中華そば 春秋庵
特製麻辣醤(マーラージャン)の香る美しい真紅のスープ!
ベースは、魚介出汁に豚と鶏のガラスープ、貝柱入り醤油ダレを合わせたあっさり系。そこに特製の麻辣醤が加わり、真紅の一杯に変貌する。「麻辣醤は、元々冬季限定の担々麺のために作ったんです」とは、店主の中川智明さん。ふと思いつき通常のラーメンに加えたところ常連衆の人気を呼び、レギュラー化した。ツルツルの細麺をひと口すすれば、花椒(ホワジャオ)の香りが鼻腔を抜け、後引く辛味が残る。
『中華そば 春秋庵』店舗詳細
ワンタンメンの満月 三鷹店
ゴマの香りが後を引く! 酒田名物ワンタンメン
トビウオをはじめとした魚介の香りがガツン。本店の山形県酒田市で60年以上続く老舗は、ワンタンメンで名を馳せる。その定番のワンタンメンにゴマラー油が加わった「スタミナ」は、ほのかな辛味で体の奥から熱を帯びるよう。「ネーミングに反してニンニクは入ってないんです」とは、店長の佐藤歩さん。食用シルクとともに練り込んだ極薄のワンタンがするりと口中に飛び込み、ツルツルの舌触りに頬が緩む。
『ワンタンメンの満月 三鷹店』店舗詳細
麺や 純氣
博多とんこつ×辛味噌の圧倒的風味に刮目(かつもく)!
ラーメンは、店主の比留間祐司さんが修業した博多とんこつ。豚の頭を高温で18時間炊いた、サラサラで臭みのないあっさり味のスープだ。そこに特製辛味噌の辛味玉と、香味野菜を揚げて香りづけした風味油が加わり、辛味とコク、芳香が一気に増す。自家製の細麺をすすると小麦の香りがふわりと立ち上り、これまた辛いスープと相性◎。好みで高菜を加えれば辛味にブーストがかかり、箸を進める手が止まらない。
『麺や 純氣』店舗詳細
杏苑
見た目に反してやさしい辛味にほっこり
中華一筋60年の店主・本山健(たけし)さんは、中国料理では定番の酸辣湯麺を「もっと優しい味に」と改良。豚肉やキノコ、豆腐、そして野菜がたっぷり入ったとろみあるスープは、鶏と豚のガラをベースに、豆板醤、唐辛子、合わせ酢を加えている。溶き卵の甘みが辛さを絶妙に中和し、レンコン粉を練り込んだプリプリの麺とも相性バッチリ。追ってくる酢の芳香が爽やかな後味で、次のひと口を誘う。
『杏苑』店舗詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=井上洋平
『散歩の達人』2021年1月号より