川岸の楽しい大人文具の秘密基地。『yuruliku』[御茶ノ水]
古渋いビルのB1。秘密基地めいた一室へ入ると窓辺に神田川がどーんと迫り、絶景の前にノートやペンシルケースにバッグ類、ひと味ひねったオリジナル文具がつつましく並ぶ。海外でも人気の草型付箋GreenMarkerをはじめ、赤青鉛筆や定規などをモチーフにした軽妙な郷愁感と遊び心が持ち味だ。クオリティとサイズ感にもこだわり使い勝手も上々。しかも渋めときてるから、男性大人ファンが多いのも納得である。
『yuruliku』店舗詳細
選び抜いた模型材料は自慢の品揃え。『レモン画翠』[御茶ノ水]
大正12年(1923)創業の老舗画材専門店で、御茶ノ水駅前の顔のひとつ。1階の画材・雑貨コーナーをひやかして上階に上れば、3~4階を建築模型用の素材がまるごと占めていてビックリ。建築設計で用いる模型見本のための素材で、おのずとお得意様は専門家や学生だが、門外漢も歓迎でジオラマなどのホビー用に買い求める人も増えている。ミニチュアの精巧な樹木や木製家具、指先大の人形など、持ち帰って飾ってみたくなる。
『レモン画翠』店舗詳細
年齢性別不問でハマるドイツゲーム。『メビウス ゲームズ』[水道橋]
年々確実に盛り上がりを見せているドイツ製ボード&カードゲームの先駆的な専門店。今年で28年を迎えた。どの品も日本語解説書付きの上、全商品を遊び尽くしている店主が丁寧に説明、品選びの相談にも乗ってくれる。今のボード&カードゲームってこんなに楽しく進化してるんだと驚くこと請け合いだ。水道橋駅脇というロケーションから、会社帰りのサラリーマンや、上京ついでに立ち寄る愛好家で朗らかににぎわっている。
『メビウス ゲームズ』店舗詳細
これぞ最新の“和”ファッション。『T.KUNITOMO』[池ノ上]
「着物をバスローブにしたり、外国人にありがちな“間違えた和”が逆に魅力的だなって」。そう語るのはブランド『gouk』のデザイナー、國友剛さん。前衛的でシックな洋服が、店舗となる古い民家とマッチし、独特なジャポニスムを生む。池ノ上から世界へ!
『T.KUNITOMO』店舗詳細
作り手の声が聞こえてくる雑貨店。『ダイタデシカ、』[新代田]
生活雑貨やおもちゃ、装飾品など、各地の手工芸品がずらり。作り手とユーザーをつなげるべく展示、ワークショップも開く。オーナーの南秀治さんも木工作家で、ものづくりへの想いは深い。作り手のエピソードや、実際の使い心地を聞けるのも店を訪れる醍醐味。
『ダイタデシカ、』店舗詳細
世代を超えてものづくりに関わる場。『組む 東京』[馬喰町]
ものづくりの視点から“EAST TOKYO” の魅力を再発見する動きが盛んな昨今。「曽祖父から父の代まではこの場所で家業を営んでいました」という小沼のりこさんは、倉庫だった建物を改装し『組む』を立ち上げた。普段は「暮らしにまつわるものづくりを紹介する」店だが、イベントや企画展も開催。ある陶芸家の作品展ではゲストにフードスタイリストを迎え、作家の器を使った日替わりカフェを行うなど、興味深い“組み合わせ”で人々をわくわくさせる。2階や屋上を開放することもあり、その際は、代々受け継がれてきた建物の表情を味わって。
『組む 東京』店舗詳細
/定休日:不定(イベントによって変更あり)/アクセス:JR総武快速線馬喰町駅から徒歩4分
取材・文=奥谷道草、信藤舞子、古澤誠一郎 撮影=山出高士、金井塚太郎、門馬央典