『蕎麦 やましん』スタイリッシュなそばとつまみに舌鼓
そばは月ごとに産地を替え、その時季に収穫されたものを実のまま仕入れ、店内の石臼で自家製粉している。ズズッと勢いをつけてすすると、清々しい香りがふわりと舞う。さらに、食べ進めるごとに広がるフレッシュな旨味もたまらない。2022年オープンとまだ新しい店だが、夜には生ポテトサラダや鰯薬味のり巻といったアイデア料理、刺し身などのつまみを豊富に揃え、玄人のそばツウのみならず、気軽に飲める酒場として地域の人々にも支持されている。
『蕎麦 やましん』店舗詳細
『nope(ノープ)』好奇心そそるスパイシーなネオ中華
『ザ・ペニンシュラ東京』で広東料理の伝統を学び、四川料理や少数民族料理の店でも修業した店主の高木祐輔さん。幅広い経験に基づく多彩なスパイス使いを体感するなら、まずは前菜盛り合わせ。紹興酒でコンポートにしたキンカンは青山椒、花椒がアクセントになり、さらに甘みが前面に現れ、ミョウガの甘酢漬けはクミンでよりみずみずしくなる。ワインを合わせれば華やかさを増し、うっとり。
『nope』店舗詳細
『ら~めん つけ麺 幸加』動物×魚介の均衡のとれた一杯
白濁したスープは、その見た目どおり力強い旨味をたたえつつ、後味は意外なほど軽やか。慎重にアクを取り除きながら、鶏と豚、魚介のバランスを重視して出汁を取っているという。国産小麦「春よ来い」を使用したオリジナルの特注麺は、もちっとした弾力が心地良く、スープとの相性も抜群。脂がさっぱりしていて、肉の旨味と甘みが際立つ銘柄豚「岩中豚」で作るチャーシューも評判だ。
『ら~めん つけ麺 幸加』店舗詳細
取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2024年4月号より