鳥取県と岡山県の2県をまたぐ『とっとり・おかやま新橋館』

『とっとり・おかやま新橋館』は、以前ご紹介した『せとうち旬彩館』と同じく2県が手を組んで生まれたアンテナショップ。お隣同士の鳥取県と岡山県が運営しているのだ。グリーンの札がかかっている売場が鳥取県、ピンクの札がかかっている売場が岡山県。特産品を買えるほか、ソフトクリームやスムージーを買って、イートインコーナーで食べることもできるのだ。

爽やかな細田さんにはさぞ果物が似合うだろうと「柿もってください!」とお願いした。
爽やかな細田さんにはさぞ果物が似合うだろうと「柿もってください!」とお願いした。

アンテナショップ事務局の細田さんが、どでかい柿を持ってお出迎え。「輝太郎」というブランド柿で、鳥取県出身の水木先生の名作をもじっているようだ(今シーズンは販売終了)。お持ちいただいた柿のサイズは3Lだったのだが、5Lまで取り扱いがあるらしい。柿ってそんなに大きくなるんですね。

細田さん:鳥取県は山陰若狭沖冷水や対馬暖流などの海流、大山の火山岩からなる天然礁などもあり、プランクトンや小魚の餌が豊富で、さまざまな魚介が水揚げされます。冷凍で日持ちもするので年中美味しい魚が手に入りますよ。

細田さん:海産物の中でも、生干しのホタルイカはお酒好きの方にも人気の商品です。軽くあぶったらイイつまみになります。真ん中の肝の部分が少しレアになっていて、日本酒にぴったりですよ。

デカい。水に戻す前でこのサイズ感のワカメは、見たことないな。ちなみに春の商品なので品切れの可能性もあるとのこと。
デカい。水に戻す前でこのサイズ感のワカメは、見たことないな。ちなみに春の商品なので品切れの可能性もあるとのこと。

細田さん:わかめを広げて乾燥させた板わかめは、鳥取県ならではの特産品です。このままパリパリ食べたり、崩してご飯と混ぜても美味しいです。これも炙るといいつまみになります。

圧巻のらっきょう。
圧巻のらっきょう。

細田さん:鳥取県は全国でトップクラスのらっきょうの産地です。こんなにバリエーションがあります。

危ない。爽やかにいいつまみを紹介してくれるから、危うく好きになってしまうところだった。

細田さん:つまみにはなりませんが、王道は白バラ。白バラ牛乳は学校の給食でも出ていました。最近は、白バラコーヒーの「甘さひかえめ」も登場しています。

心の中で、それに焼酎を入れると意外といけるんやで。と思いながらお話を聞く。

緊急事態宣言が発令されて、多くの仕事が中止や延期になった。大好きな居酒屋へも行けず気分も落ち込む中、暇を持て余して生まれたのが「全てをハイにする」遊びだ。ルールは極めてシンプルで、焼酎を入れたら美味そうな食べもの、飲みものを探して”〇〇ハイ”に仕立てる。たったこれだけのことだが、飲んべえなら何に焼酎を入れるかを考えるだけで、落ち込んだ気分もハイになってくるはずだ。おうちで、スーパーで、コンビニで、〇〇ハイのことばかりを考えて過ごした。そんな私の自由研究を発表する。

その他、お米やカニなどおいしい産品についてたっぷりご紹介いただいて、買い込んだのがこちら。ついついお酒を基準に選んでしまうので、今回もつまみ多めのラインナップだ。

私の鳥取県1000円セット

そして、今回の1000円セットはこんな感じ!

づけほたるいか 346
とうふ竹輪食べ切り二寸半 119円
千代むすび 715円

しめて、1180円!

盛り付けるとこんな感じ!
盛り付けるとこんな感じ!

とうふ竹輪は鳥取県では定番の練りもので、そのままはもちろん、おでんに入れるなど食卓にも根付いているローカルフード。魚が貴重だった江戸時代に生まれ、魚のすり身3割に対して豆腐の割合が7割と豆腐たっぷり!口あたり滑らかで淡い豆腐の風味が、華やかな日本酒、千代むすびとすごくよく合うんだな。

千代むすびは、鳥取県オリジナルの酒米である強力米を使用した銘酒。今回購入したのは、ボトル缶入りで盃(さかずき)型のカップつき。ピクニックや新幹線にも持っていきたくなるニクい仕掛けだ。

とうふ竹輪と日本酒の往復のあいだにつまむのが、づけほたるいか。人気の干しホタルイカと迷って、沖漬けをチョイスした。ちゅるんプリッとした食感で、吸い込むように食べてしまう。酒が進むのは言わずもがなだ。聞いた話によると、卵かけご飯にのせてもイケるらしい。

1000円オーバーはみだし購入品

1000円オーバーしても絶対買うぞ!と早々に心に決めたのがしじみだ。袋ごしでもわかる。粒がでかいのだ。

東郷湖でとれるしじみは黒いダイヤともいわれ、いつも通っているスーパーで見るしじみの2倍以上大粒。お値段も立派なのだが、冷凍で砂抜きいらずで便利。

サッと沸かして味噌を溶いてネギをのせるだけで、滋味深~いしじみ汁が完成した。これのためにお酒を飲んでいたのかと錯覚するほど、ありがたすぎる味わいだ。

「らっきょうも買いたいな」と思っていたら、二十世紀梨とらっきょうの名産品がタッグを組んだタルタルソースを発見。ついカゴに入れてしまった。フルーティな甘みとらっきょうのシャキシャキ感がバランス良く、わさびがいいアクセントになっている。野菜のディップ、揚げ物のソースにもぴったりだった。

とうふ竹輪としじみと白バラがある鳥取県

説明不要の白バラも!
説明不要の白バラも!

もうお分かりかと思うが、鳥取県は砂丘だけじゃない。実は取材からこの記事を書くまでの間にも、何度かアンテナショップに足を運んだ。とうふ竹輪はうどんに入れても、しじみは紹興酒蒸しにしても美味しかったし、白バラコーヒーは激甘で何度飲んでも、また飲みたくなるのだった。もし私がアンケートに参加できる機会があれば、砂丘以外の名物をたくさん書いてやろうと思う。

住所:東京都港区新橋1-11-7 新橋センタープレイス1・2階/営業時間:10:00-21:00(1F ショップ)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄新橋駅から徒歩約1分

取材・文・撮影=福井晶