藤や

40年以上注ぎ足しの八丁味噌スープが命

クニュクニュ食感が愉悦のハチノス(奥から2番目)、豆腐のようにやわらかいフワ(3番目)など串は各120円。

「40年以上続いた理由?人柄かな」「私のね」なんて掛け合いが楽しい須藤一弘さん・三枝子さん夫婦が切り盛り。串に刺し鍋でグツグツやる名物の煮込みは、初代が考案。「お義父ちゃんは酒飲みでね。自分で煮込みを研究してたどり着いたのがこの味なの」。八丁味噌を2種使い、あとはショウガとニンニクを少々だけ。それを40年以上、ずっと注ぎ足し使うことで、モツの旨みがしみ出し、コクのある妙味が生まれるのだ。「毎日炊かないといけないから大変だけど、この味は変えられないわ」。

「夏は3回、冬は2回。毎日炊いてるよ」と渋い一弘さん。奥には小上がりも。
玉子120円は1日約5個限定。

『藤や』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-35/営業時間:17:00~22:00(月~金は11:30~13:00のランチも営業)/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩5分

カラオケ居酒屋 モアナ

偶然が生んだ煮込みの日印同盟

カレーモツ煮込み600円とカレーシロモツ焼き700円。牛肉を扱って50年の知人から新鮮なモツを仕入れる。

「ハワイで別荘の管理の仕事をしてたとき、毎日BBQをやって炭火焼きのイロハを学んだのよ」とはファンキーな店主・椿浩行さん。炭で焼くモツ焼きと並ぶ名物が、カレーモツ煮込み600円だ。「もともと店でカレーを出してたんだけど、ある日うっかりカレーをモツ煮に混ぜちゃって。でも、それをお客に出したらウケてさ」。味噌で煮込んだ新鮮な和牛の大腸やフワなどと相まってカレーはまろやかになり、酒のつまみに抜群。ネギの代わりにフライドオニオンを散らしているのがまたニクい。

「テッポウやハラミの皮も入れてるぜ」と、ひそかに武藤敬司ポーズのお茶目なご主人。
店内はハワイアンな雰囲気も。

『カラオケ居酒屋 モアナ』店舗詳細

住所:東京都足立区千住曙町2-6/営業時間:17:00~23:00LO/定休日:日・祝/アクセス:東武スカイツリーライン牛田駅、京成本線京成関屋駅から徒歩すぐ

ささや 北千住

煮込み鍋の長湯で串が旨みを猛烈吸収

鍋で煮込んでから焼くトマト巻きなど。炭で焼く串焼きは牛が495円、豚・野菜が220円。煮込み鍋の全うまみを吸ったキャベツ煮込み220円(左)も外せない。

カウンターの煮込み鍋が醸す大衆的な雰囲気と、整然と並ぶ調理道具や流れるジャズなどが生み出す凛(りん)とした空気のブレンドが心地よい。代表の草野英雄さんは銀座・新宿の名酒場『ささもと』で修業しており、名物は直伝の煮込みと串焼き。信州味噌のスープで煮込むフワやシロは味噌だけとは思えぬほど妙味。「うちは串焼きもこの鍋で煮込んでから焼く部位もあるし、キャベツ煮込みもここで煮込む。野菜や脂のうまみが染み出してるんです」。

1、2階ともカウンターのみで全21席。

『ささや 北千住』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-65/営業時間:16:30~23:00/定休日:日(月が祝の場合は月)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩すぐ

えびかに家

甲殻天国で指までちゅぱちゅぱ

ソフトシェルクラブ(手前)を殻ごとかぶりつけば、はさみのパリパリ、まろやかなカニ味噌など多様な味わい。

「むほー」「どうやって食べるの!?」。出されたソフトシェルクラブの唐揚げや赤エビの刺身各980円~に、客はみんな大興奮。「界隈には焼き鳥やもつ煮の名店が既にある。だから、自分の好きなエビカニで勝負したくて」と大松澤康郎(おおまつざわやすお)さん。ほぼ全員が頼むブラックペッパーシュリンプ580円はたっぷりの黒胡椒と蜂蜜でコクを出したソースが辛うまでビールを誘引。女子の多くが頼むえびマヨ780円はマンゴーソースを入れた甘いマヨソースが揚げたエビの衣に絡み、忘我の旨さなり。

カウンターの上の蛇口で、すぐに手を洗えるのがうれしい。
「エビカニだけで20~30のメニューがあります。天使の海老は身が甘くて絶品ですよ」と店主。

『えびかに家』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-65 小泉ビル/営業時間:18:00~23:30/定休日:不定休/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩3分

構成=フラップネクスト 取材・文==鈴木健太 撮影=丸毛 透