路上におけるさまざまな“表現”が集結
本展は赤瀬川原平氏や藤森照信氏らによって1986年に発足した「路上観察学会」の創立40周年を契機とした展覧会。広報ご担当者の白石咲良さんは、「今年創設40周年を迎える路上観察学会の活動をはじめ、現代美術、歴史資料、公園の遊具、大道芸、銭湯山車まで、多彩な作品や実践を通して『路上』を考える展覧会です。遊び、道路、広場、ルール、都市など7つの切り口から、自由と管理が隣り合う『共有された土地』としての路上を見つめ直します。いつもの道が少し違って見えてくるかもしれません。」と見どころを語る。
現代における「路上」は、所有や統治の枠組みが曖昧で、ときに制度へのレジスタンスによって、路上に自由を見出そうとしてきたともいえる。一方で路上は、単に自由や解放の象徴というだけではなく、排除の論理によって居心地の悪さや不安定さも抱えている。
「自由」と「邪魔」が共存する空間「路上」における表現の数々。公共性とは? 自由とはなにか? を改めて考える機会となりそうだ。
路上をめぐる実践のこれまでとこれからを考える
40年前に発足した「路上観察学会」は、「ん?」と思う街中の不思議なものを「物件」と呼び、写真を撮って共有することから始まった。それらは赤瀬川氏の言葉を借りれば「超芸術」。作者が明確に存在せず、役に立たず、非実用であるにもかかわらず、芸術を超えた芸術として立ち現れるもののことを指す。誰も気づかなかった意味や価値を見出す「見立て」の積み重ねが、路上の無機質なイメージを、認識のレベルから組み替えていく。そこに「路上の発見」があるのだ。
最終章「終章、再び路上へ」では、路上という切り口を通して、改めて世界を捉えることを提案。「いまの路上の境界線」を探るための一つの実践「銭湯山車」を提示してみせる。各地で取り壊されていく銭湯の「部材」を引き取り、カランやロッカー、看板などの欠片を集め、組み換え、動ける銭湯として組み上げられたものだ。かつて人が集まる場所として機能していた不動産であった銭湯が、あらためて路上へ持ち出され、路上とはなにかを問いかける。11月23日(月・祝)には実際に銭湯山車が路上を巡行する予定なのでお見逃しなく。
関連イベントも開催
クロージングトーク「路上、いかがでしたか?」
11月22日(日)14時~には、登壇者に本展メイン企画者であり金沢21世紀美術館学芸員である本橋仁氏と、本展企画者で渋谷区立松濤美術館学芸員の木原天彦氏によるクロージングトーク「路上、いかがでしたか?」が地下2階ホールにて開催。
参加無料(要入館料)、定員70名。申し込みは10月30日(金)までに往復はがきまたは公式HPの申込フォームより(応募者多数の場合は抽選)。
銭湯山車巡行開催
11月23日(月・祝)、銭湯山車巡行部による巡行が開催予定。詳細は決まり次第公式HPにてお知らせ。
開催概要
「路上、お邪魔ですか?」
開催期間:2026年9月19日(土)~11月23日(月・祝)
開催時間:10:00~18:00(金は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(9月21日・10月12日・11月23日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)、11月4日(水)
会場:渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14)
アクセス:JR・地下鉄・私鉄渋谷駅から徒歩15分、京王電鉄井の頭線神泉駅から徒歩5分
入場料:一般1000円(800円)、大学生800円(640円)、高校生・60歳以上500円(400円)、中学生・小学生100円(80円)
※( )内は区民。金曜は区民無料。
※土・日・祝は小・中学生無料。
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)無料。
【問い合わせ先】
渋谷区立松濤美術館☏ 03-3465-9421
公式HP:https://shoto-museum.jp/exhibitions/213rojo/
取材・文=前田真紀 画像提供=渋谷区立松濤美術館






