鳥ひで

新橋の老舗焼き鳥店の系譜を継ぐ

破れちょうちんに紺地の暖簾(のれん)で「ザ・昭和の居酒屋」といった味のある外観。

新橋を代表する名店『鶏繁 総本店』出身の店主が腕を振るう。鶏繁と同様、基本は焼き鳥10本のコースを提供。お客さんの食べるペースや好みに合わせて、焼きたてを一本づつ皿に置くスタイルだ。熱々を頬張るとジューシーで濃厚な鶏の旨味がほとばしる。鶏は板橋仲宿で100年以上の歴史を持つ老舗『鳥新』から仕入れている。さらに店主の安達英一郎さんは無類の競馬好き。店内を競馬グッズが埋め尽くす、競馬ファンも集う店。

店主の安達英一郎さん。串ごとに味付けを変えて、火力強めの備長炭で焼き上げる。
焼き鳥10本コース2800円の内7本。名物「だんご」はつなぎを一切使わない。

『鳥ひで』店舗詳細

とり市

街のざわめきがBGM。屋台のような風情溢れる焼き鳥店

盛り合わせセット(1人前5本)930円とサッポロビール(中瓶)630円。

線路沿いにあるわずか2.8坪の焼き鳥店。1階はカウンター5席で、開け放った扉から電車の音と街を行き交う人の声が聞こえてくる。オープンは平成元年(1989)。店主の矢吹昌一さんが一人で切り盛りしている。鶏は宮崎県産の日向鶏を使用。選んだ理由は脂が少なくヘルシーだったから。それでいて身が引き締まっていておいしい。「店と一緒に、お客さんも歳をとりました」と矢吹さん。中まで味が染みた焼きおにぎり300円や、鶏スープ350円もおすすめ。

常連が気軽な会話を交わす1階客席。BGMはAMラジオ。
夕方5時、紺地の暖簾(のれん)がかかると開店のしるし。

『とり市』店舗詳細

二代目 居呂利

囲炉裏を囲んでほっこりくつろぐ

きれいに磨かれて風合いが増したテーブル。先代の奥さんが欠かさなかった花も、一週間に一度は変えて飾っている。

古民家風の建築は初代店主の趣味。アルバイト店員だった二代目店主の高橋さんが、この雰囲気を残したいと、そのまま引き継いだ。のんびりとした民謡が流れる空間はどこか郷愁を誘うよう。田舎家を思わせる古木の梁に、高い天井、テーブルには鉄瓶を吊るした囲炉裏のオブジェもある。焼き鳥も、先代からの手法を受け継ぎ、皮を残したモモ肉を大きめにカットして焼き上げている。食べ応えのある一本だ。タレも先代から継ぎ足しのタレを使っている。

ササミ梅肉400円と焼き鳥(大串)のタレと特製のシオ(1本280円)、生ビール600円。

『二代目 居呂利』店舗詳細

日本酒と備長炭串焼き ひらく

しっとりと焼き鳥と日本酒を楽しみたい時に

黒を基調としたジャズが流れる空間。カウンター内で焼き鳥を焼く。

唎酒師の資格を持つ店主の黒田英徳さんが、好みや料理にあった日本酒を選んでくれる。焼き鳥の鶏も、部位ごとに違う銘柄鶏を使うというこだわりよう。中でも黒田さんの一押しは千葉産の錦爽鶏(きんそうどり)。「ササミも、中までじっくり火を通しても硬くならないんです。モモもジューシーで美味しいですよ」と黒田さん。鮮度抜群の白レバーの炙り焼き748円もぜひ。繁華街にありながら、しっとりと落ち着いた雰囲気があるのも嬉しい。

店主の黒田英徳さんは北赤羽出身。手に持っているのは田酒。おすすめの一本だ。
左が希少部位の4本セット。右が手作りつくね253円と卵黄66円。

『日本酒と備長炭串焼き ひらく』店舗詳細

取材・文・撮影=新井鏡子

東京最北端の繁華街として栄える赤羽。その中心部にあるJR赤羽駅は、1日10万人近い乗降者数を誇る要衝駅として、街のにぎわいを支える。 駅の東口には昔ながらの横丁や商店街がドシンと構え、昼間から酔ったオヤジが管を巻いていたり、威勢のいいお母さんたちが井戸端会議に花を咲かせていたり。かと思えば女子に受けそうなバーやカフェもある。駅の西側にはショッピングモールやスーパーマーケットが並び、学生や子育て世代からも人気のエリアだ。