのが目玉焼きチーズケーキ。
レアチーズケーキの上に卵黄ソースがのり、スプーンで突っつくと卵黄ソースがトロリと流れ出す。これにカラメルソースをかけると、見た目が完全に醤油をかけた玉子焼きに(笑)。SNSで思わずシェアしたくなる!
世界中で愛される卵料理を多くの人に食べてもらいたい
卵は世界中のどこででも食べられている食材。東京に来た外国人にも卵料理ならわかりやすく、ほっとできるんじゃないかという思いで、卵を専門にしたカフェをオープンした。
新鮮な卵がとれる場所は時期によって変わるので、その時その時で日本全国から取り寄せているという。スタッフの小野光平さんが「いま使っているのは岩手県産です」と教えてくれた。
上野は動物園や博物館などデートスポットとしてもにぎわっているが、正直、御徒町にはあまり若者が訪れるイメージはなかった。でも実際、ここ『egg baby café』には、週末ともなると、おしゃれ女子たちが行列をつくっている。秋葉原から御徒町方面に向かってくるように進められている再開発によって、人の流れも確実に変わってきていることを感じた。
これから御徒町も新しいお店がどんどんできていくのだろう。昔ながらの高架下の風景が見られなくなるのは寂しいな、と思いつつ、街がどんどん進化していくのが楽しみでもある。
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)