約400品種150万本が咲き乱れる

“北総の小江戸”とも呼ばれる千葉県香取市の佐原エリア。利根川下流域に位置する茨城県の潮来や鹿嶋とともに水郷三都と呼ばれ、かつて江戸に物資を運ぶ利根川水運の中継地として栄えた。そんな水郷のまち・佐原を象徴する施設が「水郷佐原あやめパーク」だ。与田浦に隣接する地に「佐原市立水生植物園」として1969年に開園し、2017年に再整備を行った際に現在の名称でリニューアルオープンした。

約8haの広さをもつ園内は水路が張りめぐらされるとともに島や橋が配置され、まさに水郷のテーマパークだ。さらに数多くのしょうぶ田があり、見ごろには江戸系・伊勢系・肥後系など約400品種150万本ものハナショウブが競うように咲く。

「アヤメは野性的であるのに対し、ハナショウブは江戸の昔から品種改良されているので、花の色や形がさまざま。ひとえに紫色といっても、濃い紫から薄い紫、さらに赤みを帯びた紫もあります。単色もあれば絞りが入ったような花も。現地でよく観察してみてください」と教えてくれたのは水郷佐原あやめパークの大友さん。5月中旬ごろから早生の品種が咲き始め、ピークを迎える6月上旬ごろにはかなり見応えのある景色を楽しめるという。

紫色だけでなく、黄色や白色、薄いピンク色まで、色とりどりのハナショウブが一面を染め上げる。
紫色だけでなく、黄色や白色、薄いピンク色まで、色とりどりのハナショウブが一面を染め上げる。

「嫁入り舟」を見て幸せな気持ちに

期間中、水郷の町らしいこんな催しも。5月31日(日)、6月6日(土)・13日(土)に開催される「嫁入り舟」では、花嫁が花婿とともにサッパ舟に乗ってハナショウブが咲く園内をめぐる。「一般公募で選ばれた3組に、園内で結婚式を挙げていただきます。香取神宮から神官が来て、実際に祝詞もあげてもらうんですよ」(大友さん)。ほかにも婚前のカップルが花嫁衣装を着て疑似体験をする「体験嫁入り」(5月30日、6月7・14日)や、佐原囃子を乗せた「下座舟」(6月7・14日)などもあって、ハナショウブをバックに風情ある光景を楽しむことができる。

古き良き水郷地帯の婚礼文化を再現した「嫁入り舟」。
古き良き水郷地帯の婚礼文化を再現した「嫁入り舟」。

これらの催しが行われていないときは、一般客もサッパ舟に乗って園内を遊覧することが可能(有料・500円)。「水上からだとハナショウブと同じ目線で花を楽しむことができますよ」と大友さんも太鼓判を押す。また、利根川を挟んだ対岸の水郷潮来あやめ園でも「水郷潮来あやめまつり」が開催され、両会場を結ぶシャトル船を運航(5月23日~6月21日までの土・日曜および6月3・10・17日)。2つの会場をめぐって、この時期ならではの鮮やかな景色を楽しんでみては。

開催概要

「水郷佐原あやめ祭り」

開催期間:2026年5月23日(土)~6月21日(日)
開催時間:8:00~18:00
会場:水郷佐原あやめパーク(千葉県香取市扇島1837-2)
アクセス: JR成田線佐原駅から会場行きシャトルバスで約25分(祭り期間中のみ運行)
入園料:800円

【問い合わせ先】
水郷佐原あやめパーク☎0478-56-0411
URL:https://ayamepark.jp/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供