ひと口目から「!」。新しい味覚に遭遇『Bakery bank』【茅場町】

パンを選びながら、厨房(ちゅうぼう)の活気を感じる。
パンを選びながら、厨房(ちゅうぼう)の活気を感じる。

2022年の開業以来、観光名所と化したベーカリーの店内は、性別も年齢も国籍も関係なく“bankのパン”を求める人、人、人。デニッシュやサンド、食事パンなどが並ぶショーケースには、カレーパンに福神漬け、スコーンによもぎなど、ほかではあまり見かけない食材の組み合わせも。レシピを考案するのは、パティスリーの名店『ease(イーズ)』のパティシエでこの店のプロデュースも担う大山恵介さんとシェフの須貝文智さん。「パン作りで一番大切にしていることは“らしさ”」と話すように、作り手の創造性が炸裂したパンに、未知なる五味を感じずにはいられない。

自家製天然酵母で作るパンは50種類ほど。
自家製天然酵母で作るパンは50種類ほど。
(左)BLTサンド 780円。タルタルソースの紫色の正体は……なんと柴漬け。(右上)クレームアマン 600円。「クイニーアマン」にカスタードをたっぷりイン。(右下)明太フランス 520円。明太子ソースはニンニク増し。お酒が進む味。
(左)BLTサンド 780円。タルタルソースの紫色の正体は……なんと柴漬け。(右上)クレームアマン 600円。「クイニーアマン」にカスタードをたっぷりイン。(右下)明太フランス 520円。明太子ソースはニンニク増し。お酒が進む味。
会話が弾む接客も通いたくなる理由のひとつ。
会話が弾む接客も通いたくなる理由のひとつ。

『Bakery bank』店舗詳細

裏通りで見つけた最高のオアシス『Parklet(パークレット)』【人形町】

ギャラリーさながらの空間。
ギャラリーさながらの空間。

とびっきりおしゃれな空間でありながら、隣接する堀留児童公園に行くくらい気負わずふらっと立ち寄れるカフェベーカリーは、すっかり街の顔。住民だけでなく、周辺で働く会社員や観光客にも認知された人気店だ。トーストとサンドイッチに使われる自慢のパン・サワードウは、カウンター裏のキッチンで手作り。全国各地で出会った信頼を置く生産者から仕入れる優良素材、旬の新鮮な食材など、それぞれの持ち味を大切に丁寧に生かしているのでどれも豊かな味わい。昨年末からスタートした、夜営業でのみ登場する食事系のパンメニューはぜひアルコールと一緒に。

ショーケースには焼き菓子が10種類ほど。
ショーケースには焼き菓子が10種類ほど。
(左上)丸いカントリーブレッドSmall 1100円。どんな食材にも合うように、酸味は控えめ。(右中)リコッタチーズとアーモンドのトースト 800円。ほわっほわっのリコッタチーズは自家製。(下)アボカドデュッカトースト1200円。みずみずしくて濃厚なアボカドをマッシュに。
(左上)丸いカントリーブレッドSmall 1100円。どんな食材にも合うように、酸味は控えめ。(右中)リコッタチーズとアーモンドのトースト 800円。ほわっほわっのリコッタチーズは自家製。(下)アボカドデュッカトースト1200円。みずみずしくて濃厚なアボカドをマッシュに。
自家製ジャムやオリジナルグッズの販売も。
自家製ジャムやオリジナルグッズの販売も。

『Parklet』店舗詳細

おいしいと思えるパンを実直に『Boulangerie Django(ブーランジェリー ジャンゴ)』【水天宮前】

カウンター下と壁面には麻の葉模様があしらわれている。
カウンター下と壁面には麻の葉模様があしらわれている。

江古田からゆかりのあった日本橋浜町に移転し6年。食への感度が高い地元の人たちだけでなく、海外からの旅行者もこぞって訪れるブーランジェリー。自身を「ひねくれ者」と表す店主の川本宗一郎さんのパンに対する熱量は凄(すさ)まじい。陳列されるのは、伝統や定番を重んじながらも類ないものばかりで衝撃を受ける。取材時は売り切れだった本日のフォカッチャは、迷わず購入しておきたい。

(左上)ブルーベリー&バナナ 380円。ブルーベリーもバナナもオーブンでこんがり。(右上)パンオ ショコラ 340円。「ネルクラフトチョコレート」を使う日も。(下)鶏肉のバインミーサンド 670円。チャバタも具材のひとつひとつも味の主役。
(左上)ブルーベリー&バナナ 380円。ブルーベリーもバナナもオーブンでこんがり。(右上)パンオ ショコラ 340円。「ネルクラフトチョコレート」を使う日も。(下)鶏肉のバインミーサンド 670円。チャバタも具材のひとつひとつも味の主役。
黙々と淡々と作業を進める川本さん。
黙々と淡々と作業を進める川本さん。

『Boulangerie Django』店舗詳細

今日も明日も……毎日食べたい!『BEAVER BREAD(ビーバー ブレッド)』【馬喰横山】

並ぶパンの種類が一番多い時間帯はお昼ごろ。
並ぶパンの種類が一番多い時間帯はお昼ごろ。

パン教室や講習会、レシピ本の出版など、多方面で活躍するブーランジェでオーナーの割田健一さんが手掛けるパンは食卓の延長線上にある、日常のためのもの。4人入ればいっぱいの店内に埋め尽くされた60種類ほどのデイリーパンは、誰もが笑顔になる味&良心的な価格でついあれもこれもと欲張りに。購入したパンは、徒歩4分の場所にある姉妹店カフェ『bouquet(ブーケ)』でイートインもできる。

(左)チョコレートシナモンロール 520円。中に入ったチョコチップの分量がすごい!(中)いちじくチョリソー 510円。いちじくの甘みでチョリソーの辛味が際立つ。(右)ノアレザン 390円。クルミと3種類のレーズンがアクセントに。
(左)チョコレートシナモンロール 520円。中に入ったチョコチップの分量がすごい!(中)いちじくチョリソー 510円。いちじくの甘みでチョリソーの辛味が際立つ。(右)ノアレザン 390円。クルミと3種類のレーズンがアクセントに。
スタッフさんのエプロンはパン模様。
スタッフさんのエプロンはパン模様。

『BEAVER BREAD』店舗詳細

取材・文=新居鮎美 撮影=原幹和
『散歩の達人』2025年6月号より