映画の登場人物のような気分でゆったり『DILL Coffee Parlor』
一歩入ると、そこはまるで映画のワンシーン。以前ここには会員制のサロンがあったそうで、当時の内装を生かしたゆとりのある空間でホッとひと息つける。ケーキや焼き菓子は店内で一から作り、フードも研究に研究を重ねる毎日。アヴォカドトーストは『パレスホテル東京』が手掛ける『エトヌンク』のパンを使い、味付けを極力シンプルにして素材の良さを引き出す。中煎りのエスプレッソがベースのさっぱりしたラテともぴったり。
『DILL Coffee Parlor』店舗詳細
本場さながらのエスプレッソを『Walkabout』
「オーストラリアではみんな四六時中コーヒーを飲んでいます」と、オーストラリア育ちのオーナー・由良浩明さん。「日本でもスペシャルティコーヒーを日常化させたい」とシドニーの『Stitch Coffee』から豆を仕入れ、エスプレッソを中心に提供している。カフェラテに似たマジックは、エスプレッソの倍ぐらい濃いショットを使うのでコーヒーらしさもしっかり。ぜひオーストラリアの定番グルメであるミートパイと一緒にどうぞ。
『Walkabout』店舗詳細
日米のコーヒーカルチャーが融合『think coffee』
ニューヨークの『think coffee』日本第1号店。日本人に合わせて酸味を抑えた東京ブレンドをはじめ、店内で毎日焙煎する。アメリカンなフードも揃え、ベーグルサンドには『アルバラドストリートベーカリー』から冷凍のまま空輸されたオーガニックの全粒粉ベーグルを使用。むぎゅっとしつつ、焼くと表面がカリッとして歯切れがいいので具材ともなじむ。東京ブレンドの穏やかな苦味に引き立てられ、クリームチーズの風味が広がる。
『think coffee』店舗詳細
表情豊かなコーヒーの香りを満喫『tangent -coffee stand & bake shop-』
スウェーデンの『koppi』など、国内外のロースタリーから頻繁に届けられるコーヒー豆。どれも東京ではあまり出合えない顔ぶれだ。すっきりした香りと甘みが感じられる浅煎りは、その特徴を前面に出すため細いワイングラスで出す。コーヒーが口の中に勢いよく滑り込んできて、インパクトが増大するのがおもしろい。もっとふくよかなタイプなら、ゆっくり口に入る丸いグラスを選ぶそう。手作りスイーツとのペアリングも醍醐味。
『tangent -coffee stand & bake shop-』店舗詳細
奥深きコーヒーの魅力にハマる『MINUTES COFFEE』
「酸味が突っ走らない丸みのある味」を目指し、店主の本山翔太さんが店内で焙煎。スペシャルティコーヒーの香味を生かした浅煎りを飲むと、ふっと心が軽くなる。オレンジのような酸味がほのかに漂うルワンダは、「黒糖みたいなコクのある甘みも感じられ、あんぱんに合います」。中煎りのブラジルは、ナッツやチョコレートのような香ばしさがミルクと相性がよく、ラテに最適。口に含むとブラウンシュガーのような味わいがするから不思議だ。
『MINUTES COFFEE』店舗詳細
取材・文= 信藤舞子 撮影= 加藤熊三
『散歩の達人』2025年5月号より