【教えてくれたのは】 王韋利(ワン ウェイリー)さん
台北出身。2009年に来日し、不動産業の傍ら中国語教師を務める。台湾屋台や家庭料理の美味を伝えるべく料理に精進。
三杯鶏(サンベイジィ)
バジル香る「ザ・ご飯の友」
台湾のド定番料理。バジルの香りが味しみ鶏肉を引き立てて、ご飯が進む進む。本来は九層塔(台湾バジル)や台湾の醤油「金蘭醤油膏」を使うが、普通の材料でも十分それっぽい。ホクホクになったニンニクも美味。
用意するもの(2人分)
● ニンニク … 1~2個
● 鶏モモ肉 … 300~400g
● ショウガ … 大ひとかけ
● ゴマ油、砂糖 … 各大さじ1
● 台湾米酒(料理酒で代用も可)、しょうゆ … 各大さじ2
● バジル … ひとつまみ
手順
① ニンニクの皮をむく。(1かけではなく1個丸ごと使う)。鶏モモ肉はひと口大に切る。ショウガは皮ごと3㎜の厚さに切る。
② フライパンにゴマ油を入れ熱し、ショウガを中火でこんがり色づくまで炒める。
③ ②にニンニク、砂糖を加えてさらに炒め、ニンニクが色づいたら火を弱めて鶏肉を加え、中火で焼き色がつくまで炒める。
④ 台湾米酒、しょうゆをそれぞれ一回し入れ、弱火で10分程度煮込む。
⑤ 土鍋に移し、バジルをちぎって入れたら蓋をして約3分蒸らし完成。土鍋がない場合はフライパンのまま仕上げてもよい。
鳳梨鶏湯(フォンリージィタン)
台湾風味噌汁とでも呼びたいっ!
蔭鳳梨(インフォンリー)を使った定番料理といえば、鶏肉と煮込んだコレ。さすが豆麹と一緒に漬け込んだ発酵食品、生のカットパインの酸っぱさと調和し、滋味深い味噌汁風に。
用意するもの(4人分)
● 生パイナップル … ざっくり6切れくらい
● 蔭鳳梨(汁ごと) … 大さじ2
● 鶏モモ肉 … 200g
● ショウガ … 大ひとかけ
● 水 … 800cc
● 台湾米酒、塩 … 各少々
手順
① 鶏モモ肉は一口大に切る。ショウガは3㎜の厚さに切る。
② 鍋に水を入れて火にかけ、ショウガ、酒を入れる。沸騰する前に鶏モモ肉を入れて強火にし、アクを取りながらゆでる。
③ パイナップルを加えたら蔭鳳梨を少しずつ加え、味を見て薄いようなら足す。
④ 鶏肉に火が通り、味がととのったら完成。
番茄炒蛋(ファンチエチャオダン)
ほんのり甘酸っぱい台湾版おふくろの味
トマトの酸味が卵の旨味を引き立てる。家庭ごとに味付けやレシピが違うんだとか。砂糖を使うところがポイントで、独特の味わいはビールによく合う。
用意するもの(2人分)
● 長ねぎ(白いところ) … 1/4本
●トマト(大) … 1個
● 卵 … 2~3個
● サラダ油 … 少々
A
・鶏ガラスープの素 … 小さじ1
・塩 … 小さじ1/2
・砂糖 … 少々
手順
① ねぎはみじん切りにする。トマトはざく切りにする。卵は割りほぐしておく。
② フライパンにサラダ油を入れ熱し、卵を中火で半熟になるまで炒めたら取り出す。
③ ②のフライパンにねぎを入れて炒め、トマトを加えてざっと炒めたらAを加えて水大さじ1~3(材料外)を加えてしばらく煮る。
④ トマトが柔らかくなったら②の卵を戻して強火にし、水気を飛ばす。味が染みこんだら火を止め完成。ごはんにのせるならつゆだく状態で。
【おまけにもう1品】 茶葉蛋(チャーイエダン)
台湾コンビニに必ずあって独特の模様&匂いを放っている、台湾好きには懐かしい煮卵。家庭では安い中国茶や紅茶で煮るそう。
手順
① ゆで卵を作る(茶葉蛋滷味包1パックにつき8~10個がおすすめ)。
② ゆで卵の殻全体にスプーンなどを使って細かいひびを入れる。
③ 卵がかぶるぐらいの水に茶葉蛋滷味包を入れ、塩ひとつまみ、しょうゆ約100㏄、砂糖大さじ3を入れて火にかける。沸騰したら弱めの中火~弱火で30分煮る。そのまま煮汁につけて一晩おいて味をしみこませる。
文=奥谷道草 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2021年7月号より