明治から始まった商いが商店街に至った歴史を紹介
かつての中野の商いは近世に青梅街道沿いで発達した醸造業や、新井薬師門前などの参道に広がった商いが中心で、他のエリアからも物売りや芸を見せる人々が訪れるなどにぎわいを見せていたという。
明治22年(1889)に現在の中央線、昭和2年(1927)に現在の西武新宿線が開業したのにともない、駅周辺に商店が増え、次第に商店街が形成されていったという。また終戦直後の闇市が発達した中野駅北口周辺では、少しずつ「中野北口美観商店街」(現在の中野サンモール商店街)に至る商店街として整備されてきた。
広報担当者の森本さんは、「中野の近世以降の物売りやサービス業にまつわる資料約170点を通して、時代は変わっても私たちの暮らしに欠かせない多様な『商い』を紹介しています。中野区内の商店街(会)にも協力を得て取材をしたので、本展を通して商店街の持つ可能性やポテンシャルをお伝えできたらうれしいです。年末年始に活躍しそうな、本展オリジナルぽち袋のペーパークラフトをプレゼントしています。ご来館お待ちしています」と語る。
当時の商店街を映しだした貴重な資料を通して、街の発展とそこに暮らす人々ともに変遷を経てきた商店街の姿を振り返ることができる。
イベント「チンドン芸と物売り口上」を開催
2026年1月25日(日)14時~、『中野区立歴史民俗資料館』1階展示室前で浅草雑芸団により、チンドン芸やガマの油売り、飴売り口上、飴屋踊り、バナナの叩き売り(模擬)などが実演される。バナナの叩き売りは“れきみん通貨”での模擬体験となり、バナナの持ち帰りは不可。申し込み不要。
開催概要
館蔵品展「商いと商店街」
開催期間:2025年12月2日(火)~2026年2月8日(日)
開催時間:9:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:月・第3日・12月28日(日)~1月4日(日)※1月5日(月)は定期休館日
会場:中野区立歴史民俗資料館 1階展示室(東京都中野区江古田4-3-4)
アクセス:西武電鉄新宿線沼袋駅から徒歩8分
入館料:無料
【問い合わせ先】
中野区立歴史民俗資料館☏03-3319-9221
公式HP https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/bunka/manabu/rekishiminzoku/
取材・文=前田真紀 画像提供=中野区歴史民俗資料館





