なによりも町田ファーストな老舗『久美堂 本店』

1階の「町田本コーナー」。
1階の「町田本コーナー」。

「ここで根を張っているからには、街の人の希望に応える。それが絶対条件」と話す営業統括本部長の藤田哲也さん。言わずと知れた地域密着型書店の本店は、町田に縁のある作家の作品なら必ず扱う「町田本コーナー」に、毎年春に地元中学の生徒がポップを作る「魂のPOPフェア」など『久美堂』ならではの景色が広がる。

近隣でニーズが多かった看護・医学関係の本を2024年から増やしたという。
近隣でニーズが多かった看護・医学関係の本を2024年から増やしたという。
売れ筋だけでなく掘り出し物の文庫に出合える「ほぼ全点フェア」も。
売れ筋だけでなく掘り出し物の文庫に出合える「ほぼ全点フェア」も。

店長さんのおすすめ地域本

『勝つ、ではなく、負けない。結果を出せず、悩んでいるリーダーへ』 黒田剛 著/幻冬社
by『久美堂 本店』 藤田さん

『久美堂 本店』店舗詳細

住所:東京都町田市原町田6-11-10/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:小田急電鉄小田原線町田駅から徒歩1分

スタッフの顔と“推し”が見える棚『紀伊國屋書店 小田急町田店』

文芸スタッフ手作りの冊子やPOPは読み応えあり。
文芸スタッフ手作りの冊子やPOPは読み応えあり。

2021年にオープンした店舗は、百貨店らしく幅広いラインアップながら詩や短歌などの歌集も豊富。広い催事スペースでは独自商品も展開する。店長・遠藤貴弘さんの「売りたいものをきちんと押し出しすことを心がけている」という言葉どおり、スタッフによるオリジナルフェアは選書も興味深く、訪れる楽しみが増えそうだ。

近隣ではここにしかない、紀伊國屋書店グッズコーナー。
近隣ではここにしかない、紀伊國屋書店グッズコーナー。
ハイエンドな文具が充実、専門スタッフも常駐している。
ハイエンドな文具が充実、専門スタッフも常駐している。

店長さんおすすめ地域本

『やとのいえ』八尾慶次 著/偕成社
by『紀伊國屋書店 小田急町田店』遠藤さん

『紀伊國屋書店 小田急町田店』店舗詳細

住所:東京都町田市原町田6-12-20 小田急百貨店町田店8F/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:小田急電鉄小田原線町田駅から徒歩1分

地元民を支え、地元民に愛される『くまざわ書店 相模原店』

毎週欠かさずチェックしたい、入り口すぐの「週間ベスト」の棚。最近の売れ筋がジャンルごとにひと目でわかる。
毎週欠かさずチェックしたい、入り口すぐの「週間ベスト」の棚。最近の売れ筋がジャンルごとにひと目でわかる。

駅直結で改札からも近いとあって使い勝手抜群、帰宅途中に習慣として立ち寄る学生や会社員も目立つ。「人文書は小さい店では置きにくいけど、いいと思った本は積極的に置いていきたい」と店長の三ヶ島紀子さん。『くまざわ書店』のなかで、2020年発刊の新潮文庫『国道16号線』が最も売れたのはこの相模原店だとか!

各紙の紙面も併せて掲示する書評コーナーも人気だ。
各紙の紙面も併せて掲示する書評コーナーも人気だ。

店長さんのおすすめ地域本

『国道16号線 「日本」を創った道』柳瀬博一 著/新潮社
by『くまざわ書店 相模原店』三ヶ島さん

『くまざわ書店 相模原店』店舗詳細

住所:神奈川県相模原市中央区相模原1-1-19 相模原it’s 4F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR横浜線相模原駅から徒歩1分

見せる工夫と気遣いが光る『有隣堂 ミウィ橋本店』

ファッションビルらしく雑貨が充実、取材時は人気の「猫のダヤン」シリーズも。
ファッションビルらしく雑貨が充実、取材時は人気の「猫のダヤン」シリーズも。

「大型店舗ではないからこそ、コンパクトに対応できるようにしています」と店長の渋沢良子さん。公式SNSのフォロワー1000人達成時には読みたい本を募るなど、ニーズを拾い上げて答える取り組みも印象的だ。スタッフが自身のいち推しを紹介する「スタッフおすすめ本フェア」は、個性たっぷりのPOPがずらりと並び圧巻。

ついつい見入ってしまう手書きPOPが並ぶ。
ついつい見入ってしまう手書きPOPが並ぶ。
背の高い面陳の棚が多いのも特徴。
背の高い面陳の棚が多いのも特徴。

店長さんのおすすめ地域本

『奥さがみ・道志・桂川 散策絵図』村松昭 著/アトリエ77
by『有隣堂 ミウィ橋本店』渋沢さん

『有隣堂 ミウィ橋本店』店舗詳細

住所:神奈川県相模原市緑区橋本3-28-1 ミウィ橋本4F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄橋本駅から徒歩1分

大人も子供も知識欲を満たせる『ACADEMIA くまざわ書店 橋本店』

見本も多く用意されている児童書コーナー。「大人も子供も一緒に楽しめるような企画を考えていきたい」と村上さん。
見本も多く用意されている児童書コーナー。「大人も子供も一緒に楽しめるような企画を考えていきたい」と村上さん。

フードコートのそばで、週末はファミリーでにぎわう店舗。ワークショップなどのイベントも毎月開催、児童書はさすがの充実っぷりだが、子供と一緒に訪れた親向けに工学の専門書も充実しているところがまた心憎い。「近隣に多い美大とコラボしたアート関連の催しもやってみたい」と店長の村上元康さんは夢を膨らませる。

店舗奥にずらりと並ぶ専門書の棚。
店舗奥にずらりと並ぶ専門書の棚。

店長さんのおすすめ地域本

『SUPER OPEN STUDIO ──制作と生活の集合体』中尾拓哉 編/SUPER OPEN STUDIO 2023 実行委員会
by『 ACADEMIAくまざわ書店橋本店』村上さん

『ACADEMIA くまざわ書店 橋本店』店舗詳細

住所:神奈川県相模原市緑区大山町1-22 アリオ橋本店1F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄橋本駅から徒歩10分

取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2024年11月号より

長い間、書店がない街だったエリアに2019年以降、新刊・古書店が集まってきた。それぞれに個性際立つ5軒だが、共通しているのは街と共生していること。新たな試みを紹介しよう。
群馬県の2大都市、前橋と高崎は、何かと比べられることが多い。でも、各地の書店に共通するのはご当地本の充実、店舗の広さを生かした豊富な品揃え。そして日常生活に欠かせないところだ。
昨今は無書店駅もある板橋エリア。そんななか、独立書店や古書店が静かにキラリと光っている。カテゴリーは違えども、どこも皆、日常を豊かにする「街の本屋さん」。点在する4店をめぐってみよう。