オバケ落語にオバケ銭湯、その歴史にまで迫る

『ねないこだれだ』と春風亭一之輔による「オバケ落語」。(C)Keiko Sena
『ねないこだれだ』と春風亭一之輔による「オバケ落語」。(C)Keiko Sena

約20組のオバケ研究員&クリエイターが、オバケへ思いの丈をぶつけて魅せる、まさに、ユニークな“オバケ万博”。

オバケ落語『ねないこだれだ』では、落語家の春風亭一之輔さんがオバケのロングセラー絵本『ねないこだれだ』(作・絵:せなけいこ)を朗読する。

「じつは作者のせなさんは、落語家の夫・6代目柳亭燕路さんから着想を得て本作を描きました。オバケにさらわれる子供が描かれた怖い絵本の世界観を、春風亭一之輔さんの声色でより感じることができます」と、広報担当の宮崎さんは見どころを語る。

詩人・谷川俊太郎さんの詩「けいとのたま」に、音楽家で息子の谷川賢作さんがメロディをつけた、オバケ音楽がインスタレーションとして展示されるのも注目だ。

谷川俊太郎と谷川賢作による「けいとのたま」。
谷川俊太郎と谷川賢作による「けいとのたま」。

また、妖怪やオバケが大好きな人気アートディレクター・祖父江慎さんがつくる摩訶不思議な銭湯「オバケ湯」が登場。祖父江さんが番頭をつとめ、大人でも子供でもオバケと一緒に入れるお風呂とはどんなものなのか? 興味をそそる仕掛けが待っている。

このほか、「『オバケ・幽霊・妖怪の歴史』のコーナーでは、『静嘉堂文庫美術館』館長で日本美術史学者の安村敏信さんが、オバケと妖怪、幽霊はどう違うのか。日本美術にどう描かれてきたかを今日の漫画やアニメも含めて壮大な論を展開する展示も必見です」と、宮崎さん。

祖父江慎による「オバケ湯」。
祖父江慎による「オバケ湯」。
参考図版 針聞書(蟯虫)(出典:ColBase)。
参考図版 針聞書(蟯虫)(出典:ColBase)。

小学生以下は入場無料! 子供限定の「オバケ工場も」

さらに本展は、夏休み特別企画として、小学生以下は無料!というのもうれしい。

「子供限定の『オバケ工場』も出現し、子供たちはオバケに変身して会場を練り歩くことができます。古井戸などがある“普通に怖い”オバケ屋敷も。オバケとはなんなのか? 体験しながら、楽しみながら、大人も子供と一緒に考えることができます」(宮崎さん)

楽しくて、怖くて、意外とためになる?! 史上初の“オバケ万博”が見逃せない!

大人は入ることができない 「オバケ工場」。
大人は入ることができない 「オバケ工場」。

開催概要

「オバケ?」展

「オバケ?」展ポスタービジュアル(C)Keiko Sena/(C)2024 A.T. & T.T.
「オバケ?」展ポスタービジュアル(C)Keiko Sena/(C)2024 A.T. & T.T.

開催期間:2024年7月13日(土)~9月29日(日)
開催時間:10:00~18:00(入場は~17:30)
※7月20日・8月3日・17・31日(いずれも土)の閉館後にはナイトミュージアムも実施(詳細は公式HPなどで発表予定)。
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F)
アクセス:JR立川駅から徒歩10分
入場料:一般1800円、大学生1200円、高校生1000円、中学生600円、小学生以下無料
(立川市民割)一般1200円、大学生700円、高校生600円、中学生400円、小学生以下無料

【問い合わせ先】
PLAY! MUSEUM☏042-518-9625
公式HP https://play2020.jp/obake/

取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供