秋バラの特徴や魅力とは?

イギリス人建築家のジョサイア・コンドルが設計した洋風庭園と、京都の庭師である七代目・小川治兵衛(じへえ)作庭の日本庭園の両方が楽しめる『旧古河庭園』。洋風庭園には約100種類200株ものバラが華やかに咲き誇り、春と秋の年に2回ある見頃には大勢の人が訪れる。

春バラと秋バラの違いについて旧古河庭園サービスセンターの岡部直子さんに尋ねたところ、「春バラは花の大きさが大きくて色が鮮やか、そして一斉に咲くのが特徴です。それに対して、秋バラは香りがより楽しめ、色味は深く落ち着いたトーン。春より長い期間楽しめますよ」と教えてくれた。特に10月中旬~下旬が見頃だそうで、色とりどりのバラを観賞できる。

園内に咲く約100種類のバラの中で注目したいのが「ブルー・ムーン」。春のバラフェスティバルで人気投票を行い2年連続1位に輝いた青バラの代表花で、強い香りが楽しめる。また、皇室ゆかりのバラも。例えば愛子内親王殿下誕生のお祝いで名付けられた白バラの「ロイヤル・プリンセス」や、雅子皇后殿下がご成婚された際のお祝いで名付けられたピンク色の「エグランタイン(マサコ)」など。どちらも気品のあるバラなので、実際に探してみよう。

バラにちなんだ催しも!

イベント期間中は、秋バラの音楽会(10月20日)、バラの香りのツアー(10月19・23・26日)などの催しや、バラのジェラートや秋バラ限定グッズを販売する「ROSE SHOP」も。バラの香りのツアーでは、香りが一番楽しめる早朝に集合して、技能職員によるバラの解説を聞きながら、花壇に直接入って香りを楽しめる。9月28日~10月5日に公式ホームページからの事前申し込みが必要なので、参加してみては。

「秋バラの音楽会」では、バラと一緒にサックス四重奏の演奏会が楽しめる。
「秋バラの音楽会」では、バラと一緒にサックス四重奏の演奏会が楽しめる。

約100年の時を経て洋館の外壁を工事中

本来であれば大正6年(1917)建築の洋館(旧古河邸)をバックにバラを楽しめるのだが、残念ながら2024年現在外壁の修理工事を行っている(2025年3月頃まで)。「今年は洋館の建設以来、初めて全面的な外壁の工事を行っていますが、外壁を覆っているシートに洋館の写真をプリントし、いつもとは違った景観を楽しむことができますよ」と岡部さん。秋空の下で上品に咲くバラと、今年ならではの庭園の景色を堪能しよう。

洋館は現在外壁修理中。2025年の春バラの頃にはまたこの景色を楽しめそうだ。
洋館は現在外壁修理中。2025年の春バラの頃にはまたこの景色を楽しめそうだ。

開催概要

「秋のバラフェスティバル」

開催日:2024年10月5日(土)~11月8日(金)
開催時間:9:00~17:00(最終入園は16:30)
会場:旧古河庭園(東京都北区西ケ原1-27-39)
アクセス:JR山手線・地下鉄南北線駒込駅から徒歩12分
料金:入館料150円

【問い合わせ先】
旧古河庭園サービスセンター☎03ー3910ー0394
公式HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-furukawa/index.html

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供