手しごと感じる酒肴とお酒でじんわり幸せ『酒と肴 万作』【中野坂上】

日替わりのシュウマイ440円、イワシの梅煮660円。「長珍」の夏酒など日本酒は半合880円~。
日替わりのシュウマイ440円、イワシの梅煮660円。「長珍」の夏酒など日本酒は半合880円~。

祖父の膝の上で晩酌の匂いを嗅いで育った増田万作子さん。「祖父が楽しそうに飲んでたから、日本酒の匂い=いい匂いと刷り込まれたかも!」。そのため、愛するのは日常に寄り添うしみじみとうまいお酒。「宝剣」 純米 超辛口はミョウガの甘酢漬けの甘酸の輪郭を濃くし、トウモロコシとモッツアレラ入りシュウマイと熟成燗酒は相思相愛。増田さんは各客が何を注文したかメモを残し、次の来客時の献立に活用。そんなのもう、通うしかないでしょ。

ひたし豆や生湯葉の山形だしのせなど、3種選べる酒肴は1200円。
ひたし豆や生湯葉の山形だしのせなど、3種選べる酒肴は1200円。
燗(かん)映えするお酒は夏も当然、燗で。
燗(かん)映えするお酒は夏も当然、燗で。
杉玉が目印。カウンター席のみなので予約推奨。
杉玉が目印。カウンター席のみなので予約推奨。

『酒と肴 万作』店舗詳細

住所:東京都中野区中央2-58-20 村田ビル1F/営業時間:18:00~23:00最終入店(日・祝は12:00~)/定休日:水/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線中野坂上駅から徒歩10分

日本酒を我が子のように溺愛『Mon 酒々』【新中野】

ニシンの切り込み400円(左)や鯛わた600円(右)など日本酒に合う酒肴ばかり。お燗は1合1000円~。
ニシンの切り込み400円(左)や鯛わた600円(右)など日本酒に合う酒肴ばかり。お燗は1合1000円~。

廣澤靖子さんは26年前から蔵巡りを開始。「現地で出合ったこの子(お酒)たちを連れて帰り、一番いい状態で出したい。その晴れ舞台がここなんです」。大阪の「片野桜」は夏でも熱燗で、「玉川 Ice Breaker」は燗で少し味を開いたあとグラスに少しずつ注ぎロックで締めて飲む。お酒の味を女性や女優で例えるのも楽しい。「『菊姫』は浅野温子、『七笑』は大原麗子。少し古い?」とチャーミングに笑う女将の人柄に惹かれ、今日もカウンターに左党が集う。

和食店の仲居さんをしていた女将。やわらかな接客が心地よい。
和食店の仲居さんをしていた女将。やわらかな接客が心地よい。
「米宗」など食中酒中心で90ml 500円~。吟醸系の熟成酒もある。
「米宗」など食中酒中心で90ml 500円~。吟醸系の熟成酒もある。
地下にあり一見入りにくいが、日本酒天国が待つ。
地下にあり一見入りにくいが、日本酒天国が待つ。

『Mon 酒々』店舗詳細

住所:東京都中野区本町4-30-17 ハイファイフラットB1/営業時間:18:00~翌1:00/定休日:火/アクセス:地下鉄丸ノ内線新中野駅から徒歩3分

コでなく “ ] ” が生む一体感『鈴木の小部屋』【中野】

「最初は店に辿り着けんかった!」とこの日は出張で東京に来た常連と意気投合。
「最初は店に辿り着けんかった!」とこの日は出張で東京に来た常連と意気投合。

1階にある洋食堂『葡萄』の店内を通ってしか辿り着けない。階段を上った先には7人ぐらいで満員の “ ] ” の字カウンター。そんな秘密のアジト感が、日本酒のうまさを加速させる。「この狭さだからこそ、ひとつの話題をみんなで盛り上がれると思います」と女将・鈴木千子さん。日本酒は女将の好きな“うま甘系”のほか、常連の好みや出身地を意識して選ぶ。酒肴の主役はおでん。アゴと昆布で出汁を引く澄んだつゆは、それだけで立派なアテに!

牛すじ串500円、大根300円、半熟の玉子、とうもろこし各250円。「寒菊」「冩樂」など日本酒は90ml各650円。
牛すじ串500円、大根300円、半熟の玉子、とうもろこし各250円。「寒菊」「冩樂」など日本酒は90ml各650円。
いぶりがっこのポテサラ700円。「ワカエビスプラス」など希少銘柄も。
いぶりがっこのポテサラ700円。「ワカエビスプラス」など希少銘柄も。
扉には鈴木の表札。外観からして期待大!
扉には鈴木の表札。外観からして期待大!

『鈴木の小部屋』店舗詳細

住所:東京都中野区中野3-36-4 2F/営業時間:18:00~23:00/定休日:不定(おもに水)/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩3分

取材・文=鈴木健太 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2026年8月号より