温泉、ジェット、シルクなど多彩な浴槽で湯巡りを
2021年2月11日オープン。南柏駅から徒歩10分の国道6号沿いにあり、電車・マイカーどちらでも行きやすい好立地。周辺には郊外型の大型店が連なるが、駐車場の奥に見える建物は和の趣があり、この一画には国道の喧騒を忘れさせる雰囲気がある。
2階にある浴室は男女対称のほぼ同じ造り。自家源泉の温泉は茶褐色の含よう素-ナトリウム-塩化物泉。塩分を多く含み、「熱の湯」と呼ばれるほど体が温まる。全9種類ある風呂のうち、内湯で1つ、露天で3つの風呂に温泉が使われている。
内湯のメイン浴槽となる「ぬくもりの湯」は、源泉をろ過循環式で使用。スタッフから「源泉かけ流しの露天風呂に行く前の湯慣らしに最適です」と教えられた。源泉は成分が強いので少しマイルドになった温泉で、まずは体を慣らそうということだ。
このほか、ジェット座風呂2漕、ボディーマッサージ2漕、ハイパージェット1漕、電気風呂2漕を備える「爽楽の湯」と、超微細な泡をたっぷり含む「絹の湯」があり、一画には「寝ころび湯」が併設されている。
浴室中央部には地下水を冷却水循環装置で冷やした冷水風呂がある。5～6人が入れる広さがあり、深いのでサウナーの評価も高い。内湯だけでも多種多彩な風呂があり、湯巡りが楽しめる。
サウナーも大満足のロウリュとよもぎ泥塩の2種類のサウナ
内湯内に併設された2種類のサウナも特徴がある。1つは熱風オートロウリュサウナ。定刻になると熱したサウナストーンに自動で水が注がれ、熱風と蒸気がサウナ室に充満する。熱風はかなりの勢いがあるのでたちまち汗が噴き出す。この熱さと蒸気はクセになる。
もう1つはスチームサウナのよもぎ泥塩サウナ。ヨモギはハーブの女王といわれるほど効果・効能があるとされ、抗菌作用・デトックス効果が高く、アトピー性皮膚炎やダイエットにも効果があるといわれている。よもぎスチームが充満するサウナ室では泥パックと塩が使い放題なので、ヨモギとの相乗効果で肌はスベスベだ。
源泉かけ流しの露天風呂とファイテン炭酸泉で至福の湯浴みを
露天エリアでは源泉を楽しもう。源泉100％かけ流しの「あつ湯」と、あつ湯からあふれた湯に新しい湯を加えた「くつろぎ湯」の2つの浴槽が並んでいる。あつ湯は43℃なのですぐに体が火照り、額から汗が流れる。くつろぎ湯は41℃の入浴しやすい温度なので、ゆっくりと湯に浸かり温泉を堪能できる。
横になって入浴できる「うたた寝湯」にも源泉が使われている。背中を伝う温泉が気持ちよく、じっとしていると本当にうとうとと寝てしまいそう。
ユニークなのが「ファイテン炭酸泉」。健康機器メーカー・ファイテン社とコラボした風呂で、各種金属をナノレベルで水中に分散したメタックスのパワーをプラスしているのだという。目視しただけではよくわからないが、科学の力を加えた風呂ということなのだろう。体に良さそうなので、ぜひ入浴体験を。
タイプの異なる3つ岩盤浴と音楽とともに楽しむミュージックロウリュ
『南柏天然温泉 すみれ』では岩盤浴にも注目したい。「岩盤浴La Viola」には温度や趣向の異なる3つの部屋があり、時間制限なく利用できる。岩盤浴着・敷きマット付き620円。
室温60℃の「蒼鈦（そうたん）の間」はファイテン社のメタックスを施した十和田石を床石に使用。室温50℃の「石癒（いやし）の間」はトルマリン、緑龍、甲翠、鳳緑、赤御影石、麦飯石、ブラックゲルマニウム、薬黄石といった8種の薬石を使った全11床の岩盤浴室。室温40℃の「瞑想（めいそう）の間」はマイルドな温かさでリラックスでき、寝転んだり、座ったり、ストレッチなど自由なスタイルで利用できる。
これら3つの岩盤浴に加え、室温70℃の「熱響（ねっきょう）の間」もある。BGMが流れる室内では、定時になるとオートロウリュが行われ、音楽に合わせて室内の照明が切り替わり、蒸気と熱風が発生する。音楽を楽しみながら発汗できる新しいタイプのサウナだ。岩盤浴やロウリュで火照った体は「氷碧（ひょうへき）の間」でクールダウンしよう。
ひと休みするなら「岩盤LOUNGE（ラウンジ）」へ。リクライニングチェアや無料のマッサージチェアを備え、「温活喫茶」と名付けられたコーナーにはコーヒーやドリンクのサービスがあり、マンガコーナーも併設する。
ゆったり広場の休憩スタイルは自由自在。マンガコーナーも人気
湯上がりはテレビ付きリクライニングチェアやハンモック、ソファなど、さまざまな休憩スタイルを選べる「ゆったり広場」へ。マンガコーナーやマッサージチェアコーナー（有料）なども併設するのでのんびりくつろげる。首都圏に180店舗以上を展開する「Re.Ra.Ku」のボディケアやエステ、アカスリなどの施術も受ければ、極上のリラクゼーションとなるだろう。
「飯炊処 ひかり」は、新潟県妙高市産のこしひかりを炊いたご飯と旬の食材を生かしたおかずを中心に、麺類、丼など常時100種類以上の料理が用意されている。スーパー銭湯でも米に力を入れた食事処というのは珍らしい。
『南柏天然温泉 すみれ』で改めて感じたことは、“スーパー銭湯は進化している”ということ。数々の新しい試みが支持され、週末や休日は大にぎわいだ。とくにサウナーからの評価が高いので、一度訪ねてみる価値大といえる。
取材・文＝塙 広明 写真＝南柏天然温泉 すみれ
