日常に彩りを添える充実の品揃え『丸善 ラゾーナ川崎店』

通路に面したポップアップスペース。おすすめ理由も掲示。
通路に面したポップアップスペース。おすすめ理由も掲示。

駅直結のショッピングモールの1階、広大なワンフロアに並ぶ本の冊数に圧倒されるが、選びやすく、見つけやすい工夫が随所に光る。売れ筋である児童書売場に近接して、育児書などの実用書の棚があったり、売れ筋や話題の本をレジ横のポップアップスペースに集めたり。目的買いにも、“今”を知るにも、さまざまな使い方に対応できる懐の深さがある。スタッフの商品知識の豊かさも頼もしい。

上手な休み方を説く『休養学』は注目株。
上手な休み方を説く『休養学』は注目株。
実用書・地図ガイド担当の小野太地さん。
実用書・地図ガイド担当の小野太地さん。

『丸善 ラゾーナ川崎店』店舗詳細

早朝から夜遅くまで営業する心強さ『有隣堂 アトレ川崎店』

児童書コーナーの一角にテーブルと椅子。ワークショップを開催することも。
児童書コーナーの一角にテーブルと椅子。ワークショップを開催することも。

駅ビル内にあって新刊を手早く買うことができる一方で、店内には椅子やテーブルがあり、じっくり本を選ぶこともできる。実用書、文芸、漫画といったジャンルごとに、「新刊・話題の本」の棚があり、ひと目で流行がわかるのもありがたい。今、年齢・性別にかかわらず関心が高いのは、健やかに暮らすための本。健康法からライフスタイルの提案まで、日々の暮らしの助けとなるヒントがある店だ。

入り口すぐ、ビジネス書の新刊・話題の本。
入り口すぐ、ビジネス書の新刊・話題の本。
店長の副田陸児さん。
店長の副田陸児さん。

『有隣堂 アトレ川崎店』店舗詳細

本探しをファミリーで楽しむ『紀伊國屋書店 武蔵小杉店』

入り口の洋書棚。文芸から漫画、絵本と多種多様。
入り口の洋書棚。文芸から漫画、絵本と多種多様。

平日、休日ともに、お客さんはファミリー層が多い。入り口周辺には、絵本のベストセラーをはじめ教育関連の読みものが並び、洋書の絵本も人気だ。文芸文庫の担当スタッフが「今月の推し本」をおすすめするコーナーは情熱があふれていて、思わず足を止めて見入ってしまう。武蔵小杉が舞台の『朝が来る』(辻村深月・著)は店のロングセラーで、店内を回ると街の個性が伝わってくる。

「今月の推し本」コーナー。手作りポップから伝わる愛。
「今月の推し本」コーナー。手作りポップから伝わる愛。
店長の山田貴裕さん。
店長の山田貴裕さん。

『紀伊國屋書店 武蔵小杉店』店舗詳細

武蔵小杉で一番の古株書店『中原ブックランド』

かつてより面積が約半分になり厳選した品揃えに。
かつてより面積が約半分になり厳選した品揃えに。

この地に店を構えたのは1967年。建て替えのため4年ほど仮店舗で営業していたが、2024年7月に戻り、リニューアルオープンした。「地域に住む方が気軽に立ち寄る街の本屋として、いろいろなニーズに応えるためにジャンルを絞らず、できるだけ幅広く置くようにしてます」と店長の柴田高宏さん。限られたスペースに地域が求める本を選んで置く。その日々の葛藤が、店をつくっている。

レジ前の面陳棚は柴田さんセレクト。
レジ前の面陳棚は柴田さんセレクト。
児童書コーナーにはソファもある。
児童書コーナーにはソファもある。

『中原ブックランド』店舗詳細

文教堂の1号店として町を見守る『文教堂 溝口駅前店』

コミック売場。新刊が並ぶ平台と既刊の棚。
コミック売場。新刊が並ぶ平台と既刊の棚。

「午前中は年配の方、昼すぎはお子さんを連れた方、夕方からは会社帰りの方や学生と、時間帯によってお客さんの層がくっきり分かれます」と店長の遠藤さんは話す。地域密着だからこその光景だ。コミック、児童書、文庫が三本柱で、それぞれの売場は新刊・既刊ともにめりはりがきいた陳列で、見やすく心が躍る。「幼いときから店に来てもらって、成長してもずっと利用してもらうのが理想です」。

にぎやかな児童書売場。
にぎやかな児童書売場。
遠藤さんは溝の口が地元。街の移り変わりを長く見てきた。
遠藤さんは溝の口が地元。街の移り変わりを長く見てきた。

『文教堂 溝口駅前店』店舗詳細

取材・文・撮影=屋敷直子
『散歩の達人』2025年4月号より