小林清親から川瀬巴水らに至る風景版画の流れをたどる
最後の浮世絵師のひとりと呼ばれる小林清親(こばやしきよちか/1847-1915)。彼が明治9年(1876)に開始した『東京名所図』は、光と深い陰影により江戸の情緒まで捉え、その「光線画」は明治期の風景版画に大きな変革をもたらした。
そして、明治末期に浮世絵復興を目指した新版画は、技術ばかりでなく清親らが画面に留めた情趣をも引き継ぎ、新しい日本の風景を発見しようと試みた。
本展では、浮世絵や新版画を数多く収蔵する『スミソニアン国立アジア美術館』から、選りすぐりの浮世絵・新版画・写真など150点が来日。清親をはじめ、吉田博、川瀬巴水(かわせはすい)らに至る風景版画の流れを、同館のコレクションからたどる。
幕末明治にかけて新版画が描いた時代の情緒とは
清親の活躍した明治時代には、文明開化を伝えるジャーナリスティックな役割も担っていた浮世絵だが、新しい技術やメディアの台頭により徐々に衰退を迎える。
そんな失われゆく浮世絵の技術を継承し、新しい時代の版画を創造しようとしたのが版元の渡邊庄三郎(1885-1962)だった。彼は清親の見出した江戸東京にまつわる郷愁を引き継ぎ、絵師や来日した外国人画家たちと協働して新版画の活動を展開した。
本展では彼らの手掛けた伊東深水の『近江八景』、川瀬巴水の『旅みやげ第一集』『東京十二題』といった初期のシリーズをはじめ、光と陰影によって外界を写し込む写真作品が展示されるのも大きな見どころだ。
当時の日本人の姿や風俗を記録した新版画や写真から、江戸の生活と情趣が伝わってくる。
開催概要
「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」
開催期間:2026年2月19日(木)~5月24日(日)
開催時間:10:00~18:00(祝を除く金・第2水・会期最終週平日は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし祝の場合と3月30日・4月6・27日・5月18日は開館)
会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
アクセス:JR東京駅から徒歩5分、地下鉄千代田線二重橋前〈丸の内〉駅から徒歩3分、JR・地下鉄有楽町駅から徒歩6分、地下鉄日比谷駅から徒歩3分、地下鉄丸ノ内線東京駅から徒歩6分
観覧料:一般2300円、大学生1300円、高校生1000円、小・中学生無料
※障害者手帳をお持ちの人は半額、その介護者1名は無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://mimt.jp/ex_sp/shin-hanga/
取材・文=前田真紀 ※画像提供は主催者







